インディフィニト・ノート 23話
<前話までのあらすじ>
黒崎の反撃が始まって奥島が劣勢にたたされてしまう展開が続く。その
展開から逃げ出すチャンスを作り出す為、相棒の西田が物理的ではなく、
心理戦を仕掛けていく。
1話は<1~5P>こちらから
22話は<106~110>こちらから
23話<111~115P>
そんな絶好のチャンスを逃す筈もなく、簡単に技を振りほどいた奥島が振り向き様に急所(金的)蹴りを放った。
「イテェーーーーーーっ」
痛がって真上に飛び跳ねる黒崎の横を通り過ぎて自分の陣地のコーナーポストへ戻ると西田が待っており軽快にタッチを交わして選手交代となった。
「さてと相方の分も仕返ししないとな」
西田が勢いを付けてダッシュすると背後からは狙わず一旦相手を追い越してロープの反動を利用して更に加速した所でのランニングネックブリーカードロップ(空中首折り落とし)を決めた。
「オホッエホッ」
あまりの痛さにリングを降りてエスケープする黒崎。うつ伏せで動くことができずに自身の回復に1分以上は掛かりそうだった。
レフリーが不在なので場外乱闘が無かったのは幸運だったと言える状況だった。
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「お前ら卑怯だぞっ」
相棒を心配した鶴居は、対戦校の二人である西田と奥島を罵倒し始めた。
「おいおいっ。俺たちが一体いつ、誘拐したって言った?」
奥島がエプロンで鶴居の返事をする。
「確かに、よく考えたら言ってない」
相棒との情報交換が出来ないので未だ状況が掴めていない鶴居。
「鶴居。つまり、お前の勝手な思い込みだろ。ふざけてんのはどっちだ?」
西田は鶴居に理解できるように説明すると自身のコーナーへ戻った。次にコーナーポストに背中を預けると両足をクロスさせて、余裕のポーズを見せた。
この間、体力が回復した黒崎は完全に罠にハメられたと腸が煮えくり返っている状態で鶴居が待つコーナーへと場外を歩き始めていた。
(俺達をコケにしやがって)
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黒崎は、鶴居にタッチして交代するとエプロンサイドで睨みを利かせた。ロープをくぐりリングに入った鶴居は両手を交差して腹に触れる動作を繰り返して気合が入っている事をアピールする。
「黒崎、こっちは嘘は付いて無いんだから私情を持ち込むなよ」
西田は、両足を解いてコーナーから離れるとエプロンに居る黒崎を挑発した。
「おいっふざけんなっ。最初に持ち出したのはテメェだろうがっ」
「今は私の番ですよ。黒崎ちゃんは引っ込んでなさい!」
抑え込んでいる怒りのマグマが吹き出そうになる黒崎は相棒の鶴居からオネエ言葉で話し掛けられた事によって気持ちを鎮める事が出来た。
鶴居が私呼びとオカマ言葉を発動してる時は頭に来ている証拠なのだ。
「悪い、少し頭に血が上り過ぎてたわ」
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黒崎も根は単純なので混乱を生じさせた張本人を責める気にはなれなかった。
「何、分かってくれれば良いのよ」
鶴居は後は私に任さなさいと言わんばかりに眼光が鋭くなっている。手を抜いてくれそうにない状況下では体重を乗せてくる技は、最も警戒しないといけない相手だと西田は感じている。
「さてと、おっぱじめるかっ」
「アンタを捻りつぶしてやるわよ」
二人の会話が途絶えると西田は鶴居の手四つの構えに付き合わずに寝技の展開に持ち込むべく素早い動き。特にマットに対して膝が滑っているように錯覚するくらいのプロ顔負けの動きを見せて姿を見失った時を見計らい左膝を取りに行った。が何事も無かったかのように鼻で笑われている。
奥島の高速タックルならば倒れていたかもしれないと一瞬、不安になったが比較しても仕方がないと判断してニヤッと笑った。
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西田は滅多に出さない低空ドロップキックに切り替えて左膝を再度狙っていく。
「うわっ」
足元へのドロップキックをもらった事がなかったと思うようなリアクションで足元がグラ付いて、うつ伏せに倒れていった鶴居。
奥島は相方の西田が久しぶりに本気になっているのが単純に嬉しかった。ここ一番でしか出さない技の一つが出てきたので全中戦争に参加して良かったと思えた。もちろん、多少、強引な救出方法ではあったが、はったりは、不良の常套手段といえるだろう。
西田は、うつ伏せになっている鶴居に打撃を加える様子もなく素早く相手の左手を両脚を使って股下部分で挟んで動けなくする。次に腕がきまった状態で体重を横腹にかけながら右手の肘関節をくの字にして相手の頬骨辺りに当てて絞めるとナガタロックⅡが決まり強烈に締め上げていく。
「いたっーーー。アンタ、バカじゃないの?」
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23話<111~115P>
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