小1国語|「サラダでげんき」を100倍面白くする発展授業案
小学1年生の国語教材「サラダでげんき」。
この物語を読んだ後、「じゃあ、自分だったらサラダに何を入れるか考えてみよう!」という授業は、よく行われますよね。
でも、子どもたちの発想は無限大。いつもの授業に、ほんの少しのスパイスを加えてみませんか?
「もしも、サラダ作りのお手伝いに、新しい仲間が来てくれたらどうなるかな?」
この問いかけひとつで、物語の世界がぐっと広がり、子どもたちの想像力と優しさが溢れ出す、特別な授業に変わります。今回は、この発展授業案の全貌と、子どもたちのどんな力が伸びるのかを、お伝えします。
もしも「サラダでげんき」に新しい仲間が来たら?
1. 3つの力を伸ばす
この授業は、りっちゃんの「お母さんを元気にしたい」という優しい気持ちを土台に、「新しい仲間が加わったらどうなるか?」というクリエイティブな問いを投げかけます。これにより、子どもたちは以下のような力を自然と身につけます。
「すごい!」を見つける力:物語に登場しない、特別な得意技を持つ新しい仲間を想像します。その「得意」なことが、サラダ作りにどう役立つかを考えることで、仲間それぞれの良いところを見つけ、活かす力が育まれます。
「どうして?」を考える力:ただ「調味料を入れる」のではなく、「どうしてお母さんのために、それを選ぶのか」を考えます。「香りの良い葉っぱを入れて、お母さんに元気を出してほしいから」のように、具体的な目的や理由を言葉にする練習になります。
「伝わる!」表現力:「〜が得意なキツネさんが来たから、〜を加えて、お母さんが〜になった」というように、考えたことを筋道立てて話す力が身につきます。これは、相手に自分の思いを正確に伝えるための、国語力の土台となります。
2. 授業の流れ
導入:新しい仲間との出会い(10分)
物語の振り返り:「みんな、『サラダでげんき』のお話、覚えているかな?りっちゃんは、病気のお母さんのために、動物たちと一緒に一生懸命サラダの材料を集めたね。りっちゃんの優しい気持ちが、お母さんを元気にした、素敵なお話だったね。」と、物語の核心を振り返ります。
問いかけ:「もし、あの時、りっちゃんを助けたいと願う、新しい仲間がもう一人だけ、あの家に来てくれたらどうなるかな?」と、物語の世界に子どもたちを誘います。
仲間設定:教師が簡単な設定を提示し、新しい仲間像を子どもたちと一緒につくりあげます。
例1:「森じゅうの香りの良い葉っぱや実を集めるのが得意な、キツネさんが来てくれたらどうなるかな?」
例2:「お家にある色々な道具を運ぶのが得意な、アリさんがたくさん来てくれたらどうなるかな?」
思考の出発点:新しい仲間が、りっちゃんたちの「手伝い」をするという設定にすることで、子どもの思考を物語に沿った形で展開させます。
展開:誰が、何を、何のために?を考える(25分)
思考ツール:「誰が、何を、何のために」を書き込めるシートやワークシートを配付します。
ブレインストーミング:「キツネさんが来てくれたら、どんな手伝いができるかな?」「お母さんはどんな食べ物ならもっと元気が出るかな?」と発問します。
自由思考:子どもたちが自由にアイデアを出し合う時間を設けます。この際、教師は以下の観点で、自由思考を促す問いかけを投げかけます。
調味料:「ただの葉っぱじゃなくて、どんな香りや味がするのかな?スースーするミントみたいな葉っぱとか?」
道具:「アリさんが運んできたお皿は、どんなお皿?お母さんの大好きな花が描いてあるお皿とか?」
食材:「もしも、ミツバチさんが持ってきてくれた、甘くておいしいハチミツをかけたら、どうなるかな?」
理由づけ:「どうして、それを選んだのかな?」と理由を尋ねることで、子どもたちの考えを深めます。「キツネさんが得意なことを生かして、お母さんを笑顔にしたいから」「お母さんがもっと元気になってほしいから」といった、相手を思いやる気持ちを言葉にさせていきます。
まとめ:発表と振り返り(10分)
発表:子どもたちが各自の考えたアイデアと理由を発表します。
共感と評価:他の子どもの発表に対して、「その考えは面白かったね!」「私もそう思った!」と共感や感想を言い合う時間を設けます。これにより、多様な考え方があることに気づかせ、他者の意見を尊重する態度を育てます。
振り返り:教師が授業全体をまとめ、「みんなが新しい仲間のことを一生懸命考えてくれたように、相手の気持ちを考えて行動することはとても素敵なことだね」と、本単元で最も大切にしたいメッセージを伝えて、授業を終えます。
3. 評価の観点
この授業案は、子どもの多様な学びを引き出すための工夫が凝らされています。評価の際も、単に「答え」が面白いかを見るのではなく、子どもの思考プロセスや、他者への関わりに目を向けることが重要です。以下の観点を参考に、一人ひとりの成長を評価していきましょう。
(1) 主体的に学習に取り組む態度
新しい仲間の登場を面白がり、自分から進んでアイデアを出そうとしているか。
友達の意見にも耳を傾け、自分の考えをさらに広げようとしているか。
(2) 知識・技能
「〜が得意な〇〇さんが来たから、〜を加えて、お母さんが〜になる」といった、原因・理由・結果のつながりを意識して文章を構成できているか。
新しい仲間が加える材料や、お母さんの気持ちを想像し、それを適切な言葉で表現できているか。
(3) 思考力・判断力・表現力
「自分なら」ではなく、「新しい仲間なら」という視点の転換ができているか。
自分の思いやアイデアを、絵や言葉を使って、生き生きと自由に表現しているか。
これらの観点を意識することで、授業のねらいがより明確になり、子どもたちの小さな成長を見逃すことなく評価できるようになります。この授業が、先生と子どもたちにとって実り多い時間となることを願っています。
おわりに
「サラダでげんき」は、りっちゃんの優しさが詰まった、心温まる物語です。その温かさを、物語の枠を超えて、子どもたちの「考える力」や「思いやる心」へとつなげたい。そんな思いから、この授業案を考案しました。
「誰が、何を、何のために」という問いかけは、子どもたちに新しい視点をもたらし、「なるほど、そういう考え方もあるのか!」という発見の喜びを与えてくれます。この小さな発見が、やがて子どもたち自身の豊かな思考力へとつながっていくはずです。
もし、この記事があなたの次の授業づくりのヒントになれば、これ以上嬉しいことはありません。ぜひ、子どもたちと一緒に、物語の続きを創作する楽しい時間を過ごしてみてください。
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