『日本企業の72%が「生成AIの利用禁止」という衝撃。中小企業に生成AIが浸透するかがカギ』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.10.2
■日本企業の72%が「生成AIの利用禁止」という衝撃 ChatGPTに「積極的な企業・否定的な企業」の決定差
日本の組織は72%が、職場でのChatGPTやその他の生成AIアプリケーションの禁止を実施、あるいは禁止を検討している。回答者のうち58%は、そのような禁止措置は長期的または恒久的なものであり、顧客や第三者のデータ侵害、知的財産へのリスク、誤った情報の拡散が禁止措置の判断を後押ししている、と回答している。
日本企業の72%が「生成AIの利用禁止」× ChatGPTを触ったことがある率15.4%(野村総研6月調べ)
=61%は、触ったことがないのに禁止している。
そんな単純計算では正確性に欠けますが、若年層より高齢者が多い経営層はChatGPTにより触れていないでしょうから、実際は「AIを触ったことがないのに禁止している企業」は6割どころではないかもしれません。
これから人口減少がよりはっきりと体感できるようになるだろう日本で、生成AIによる圧倒的な業務効率化は相当な福音なはず。もっとAIを導入することに前向きになるには何が必要なんでしょうか。
中小企業が99.7%の日本
上記記事では三井化学・日立製作所・パナソニックホールディングスおよびグループ全社・サイバーエージェント・三菱電機・ライオンという大企業がAIを積極活用する事例を挙げています。
大手がAIを活用する一方、日本では中小企業が社数ベースで99.7%を占めます。上記の「72%が生成AIの利用を禁止」も社数ベースですから、この数字を改善するには中小企業で生成AIが導入しやすくなる必要があります。


リスクより「経営層の無関心」の影響か
顧客や第三者のデータ侵害、知的財産へのリスク、誤った情報の拡散を心配して生成AIの導入に踏み切れていないとされていますが、
日米で大差 要因に「経営層の関心度合い」
日米の差が出た要因の一つに、経営層の関心度合いがあるという。米国では6割以上の経営層がChatGPTに対して強い関心を持っているのに対し、日本は米国の半分以下だった。利用環境も、有料のアカウントやAPIを整備している割合に日米で大きな差があった。他方で、会社として何らかの規制を設けている割合は両国とも3割程度であった。
MM総研の6月の調査によると、経営層が生成AIに関心を持っていないことも挙げています。利用方法などに規制を設けることでリスクを回避する対策は日米ともに3割程度と共通なので、リスクを心配して導入していないのではなく「経営者が真剣に導入検討していない」ことのほうが影響が大きそうです。
岸田首相、AI「日本主導で国際ルール作り」
国はAIを導入しやすくするためにルールを明確化しようとしています。リスクを負わないのであればAI導入は圧倒的にやりやすくなります。
しかし、「AIを規制」してほしいと願う人も少なくないのだなと思わされる報道もありました。
読売新聞の記事タイトル「AI規制へ」というのはミスリードで、ルールを作ることで導入しやすくしようという意図なはずです。
しかし、「AI規制へ」と書いてしまうところに今の日本の風潮が現れているのだろうとも思います。つまり、読売新聞社的には「AIは規制されるべきだ」と思っている節が感じられます。
同じニュースについてNHKは
「生成AI活用のルールづくり」を日本が主導するというタイトルで表現していますし、他紙もおおむねこの表現です。
4月25日のロイターの記事では
生成AI(人工知能)について、活用の仕方によっては人手不足への対応など労働生産性の向上が期待されるとし、「産業側での利活用に向けた課題の洗い出しと開発の促進などの環境整備を進める」と述べた。
と、明確に生成AIを産業活用促進することを謳っています。
にも関わらず読売新聞では「AI規制へ」と書くのは、読者層の期待に応えているのだろうと思います。
日本の経営者がAI規制を望んでも、関心がなくても、AIは普及浸透していきます。活用できない企業は、枯渇する人間の労働力を高いコストを払って奪い合う市場に居続けるしかなくなります。
中小企業のIT化やDXの入り口に生成AIを
IT化やDXという古めかしい言葉がいまだに飛び交う日本で、中小企業の経営者が生成AIを使って経営効率化を進めるのはハードルが高すぎるのかもしれませんが、やはり要は中小企業への導入です。
業務全体のDXは影響が大きすぎるかもしれませんが、生成AIはメールの返信文面案や宣伝文句のキャッチコピー案を100案作るなど、ごく日常的で簡単なところから導入ができるものです。
無関心で触ったことがなかった、という人も、一度触れば便利さにすぐに気が付けます。DX推進のためのSaaSなんて難しくて高いシステムを導入するよりもずっと気軽で、すぐに効果が出る業務もたくさんあります。
生成AIを試しに使ってみるところから、徐々に人手不足を補う対策ポイントが見えてくるかもしれません。まずは、いろんなところで開かれている「ChatGPTを触ってみるセミナー」に参加してみるところから始めるのはいかがでしょうか。
