お盆一枚
どうにもわたしはこういうものに弱い。
皆のいい表情(かお)に泣いてしまった。
とは言い過ぎだがついほろりと来てしまった。
ころころ変わる皆の表情に、ぐっと。
皆とは舞台上の芸人、客席のお客さん、審査員。
舞台が始まる前に挨拶する演者と審査員たちと観客たち。
さあ、さて、演者が登場したときの皆の顔。
観ているときの顔、終わってからの講評時の顔。
互いに「ありがとう」を言う顔。笑ってる皆、皆の顔。
イギリスのオーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』。
日本の芸人もぞくぞくと参加していることでお馴染みのこの番組に、
彼が、いや彼も、出ていることは今日SNSで偶然知った。
蝶ネクタイにお盆一枚の彼。
2年前にこの番組でウケていた芸人も裸やったやん。
にほんの芸人のイメージそないなってまうやん。
って、それはともかく、
あのお盆芸を披露する。
ワールドワイドバージョンで。
お盆一枚&いろいろで、ぎりぎりに。
あーっ。しょーーもない。
このひとに関しては亡くなった歌丸師の苦言も忘れ難い。
「あんなもの芸とは言えない」
「私は、違うと思うなあ」
知ったのは神田伯山のラジオだった。
歌丸師の言いたいこともわかるし、
でもそれを受けての伯山や太田光の
「いや、あれは芸だ」という言葉と気持ちもとてもいいなと思った。
(当時もBlog記事で話題にしている)
そんなこんなで好きとか嫌いとかじゃないけれど印象深い。
いや、どちらかと言うと嫌いでは全くない、好きな方かな。
しかしまさかのイギリス上陸。
しょーーもないー。
番組の進行役(?)みたいな人は笑いながら言っている。
「完全に狂ってる」
ほんまやで。
でも、かっこいいな。かっこええよな。めっちゃ。
わかってもらえんひともおるかもしれんけれど。
でもわたしはほんまにそう思うのだ。
だってこれが「この人のやり方(仕事)」だ。
かっこよくはないかもしれへん。
裸にお盆だ。
我々は何を見せられているのだ。
何を見ないように見せられているのだ。
でもこれが、これが、この人の、
(お互いに)「やり方(仕事)」で、
つまりは「この人(そのもの)」だ。
当然、好き嫌いは当然出てくるだろう。
「はだか」だからこそ決めつけや切り捨てをされるリスクは
たいへんに大きい。
上品では、ない。
でも下品にも見えないところがこのひとのこのひとらしさなんだろう。
さらには、というか逆にの話もすると。
これをこういう芸を評して「これが芸の原点だ」などと
言いすぎるようなことも偏っているというかなんだかなと
わたしは思いもする。
なぜならそれはそこには「そう言ったり思ったりする(自称見るめあると思っている)自分への酔い」も少なからず含まれていると思うから。
それはただそのひとの、それぞれのその人の「やり方(仕事)」だ。
その「自分のやり方」をやり、やり続けることは、かっこええこと、
きっと悩みも、いろいろも、ほんとうにあるだろうけれど、
ほんとうにかっこええことだと、わたしは思う。
そしてそれが、この場合、「はだか」が、
シアター内の観客や審査員の表情をころころと変えさせ笑顔にさせている。
ええな。
ええやん。
かっこよくないかもしれないが、かっこええ。
かっこええけど、かっこよくない。
ほんま、しょーーもない。
舞台上の人が笑ってる。
己の芸で客席が笑っていて、だから笑ってるええ顔になる。
逆か。
そのやり方に仕事に劇場中の皆がころころ表情を変えて楽しんでいる。
笑っている。
さらに、その空気と時間を動画で観るわたしたちも笑っている。
審査員たちの表情、言葉、よかった。
この一言、よかったな。
「I love you , They love you」
*
これは当時書いたときのもの(歌丸師匠とか伯山のときの)を含む5年前のBlog記事。
書き方とかは変わってきても、
ナカミというか芯は変わらんもんですな、と自分でしみじみ。
*
こちらは2年前のはだかの芸人さんのときの。
こちらもいろいろ絡めて書いているが好きなものは変わらない。
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