【掌編小説】結乃と止まった天の川
「天の川を止めよう!」
腰に手を当て空を指さしながら結乃は声高らかに叫んでいた。
「うん。わかった。」
いつもの素っ頓狂な宣言に僕は感情もわかず淡々と言った。
「見ていてね!まずは、えーと。石でも積む?」
もう自信がない。それもいつものことだ。
「まず川といっても石で止まるような川じゃないよ」
「ふっふっふー」
結乃は含みのある笑みを浮かべる。
スマホを取り出すとパシャリと空を撮った。
「見て!ほら!これで二度と動かないね!」
チロンと僕の携帯が鳴る。添付された画像は確かに天の川だ。静止画。
「どうだ!止まっただろう!」
両手を腰に当てがっはっはと笑っている。
「そうだね。天の川を止めることには成功したのかな」
そう言って僕は待ち受けを天の川に変えた。
結乃が止めた。天の川。
それが僕のスマホで証明されていた。

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