誰かの「これから」と「ただいま」が交差する場所にて

かつて、モノクロの写真展に出品した一枚です。
場所は、羽田空港。
ここには、これからどこかへ向かう人の高揚感や、どこかから帰ってきた人の安堵感など、目に見えないたくさんの「感情」が渦巻いています。
そんな空港の人々の行き交う動きを表現してみました。
あえて色を無くしたモノクロの世界。 その中で、しっかりと立ち止まっている人と、まるで煙のように流れていく人。その対比を見ていると、ここに写っている一人ひとりに、それぞれの目的地があり、それぞれの人生の物語があるんだなということが、じんわりと伝わってきます。
都会の喧騒の中にいると、人はただの「人混み」に見えてしまうことがあります。

でも、ファインダーを覗いてほんの少しシャッターの時間を延ばしてみるだけで、そこにはまるで、生き物のような愛おしい時間の流れが浮かび上がってくる。
カメラを持っていると、普段は見過ごしてしまうような街の呼吸や、誰かの人生の一瞬に、そっと触れさせてもらえるような気がします。
みなさんには、この流れる人々の姿が、どんな風に見えますか?
