「私はどうしたい?」がわからないあなたへ。自分の本音を見失ってしまう理由
はじめに 「私はどうしたい?」と聞かれると、答えられない
「何食べたい?」
「なんでもいいよ」
「どっちがいい?」
「あなたが決めていいよ」
こんなやり取り、したことはありませんか?
友達とのランチならまだいい。
でも、仕事のことになると、
「これからどんな仕事がしたい?」
と聞かれても、うまく答えられない。
恋愛でも、
「彼に何をしてほしい?」
と聞かれて、
「……私、何をしてほしいんだろう?」
となる。
自分のことなのに、自分の気持ちが分からない。
そして、
「私って優柔不断なのかな」
「意思が弱いのかな」
「自分軸がないのかな」
と、自分を責めてしまう。
でも、もしかすると違うのかもしれません。
あなたに「気持ちがない」のではなく、
自分の気持ちを後回しにすることに、慣れてしまっただけ。
第1章 「どうしたい?」に答えられないのは、意思がないからじゃない
「私はどうしたい?」
この質問に答えるには、まず自分の気持ちを確認する必要があります。
「私はこれが好き」
「これは嫌」
「本当はこうしたい」
と、自分の内側を見る時間が必要です。
ところが、いつも先に考えているのが、
「相手はどう思うかな?」
だったらどうでしょう。
「こっちを選んだら喜びそう」
「断ったら嫌な顔をされるかも」
「みんながこうしているから、私もそうしたほうがいい」
こうして、自分の気持ちを確認する前に答えを決めてしまう。
だから突然「私はどうしたい?」と聞かれても、答えられなくなるのです。
心理学では、自分の気持ちや欲求を抑え、相手を優先する傾向を「self-silencing(自己抑制)」として研究しています。
この傾向を測る尺度では、「他人からどう見られるかを基準に自分を判断する」「自分より相手のニーズを優先する」など、31項目もの質問で測定します。
つまり、
「本音が分からない」という状態には、ちゃんと仕組みがある。
ただの「優柔不断」ではないのです。
本音がないのではなく、
本音を聞くより先に、周りに合わせる答えを探す癖がついているのです。
第2章 「いいよ」「大丈夫」が口ぐせになるほど、本音は見えなくなる
本音が分からなくなるのは、大きな出来事がきっかけとは限りません。
むしろ怖いのは、小さな「いいよ」「大丈夫」の積み重ねです。
本当は疲れている。
でも「大丈夫」。
本当は会いたくない。
でも「いつでもいいよ」。
本当は彼にもっと連絡してほしい。
でも「忙しいだろうし、言わなくてもいいか」。
仕事でも、
「本当はこれ以上抱えるのは厳しい」
と思いながら、「大丈夫です」と引き受ける。
1回なら大したことではありません。
でも、1日1回、自分の気持ちを飲み込むとしたら、1年で365回。
もちろん単純な例ですが、自分を後回しにする選択が何度も積み重なっていることは想像できます。
そして、
「別に嫌じゃないしなぁ」
「これくらい普通だよね」
と繰り返しているうちに、
「私は何が嫌なの?」
「何をしてほしいの?」
「本当はどうしたいの?」
が分からなくなっていく。
本音を失うのは、一瞬ではありません。
小さな本音を何度も見送った先で、「私、本当は何がしたいんだろう」となるのです。
第3章 「相手にどう思われるか」が先になると、自分の気持ちは聞こえなくなる
20〜30代になると、仕事も恋愛も人間関係も、「自分で選ぶ」場面が増えていきます。
でも、そのたびに「自分」ではなく「相手」を基準にしていたら、少しずつ自分の声が小さくなっていきます。
仕事では
「こんなことを言ったら、面倒な人だと思われそう」
恋愛では
「こんなことを言ったら、重いと思われそう」
人間関係では
「断ったら嫌われそう」
どれも共通しているのは、
「私はどうしたい?」より「相手はどう思う?」が先にきていること。
もちろん、相手の気持ちを考えることは悪いことではありません。
むしろ、それはあなたの優しさです。
ただ、その優しさがいつも「自分を後回しにすること」とセットになっていたら、苦しくなってしまう。
だから、一度だけ立ち止まってみてほしい。
「私はどうしたい?」
を考える前に、
「私は今、何を気にしているんだろう?」
と。
「嫌われたくない」
