【故国日記】#02:「お袋の味」
どこにいても
別に母国の料理なんて
それほど恋しくならなかった
そんな無情な私。
しかし離れて暮らすこと
10年を超えてくると、
今更ながら「お袋の味」で
ちょっぴりセンチな気分になる。
お年を召した母の料理は、
小さい頃食べていた味から
確かに少し変わっている。
言ってしまえば
今の「お袋の味」は、
美味しいとか
不味いとか
そういう次元すらも
遥かに超越した存在。
張り切って作りすぎたカルビチムも
手間暇惜しまずの緑豆ビンデトッも
専門店顔負けのキンパも
もう永遠のものではないと
気がついたのかもしれない。
精々元気な胃袋をキープし
ぺろりと平らげ、
「お袋の味」への、
満面の笑みで喜ぶ母への
最大の敬意を払いたいものだ。
