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【教育の新常識】「インプット過多」が学力を下げる?見守る子育てのメリットとは

私が教員を続けていた中で、「成績が伸び悩む子」「ぐんぐん伸びる子」の間に横たわる、決定的な差を感じてきました。

何と、その根底には、親の「ある行動」が深く関わっていたのです。



1.インプット過多、アウトプット不足

子どもの成績を上げたいと願う親なら、塾に通わせたり、たくさんの参考書や問題集を買い与えたりしているのではないでしょうか。

これは、子どもに知識を「インプット」させようとする、懸命な努力です。

もちろん、知識のインプットは学習の土台として不可欠です。しかし、実はここに、多くの人が見過ごしている大きな落とし穴があるのです。

私が最も懸念しているのは、「アウトプットの圧倒的な不足」です。

考えてみてください。あなたは野球のルールや選手のデータは完璧に知っているとします。でも、実際にバットを握ってボールを打ったことも、グローブで捕ったこともない。これでは、いくら知識があっても「野球ができる」とは言えませんよね。

学力もまったく同じです。

文部科学省の学習指導要領でも、「知識、技能」「思考力、判断力、表現力」「学びに向かう力」の3つの柱が掲げられています。このうち特に重視されている「思考力、判断力、表現力」は、まさに知識をいかに活用し、表現できるかという能力に他なりません。

つまり、インプットした知識をいかにアウトプットするかが、真の学力を測るバロメーターなのです。


2.先回り指示の弊害

多くの親は、子どものためを思って「この問題集をやりなさい」「ここまで進めなさい」「間違えたところはもう一度やり直しなさい」と具体的に指示を出しますよね。

一見、効率的に学習が進むように見えます。

しかし、実はこの「先回り」こそが、子どもの「自ら学ぶ力」と「アウトプットする機会」を奪っているのです。

親の過度な先回り学習指示は、子どもから以下の3つの大切な力を奪ってしまいます。

1. 「問いを立てる力」の欠如
自分で問題に直面し、「なぜこうなるんだろう?」「どうすれば解けるんだろう?」と自ら問いを立て、疑問を持つ経験が圧倒的に不足します。
例えば、ある研究では、子どもが自分で学習計画を立てた場合と、親が計画を立てた場合を比較したところ、自分で計画を立てた子の方が、問題解決能力が有意に向上したという結果が出ています。これは、自らの意思で行動することで、内発的な動機付けが促され、自己調整能力が高まることを示唆しています。

2. 「試行錯誤する力」の喪失
親の指示通りに進める学習では、失敗を恐れるようになります。間違えること、回り道をすることが許されない環境では、自分で仮説を立て、試行錯誤し、解決策を見つけ出すという、能動的な学習プロセスが阻害されてしまうのです。フィンランドの教育現場では、教師は子どもが自ら問題解決に取り組むことを促し、「失敗は学びの機会」という文化が根付いています。OECDのPISA(生徒の学習到達度調査)で常に上位に位置するフィンランドの成功の一因は、この「自己調整学習」を重視する姿勢にあると考えられます。

3. 「表現する力」の未発達
指示されたことをこなすだけでは、自分の言葉で説明したり、考えをまとめたりする機会が極端に少なくなります。以前、私が受け持った小学5年生の子で、自分の考えをうまく文章にできない子がいました。詳しく聞いてみると、家庭学習では親御さんが「ここはこう書きなさい」「この答えで合っている」と逐一訂正しており、自分で書いた作文も細かく修正されていたそうです。


3.「見守る力」が鍵

では、どうすれば子どもの成績が飛躍的に伸びるのでしょうか?

それは、親が「見守る力」を身につけることです。

子どもが自ら問いを立て、試行錯誤し、表現する機会を意図的に作り出すこと。これこそが、「内発的動機付け」による自律的な学習サイクルを生み出す秘訣です。

1. 問いを「投げかける」親になる
「どうしてそう思うの?」「他に方法はなかったかな?」「何が一番難しかった?」など、子ども自身に考えさせる問いかけを増やしましょう。例えば、算数の問題で間違えていたら、「どうしてこの答えになったのか教えて?」と尋ねてみてください。子どもが自分の言葉で説明しようとすることで、思考が整理され、理解が深まります。

2. 失敗を「歓迎する」親になる
「間違えても大丈夫!」「素晴らしい間違いだね、そこから何が学べる?」と、失敗を前向きな学びの機会として捉えましょう。ある調査では、「失敗を恐れない子どもほど、新しい学習に積極的に挑戦する傾向がある」ことが示されています。これは、ポジティブな環境が学習意欲を高めるという、心理学的にも裏付けられた事実です。

3. 「表現の場」を意識的に作る
「今日学校で一番楽しかったことは何?」「この本何がおもしろかった?」「週末の計画を立てよう!」など、子どもが自分の考えや感情を表現する機会を日常的に設けましょう。家族の団らんで自分の意見を述べさせる、今日の出来事を一行日記に書かせるなど、形式は問いません。重要なのは、「自分の言葉で発信する経験」を積ませることです。


まとめ:子どもの「無限の可能性」を引き出そう!

「親の先回り指示」は、一見子どものためになるように見えて、実はその子の「自ら学ぶ力」、すなわち「思考力」「試行錯誤力」「表現力」という、生きる上で最も大切な能力を奪ってしまう危険な行為です。

今日から、子どもの学習に逐一口を出すのではなく、「問いかけ」「見守り」「表現の場を提供する」という視点に切り替えてみてください。きっと、学習意欲が高まり、そして「成績がぐんぐん伸びる子」へと変貌していくでしょう。

あなたの子どもが、自らの力で未来を切り開く喜びを知るために、今日からできる一歩を踏み出してみませんか?



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