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LegalAlpha Vol.188.9|自動車ローン請求|「無料*」遂に登場!

※本記事は、訴訟ファンドおよびその関連制度について、筆者の個人的見解を含む一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の投資対象の取得・売買・勧誘・推奨等を意図したものではありません。


英国の自動車ローン請求。原告代理人 Barings Law の消費者向けページを開くと、でかでかと 「FREE*」。賠償金は100%あなたのもの、成功報酬ゼロ、と謳う。

……遂にこういうのも登場か、と唸った。
(実際のサイトはこちら。)


星印(*)の先に本質がある

「FREE」は目を引く。だが本体は、その右上にちょこんと乗った アスタリスク の先の脚注にある。曰く——firm の費用・実費・VAT は「敗訴側が最終的に支払う額」に限定する。だから顧客は success fee を一切引かれず、賠償金を丸取りできる、と。

タネは、英国の 費用敗訴者負担(costs-shifting) の応用だ。英国では負けた側が勝った側の弁護士費用を払う。ならば「うちのフィー=敗訴した貸し手が払う costs」と設計してしまえばいい。firm は 負けた相手 から回収する。顧客の取り分は100%のまま。

なぜ「今」効くのか

CMC(クレーム業者)の標準は、賠償金から18〜36%を抜くモデル。そこへ「うちは一円も抜きません」とぶつける。しかも FCA・SRA が CMC の不当なフィー慣行を締め上げている真っ最中だ。規律強化の逆風を、そのまま差別化の追い風に変えている。

ただし——タネには前提がある

この知恵、タダで回るわけではない。成立条件は「勝てること」と「数が多いこと」。敗訴側から costs を回収できて初めて採算が立つ。逆に言えば、Johnson 最高裁判決で勝ち筋が細り、開示で母数が絞られ(ある貸し手では178件→66件)、勝率が落ちれば——回収できない costs だけが積み上がる。

「100%あなたのもの」の裏には、firm が勝率と件数に賭けている構図がある。costs-shifting を営業文句に翻訳した発明品は、勝ち続ける限り美しく回る。

——知恵だな、知恵。それとも、一発逆転狙いか。


※本記事は、訴訟ファンドおよびその関連制度について、筆者の個人的見解を含む一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品または投資対象の売買、取得、勧誘、推奨等を意図したものではありません。また、本記事は特定の法的助言を提供するものでもありません。記載内容の正確性や完全性について保証するものではなく、今後変更される可能性があります。投資判断や法的判断を行う際は、必ずご自身でご確認のうえ、専門家にご相談ください。

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中田 憲太郎 Monterey Capital Management Pte. Ltd. チップ不要。お気持ちだけで結構です。