アニソンで綴るマクロスFの世界
久びりに趣味のアニソンネタを書こうかなあと。
「あれ?歴史も趣味じゃないの?」
まあ、お金貰って書いてるわけじゃないんで、そうなんですけどね。歴史ネタは何と言いますか、ちょっとした“緊張感”を持っていつも執筆しておりましてね。理由ですか?それはご想像にお任せします。その点、アニソンネタは自分が好きな物を好きなように書いているので、歴史を書いている時よりも楽しいんですね。ということで、今回は私の注目する作曲家の一人である菅野よう子さんの作品をチラリとご紹介したいと思うわけです。ガンダム、マクロス、エヴァンゲリオンは日本の3大アニメーションだと思うんですが、今回はそのマクロスシリーズの中でも、とりわけ私が好きな「マクロスF(フォロンティア)」の世界を、彩り豊かな劇中歌を紹介しながら、皆さんに味わって頂こうと思います。それでは、始まり始まり…。
才人菅野よう子が彩る華やかな「歌」の世界
「マクロスF」は、初代マクロスが1982年に放映が開始されてから25周年を記念して製作された作品です。それだけに初代マクロスやマクロスゼロなど、過去の作品を彷彿とさせるシーン満載で、もうマクロスファンにとってはお腹いっぱい大満足という素晴らしい作品でした。重厚なシナリオも味わい深いのですが、何よりも二人の魅力ある歌姫が縦横無尽に活躍する様は、見ていて華やかで心が躍りました。
私の記憶が確かなら、今でこそ声優が歌ってライブして、ファンがオタ芸を披露するというのは当たり前の光景ですが、そのキッカケを作ったのは、初代マクロスだと思います。初代マクロスは「歌」が大きなテーマとして描かれた特異なアニメでした。しかもヒロインであるリン・ミンメイを演じた飯島真理さんが劇中歌を披露するという離れ業をやってのけました。
※歌える声優の元祖…
飯島さんの出現は、その後の日本のアニメ界を大きく変えることとなります。その意味で、彼女の活躍は日本のアニメ産業隆盛の礎を築いたと言えるでしょう。実に偉大な功績です。その後のマクロスのヒロインも、ミンメイに続いて基本的に「歌」を披露しています。そんな歌うヒロインが、何とマクロスFでは二人も登場するという実に贅沢な趣向です。萌え系のランカに美形キャラ系のシェリル。どちらのテイストを好むアニメファンも取り込もうという制作者の目論見は大成功。こうした効果もあってか、マクロスFはマクロスシリーズの中でも屈指の人気作となりました。そんな二人が熱唱するこの歌を先ずご紹介しましょう。(注:ランカ・リーは声優中島愛が歌っていますが、シェリル・ノームの歌唱はMay'nが吹き替えています)
1)「ライオン」
作詞・作曲:Gabriela Robin(菅野よう子) プロデュース:菅野よう子
歌:May'n(シェリル・ノーム)&中島愛(ランカ・リー)
いや~、実に良い曲です。菅野さん、やっぱり良い仕事してますねえ。オリコンの週間シングルで3位、JOYSOUNDの年間カラオケランキングでは、2009年~2012年の4年連続であの「残酷な天使のテーゼ」に次ぐ人気第2位を獲得するという快挙を成し遂げました。彼女は作曲だけでなく作詞の才能もピカ一ですね。菅野さんは「カウボーイビバップ」のjazzの渋いテーマ曲なんかも作曲してますし、
※大野雄二亡き後、その跡を継ぐのは…
変わったところでは、「信長の野望」のテーマ曲なんかも作ってますね。マクロスFの音楽は管弦楽も含めて全て菅野さんが手掛けており、
※菅野さんがいなければ、こんなにシリーズが続かなかったかも…
交響曲からオペラまで器用に作曲したモーツァルトのような、実にアクロバティックな活躍を見せています。
※名オペラ作曲家は器楽曲が不得意なことが多いけど、この人は特別…
しかもマクロスFの中の劇中歌の多くがヒットを飛ばすという偉業を成し遂げています。
2)「射手座☆午後九時Don't be late」
作詞:佐藤大・hal・マイクスギヤマ 作曲・編曲:菅野よう子
歌:May'n(シェリル・ノーム)
実にノリの良い音楽です。歌っているMay'nさんの歌唱力に圧倒されます。劇中のシェリル・ノーム(演:遠藤綾)は、この歌に見えるように一見するとお姉様キャラなんですが、実はナイーブでか弱い女の子という面があり、このギャップ萌えが良いんです。私はランカではなく断然シェリル派なので、シェリルお姉様に何度ぶたれても我慢しちゃいます。うふふ。
3)「ダイヤモンドクレバス」
