インディフィニト・ノート 41話
<前話までのあらすじ>
安藤はソファーで目覚めると会社を退社して新人歓迎会&昇進祝いが開かれる居酒屋へと移動した。最後に着くとは思わなかったが同期の城田が乾杯の音頭をとって会が開始された。無礼講の一言が気になったが咎める気には
なれなかった。意外な欠席者も判明するが突然、新たな参加者が加わる事に
なって状況は一変する。
1話は<1~5P>こちらから
40話は<201~205P>こちらから
41話<201~205P>
「お疲れ様です」
安藤を含む参加した社員は誰が来たのか気付いてはいたが良い薬になると役職呼びは控えて各自、挨拶を済ませる。
「でも凄く美人だ」
城田の裸眼では30代の女性にしか見えなかったので名前の確認もなく、馴れ馴れしかった。
「しばらく見ない間に、そんな、お世辞も言えるようになったのね」
「今日、この後、予定無かったら二次会なんて参加は辞めて二人っきりで、抜け出そうよ」
「うーんどうしようかな~」
一次会も終わってないのに二次会がある訳もないのだがタメ口で話す城田にも怒る素振りを見せない部長。
(泉部長は一体何を企んでいるんだろう)
安藤を筆頭に社員は心の中で呟いていた。
「私のタイプは良い人止まりの感じとかではなくてオスみを感じる人が良いのよね」
城田の目の前にあるソーセージの皿を指した。
201
「なるほど。今日は無礼講でしたよね。私のは、もっと大きいですから満足して頂けると」
城田は、ここが店内だという事も忘れて大胆になっている事に気付かずに自身の腰のベルトを緩め始める。
その間、泉は真弓にスマホを見ろとジェスチャーした。その動きを見逃さずに自分のバッグからスマホを取り出した真弓は泉から送られて来たショートメールの内容を確認した。
”城田のこめかみを掴んで動きを封じたらカバンに入っている小道具のギャグボール(SM道具)で口を塞いでほしい”と書かれていた。真弓は差し出された泉のバッグから小道具を取り出して背中に隠しながら泉部長の実年齢を思い出そうと記憶を辿る。
見た目は30代でも通るが確か30年前は売れっ子のSM嬢だった事を聞かされていた事を思い出した。確か25歳の時が人気絶頂だとも話してたので現在55歳オーバーなのは間違いない。オーバーと見積もったのはサバを読んで話している可能性があるからだった。
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「城田君には負けたわ。今回は特別に先っぽだけよっ」
泉はソーセージを舐めながらウィンクでダメ押しをして城田の理性を破壊した。
「無礼講、最高ぉーーー!」
城田は目の前の人が誰だか分かっていない。そこに居るのは本能丸出しの雄のホモサピエンスだ。自分が罠に掛かっているとも知らずに、席を立ってベルトを外すことに成功するとズボンのチャックを下に降ろした。真ん中まで来たところで泉はソーセージを置いて行動に出た。
「ハイ、そこまでよ。現行犯逮捕します」
泉は城田のこめかみを右手で掴んだ。
「何ですか、これ?」
状況がよく分かっていない城田は茫然としている。
その動きを見逃さずに打ち合わせ通りに真弓が後ろ手に持っているギャグボールを背後から城田の口に装着した。グッドのサインを送ると、その場から少し距離を置いた。それを受けて泉は左手でグッドサインを返して微笑んだ。
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「……」
流石に意味が分からずに直立した城田だったが泉は、お構いなしに右手の親指と小指に力を込めていく。昭和のプロレス好きには馴染みの『アイアンクロー』が披露された訳だが女子社員は、もちろん知らないのでポカーンとなり、口が開きっぱなしである。
何が起きたのか真っ先に理解したのは、安藤だけだった。別名、鉄の爪。漫画、スーパースター列伝にも登場する技でシンプルではあるが威力は相当なものだったと言われている伝説の技でもある。
側頭部を掴む場合と腹部を掴む技の2種類を使い分けていたが側頭部の方が知っている人も多いだろう。城田は頭をしっかりとホールドされているの
で動かす事が出来ずに万力で固定されていると錯覚した程だ。
徐々に力が加わっているのが分かり、頭が割れるんじゃないかと思うくらい痛みが増していく。片手で側頭部を掴んでいるのを見て、とても女性の力とは思えないと感じた。
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「んんぅんーーー」
声にならない声を出す事しか出来ない城田は、現実に起こっている出来事なのか夢の世界なのか区別が着かなくて誰でも良いので説明が欲しかった。
余興で打ち合わせした記憶は無かったので夢なのかとも思っていたが夢にしては過度に痛すぎる気がしてならない。先っぽとは何だったのか? 特別とは何のか? クエスチョンマークが頭の中をグルグルと回り続けている。
まるで答えの出ない問題を解いているみたいだった。一度だけ、そういう種類の問題を聞いた時の記憶が蘇る。暗闇の中でピンク色の熊を証明するにはどうすれば良いのか? という内容だった。なぞなぞが得意だったり、知識が豊富にある人なら答えに辿り着くんだろうが今思い出すまで完全に忘れていた位だった。
もし出された時期が卒業課題と認定されていて教師を納得させれないと大学(もしくわ専門学校)を卒業できないないという条件ならば無理くりでも考えていたのかもしれない。
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41話<201~205P>
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