「迷惑をかけたくない」
「面倒だと思われたくない」
そんな言葉が出てきたなら、そこにあなたの本音を隠している何かがあるかもしれません。
第4章 本音を隠しているつもりがない人ほど、気づきにくい
「私は我慢している」と自覚できていれば、まだ気づきやすい。
もっと分かりにくいのは、
我慢していることを、自分で納得させてしまうこと。
「別に嫌じゃないんだよね」
「これくらい普通でしょ」
「みんなもやってるし」
「私が気にしすぎなのかも…」
そうやって違和感を打ち消していく。
彼からの連絡が少なくて寂しい。
でも「忙しいんだから仕方ない」。
本当は仕事を変えたい。
でも「今辞めるのは周りに迷惑かかるかな」。
友達との予定を断りたい。
でも「せっかく誘ってくれたんだから」。
どれも間違いではありません。
問題なのは、
「私は本当はどう感じている?」を確認しないまま、「仕方ない」で終わらせてしまうこと。
あなたが本音を失ったのではありません。
小さな本音を、何度も見送ってきただけなのかもしれません。
第5章 「好き」より「違和感」のほうが、本音は見つけやすい
では、どうすれば自分の本音が分かるのでしょうか。
いきなり、
「人生で何がしたい?」
と考えなくても大丈夫です。
むしろ最初は、
「私は何が嫌だった?」
と考えてみてください。
たとえば、
・本当は嫌だったけど笑っていたこと
・無理して「大丈夫」と言ったこと
・本当は寂しかったのに我慢したこと
・誰かに合わせたあと、モヤモヤしたこと
を1つだけ思い出す。
「好き」を探すより、「違和感」を探す。
そのほうが、自分の気持ちに近づきやすいことがあります。
たとえば、
「彼から連絡がなくてモヤモヤした」
なら、
「連絡がないことが嫌だったの?」
と考えてみる。
すると、
「連絡の回数より、大切にされていない気がしたのが嫌だった」
と気づくかもしれない。
そこまで来ると、
「私、本当は安心したかったんだ」
という本音が見えてきます。
本音は、いつも「私はこうしたい!」と大きな声で現れるわけではありません。
小さな「なんか嫌」の中に隠れていることもあります。
第6章 自分の本音を知ることは、わがままになることじゃない
「自分の気持ちを優先したら、わがままにならない?」
そう思う人もいるかもしれません。
でも、
「自分の気持ちを知ること」と「自分の思い通りにすること」は違います。
「今日は疲れているから、本当は休みたい」
と気づいた。
それでも、
「今日は友達との約束を選ぼう」
と決めることはできます。
違うのは、
「断ったら嫌われるから行くか・・・」
ではなく、
「私は休みたい。でも、今日は友達との時間を選ぶ」
と、自分で選べること。
自分軸とは、「誰にも合わせないこと」ではありません。
合わせるかどうかを、自分で選べること。
だから、まず必要なのは人生を大きく変えることではなく、
「私は本当はどう感じている?」
と、自分に聞いてあげることなのです。
🌙月あかりメモ
もし今、
「私は自分の本音が分からない」
と悩んでいるなら、焦って答えを出さなくて大丈夫です。
「分からない」と答える日があってもいい。
その「分からない」も、今のあなたの大切な気持ちだから。
まずは今日、
「私は、本当は何が嫌だった?」
と1つだけ考えてみてください。
もしかしたら、
「本当は寂しかった」
「本当は嫌だった」
「本当はもっとこうしてほしかった」
という小さな声が聞こえてくるかもしれません。
その声を、「そんなこと思っちゃダメ」と消さないであげてください。
あなたの中に本音がないのではありません。
ずっと周りを優先してきたから、
自分の本音を聞く時間が少なかっただけなのかもしれません。
そして、本音が分かるようになったとき、
「私はどうしたい?」
という問いは、
「分からない」から、
「私は、こうしたい」
へ少しずつ変わっていきます。
その最初の一歩は、
「私は、本当はどう感じている?」
と、自分に聞いてあげること。
今日から、少しずつでいいのです。
🌙
Moon Storiesは、がんばりすぎてしまう大人のための心の休憩所です。
人間関係に疲れた夜や、
自分を責めてしまう日に。
心を整えるヒントをお届けしていきます。
また月あかりの下でお会いしましょう🌙
