身体は思ったより忙しい
月に1度、ボディケアに通っています。
昨日は、ちょっと変わったエクササイズをやりました。
カーペットの上に引かれた一本の線を、綱渡りの綱に見立てて歩くというものです。普通に歩くのではなく、右足を前に出したら、左足の踵は右足の指先に合わせて置きます。つまり、自分の足のサイズ分だけ、少しずつ前に進んでいくことになります。
カーペットの上とはいえ、一本の線からはみ出さずに歩くのは、ただ漫然と歩くよりずっと難しいものでした。最初のうちは、線から大きく外れないように視線を下げて、線を目で追ってしまいます。
トレーナーから「顔を上げて、正面を見てください」と言われて、顔を上げると、線の上を歩くのが、さらに難しくなりました。
この基本の動きに、いくつかバリエーションが加わります。
両手をまっすぐ上に伸ばし、天井を見上げながら歩くと、もっとやりにくくなりました。
目を閉じて、トレーナーが鳴らす指の音だけを頼りに歩いたときは、短い距離にも関わらず、少し怖いと感じました。バランスが取りづらくなったのは、その部分でも目を使っているからでしょう。
その後に、指の音が、ゴールの方向からではなく、あちこちから聞こえてくる、というのをやりましたが、だいぶ混乱してしまいました。
目を閉じて歩いてみて、自分が視覚情報にどれほど頼っているかを実感しました。
以前、目を閉じて壁に向かって歩くと、大抵の人は、壁の直前で止まるという話を聞いたことがあります。靴音の反響などで、気がつくのでしょう。
実際にやってみて、音が持つ方向性には、かなり敏感だというのはちょっとした発見でした。いろいろな方向から聞こえてくると混乱するのは、そのせいだと思います。
慣れない歩き方をしている状態では、腕の位置を変えたり、視線を少し上げたりするだけでも、簡単にバランスが崩れてしまいます。
日常生活において、慣れた場所で、慣れた動作しかやっていないということは、身体のごく限られた部分しか使っていない状態だということが、とてもよくわかりました。
少し練習すれば、ものすごくぎこちなかった動作でも、だいぶマシになります。新しい動きに対応する回路ができたのかもしれません。
運動量としては、たいしたことはないはずなのに、終わったあとは、ずいぶん疲れていました。知らない土地に行ったときや、まったく新しい仕事を始めたときに、かなりの疲労感を感じるのと似ています。
身体にも、「慣れないことに対応する疲れ」があるようです。