作詞:hal 作曲・編曲:菅野よう子
歌:May'n(シェリル・ノーム)
この歌ですけれども、第6話でシェリルがコンサートで歌うんですよ。それがですね、実に泣けるんです。シェリルは愛する早乙女アルト(演:中村悠一)の出撃を止められない。なぜなら彼はパイロットだから。彼女はそっとアルトに“幸運のお守り”だと言い、自分のイヤリングを渡すんですね。シェリルは貸すだけだからちゃんと返すように伝えるんです。つまり、生きて帰って来てと心の中で祈ってるわけですよ。そう言えば、ガンダムのスレッガー中尉はソロモン攻略戦の折、気になるミライさんに母の形見の指輪を「宇宙(そら)で無くしたら大変だ」なんて言って渡しますね。そこでのキスが最期の別れとなりました。そんなシーンも目に浮かびます。リアルさを求める富野さんらしい演出ですね。
※劇場版と本編では声優が違います。この声は石川 五ェ門…
歌舞伎で女形をつとめるアルトですから、まあイケメンですよ。美男美女のツーショット、ただでさえ見惚れてしまう。それが普段強がっているシェリルがちょっと湿っぽくなってる。このシーン、余計なセリフが無くとも、二人の気持ちは充分に伝わってきます。二人ともが憎からず思っている。でもお互いに、パイロットという使命があり歌手という使命がある。それを打ち捨てることは出来ません。彼らはお互いの役目をしっかりと理解している「大人」なんですね。シェリルはアルトの身を案じながら、この歌を切々と歌います。「神様に恋をしてた頃は こんな別れが来るとは思ってなかったよ」と歌うシェリルの心情はいかばかりか…。シェリルの心模様を全て言葉にしたような歌詞も魅力です。
4)「星間飛行」
作詞:松本隆 作曲・編曲:菅野よう子
歌:中島愛(ランカ・リー)
シェリルの歌が続きましたので、今度はもう一人の歌姫、ランカの名曲をお送りします。私はたまにこの歌をカラオケで歌います。シェリルの歌は難しいですし、裏声を使っても声のトーンが合わないので、歌う時はランカですね。当然、「キラッ」も歌います。
第12話「ファステスト・デリバリー」で、ランカはこの歌をゼントラーディ人たちの前で歌います。彼らは初代マクロスでは「歌を忘れたカナリア」状態で敵として人類と相まみえます。しかし、リン・ミンメイの大活躍によりゼントラーディの親玉が滅び、彼らは人類と手を携えて暮らすことになりました。↓
※音楽の力は偉大です…
ガリア4で、ゼントラーディの荒くれ者たちが暴動を企てているという情報をキャッチします。この暴動を静めるべく白羽の矢が立ったのが歌姫ランカ・リーでした。彼女は歌を聴かせることで、彼らの心を静めようとするんですね。まあ、早い話がミンメイのやったようなことです。この辺も、初代マクロスが軽く思い浮かびます。ランカの歌を聴いた彼らの心がキラッとするのかどうか?果たして試みは上手く行くのでしょうか…。この話は、言ってみたら「星間飛行」のPV的な役割を与えられていると思いますね。ちょっとしたランカのコンサートですから。
5)「ねこ日記」
作詞:一倉宏 作曲・編曲:菅野よう子
歌:中島愛(ランカ・リー)
まあ、猫好きの私としては、この曲を外すわけにはいきませんね。実にしっとりしたナンバーです。1番の歌詞は猫の気分を満喫できます。きっと、昔飼っていたミケも、こんなことを考えながら私のことを見ていたのかなあ、なんて軽く想像するのも楽しいものです。劇中でランカが歌ったことは無かったと記憶しています。(間違っていたらごめんなさい)番組のエンディングを飾った1曲です。その名の通り、実に可愛らしい音楽です。
いかがでしたか?一人の作曲家が、全然違うテイストの作品を、しかもいずれもインパクト十分の名曲ばかりを書いている。私の思い込みですが、クラシック音楽の作曲家というのは、割と統一感のある作風だと思うんですけど、菅野よう子さんは管弦楽曲も書きますけど、ポップスだとこんなに彩り豊かな音楽を創り出します。マクロスFがアニメとして大ヒットしたのは、シェリルやランカといったキャラクターの魅力も当然でしょうけど、菅野さんが果たした役割は大きいと思いますね。同時に、菅野さんの優れた作品を歌いきったMay'n&中島愛両氏の才能と功績も忘れてはなりません。アニメ作品は、それを支える全ての才人たちの努力が無ければ、後世に残ることは決してありません。マクロスFの成功を支えた彼らの功績を、菅野さんの歌を聴きながら、皆さんに感じて頂けたら幸いです。
恐々謹言
