吉永小百合さんに「ラビットちゃん」のあだ名をつけたのは
吉永小百合さんがラジオドラマ「赤胴鈴之助」でデビューしたのは小学6年生12歳の時だった。
その2年後にはラジオドラマ「まぼろし探偵」にも出演した。
ラジオドラマで人気者になった小百合さんはついに松竹映画「朝を呼ぶ口笛」で映画界にデビューする。この時小百合さん14歳、新聞配達をする加藤少年を励ます少女、美和子の役だった。
「ある日、確かに配達したはずの朝刊が届かなかったとの苦情を受けた加藤は翌朝美和子と共に張込む。犯人は、美和子の飼う犬だった。
自転車のチェーンが壊れて往生していた加藤に、自分の自転車を貸してあげる優しい性格の美和子。
牛乳配達の真塩洋一から、加藤が学資稼ぎに新聞配達をしているときいて感心している。
同級生たちと、荒川土手を歌を歌いながら歩く姿は、加藤にとって、境遇の差を見せつけらるようなまぶしさであった。」

都立駒場高校に進学した小百合さんは父親の大学時代の同級生が宣伝部長をしていた日活に入社する。
日活での出演第一作は、赤木圭一郎主演の拳銃無頼帖シリーズの「電光石火の男」だった。

小百合さんの役は、浅丘ルリ子演じる赤木の恋人の妹。喫茶店のウェイトレストして、「はい、お待ちどおさま。」と言ってコーヒーを出す程度の役。いわゆるチョイ役だった。
しかしスター俳優を前に緊張していた小百合さんは何度もやり直しをさせられる。そんな小百合さんを暖かく見守っていた赤木は小百合さんを見て、「可愛い、可愛い」を連発していた。
小百合さんの第2作も赤木が主演の「霧笛が俺を呼んでいる」だった。
今度は主役の友人の妹で足の不自由な少女という重要な役だった。
小百合さんは撮影現場に勉強道具を持ち込んで頑張っている姿を見て、赤木は「きみは、「進!ラビット」の兎みたいだね。ほんとだ、ラビットちゃんだ!」そう言って笑った。
それ以後、小百合さんのあだ名は“ラビットちゃん”になった。

そして第3作目も赤木圭一郎との共演で「拳銃無頼帖」シリーズの第3作「不敵に笑う男」だった。
この第3作が赤木との最後の共演になった。
赤木圭一郎は21歳という若さで亡くなってしまうのだった。
