『アメリカのZ世代で人気急上昇の写真共有SNS「BeReal」から学ぶこれからのサービス思想』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2022.10.15
■Z世代の間で人気! フィルターが使えない写真共有アプリ「BeReal」
BeRealは2020年に作られたアプリだが、流行り始めたのは最近だ。トレンドに詳しいSocial Media Todayによると、BeRealのダウンロード数は2022年の初めから315%伸びていて、"最もダウンロードされているソーシャルメディアのアプリ"ランキングでは現在、インスタグラム(Instagram)、スナップチャット(Snapchat)、ピンタレスト(Pinterest)に次いで4位に入っている。
Z世代、や、日本以外の国での流行、などを調べているときに見つけたのが、最近アメリカで流行っているという写真投稿アプリ「BeReal」です。
写真投稿アプリで代表的なInstagramの全く逆というか、Instagramに対するアンチテーゼとして作られたようなサービススタイルになっています。
ちなみにInstagramはBeRealのブームを受けて、同様の機能を実験中です。
BeRealとは何なのか?
Instagramの何を問題視して、BeRealはどう対策したか?
を見ていくと、今後の新しいサービスを設計する時のヒントがたくさん詰まっていました。
■BeRealの概要
BeRealはこんなサービスです↓
写真のグループ間投稿
・投稿した写真を見ることができるのは友達グループ間のみ。
・写真を投稿できるのは1日1回。
・フロントカメラとバックカメラの両方の写真が撮られる。
2分間以内に全員が同時に撮影する
・グループメンバー全員に対して同時に「今から2分以内に撮影せよ」という通知がランダムな時間に飛んでくる。
・2分以内に撮影しなかったらグループ全員に通知される。
・2分の間なら何度でも撮り直しできるが、投稿したら削除と撮り直しは1度しかできない。
盛れない、消せない
・写真を盛ることができない。撮影時にフィルターは使えず、リアルタイムに撮った写真しか投稿できない。
・写真が削除できるのは1日1回のみ。削除時には理由を質問される。
写真を話のタネに
・写真にはテキストコメントが書ける。
・写真にスタンプで応答することはできない。自分の顔・表情をその場で撮影してスタンプ代わりにする「リアル文字(realmoji)」という機能がある。
・毎日撮影した写真はカレンダーロールのように見ることができる
■BeRealの名の通りのコンセプト、インスタ疲れの受け皿に
BeRealが目指しているのはその名の通り、盛らないリアルをリアルな仲間と共有することです。
ランダムな時間に通知される「今から2分間以内に撮影せよ」で前後カメラ同時撮影では盛りようがありません。
華やかに見せかけるために場所を選び、何度も撮り直し、盛りフィルターに画像修正を加え、知らない誰かに噓の自分を見せて評価を集める、ために長い時間を費やすこと。それを嘘だと分かりながら長い時間見続け羨むことを拒否し始めています。
私が気に入っているのは、このアプリを使う時間が本当に短いことだ。投稿するのに2分、スクロールするのに5分。精神状態を害するリスクはない。インスタグラムのようなアプリはそれを悪化させることが証明されているが。
Z世代は特に、長時間スマホを触り続けてしまうことを自覚的に心配しており、長く拘束される・スクリーンタイムが伸びてしまうサービスを嫌う傾向にあるようです。
BeRealがアメリカのZ世代に受けている事実を見ると、これまでのNot Realなサービスに疲れていること、仲間同士の間なら正直で素直でいることに躊躇がないこと、そんな仲間とだけつながりたいと思っていること、を望んでいるのだなと感じます。
■盛らせるサービスの評価が下がり、飾らずにいられる短時間サービスの評価が上がる
ある友人になぜ毎日のようにBeRealに写真を投稿するのか尋ねると、「楽しいから」というシンプルな答えが返ってきた。
BeRealは生の自分をさらけ出すサービスですが、それを「楽しい」と感じられるわけです。常に化粧やスーツという鎧をまとうことで安心感を得られる(でも疲れる)という感覚世代から、武装を心底から拒否する感覚へと一歩進んだ感があります。
飾らないで済むBeRealでつながる仲間同士との時間が気が休まる。この感覚がBeRealブームで可視化され言語化され、Z世代の中でコモンセンスになったようです。
とすると、飾り盛ることを要求するサービスや、飾り盛ることで成功したインフルエンサーやタレントはオワコンになっていくだろうと予想できます。
煌びやかな生活、成功者、金持ち、贅沢。へ憧れることはなく、むしろリスクだと感じる人も増えているように思います。身の丈、足るを知る、持続可能性、正直、自然、自己実現。そんな感覚に立脚したサービスがこれから求められるのでしょう。
web3の非中央集権・分散・トラストレスな思想性とも非常に近いと感じます。NFTやGameFiがいまいち抜け感が足りないのは、まだ大人がお金のニオイをさせているからかもしれません。
