”第2領域”を優先する朝活のすすめ ~「忙しい」を卒業して、人生のハンドルを握り直す~
こんにちは、山口護夫です。
ITセキュリティ領域でフリーランスとして仕事をしたり、IT以外にも業務委託、イベントの主催。いくつかの事業を走らせながら、会社の舵を取っています。家では3歳になる娘の成長に圧倒される毎日です。
「今日も気づいたら1日が終わっていた」
そんな感覚が続く時、そこにあるのは単なる忙しさではありません。「自分の人生を自分でドライブできていない」という危うさです。
かつて、私のスケジュール帳が「第1領域(緊急かつ重要)」だけで埋め尽くされていた頃、意思決定の精度は著しく低下していました。
今回は、時間の使い方を単なる「整理術」ではなく、「事業と人生を破綻させないための防衛戦略」として捉え直してみたいと思います。
1. 私たちは「消防士」になっていないか

スティーブン・R・コヴィー博士の『7つの習慣』が定義する4つの領域。
私たちの時間は、常に「緊急度」という強い重力に引っ張られています。
第1領域: トラブル対応、締め切り直前のタスク。
第2領域: 緊急ではないが、重要(人間関係、自己研鑽、健康、計画)。
第3領域: 緊急だが重要ではない(無意味な通知、形骸化した会議)。
第4領域: 逃避に近い浪費。
例えば、エンジニアとして急なシステム障害に奔走したり、目の前の営業案件を打ち返して1日を終える。
それは一見「誠実な仕事」に見えます。しかし、判断の軸が「他者から投げられたボール」にある以上、それは経営ではなく単なる「火消し」です。
夜、ヘトヘトになって帰宅した時に感じる、あの言いようのない不安。
それは、「今日、自分は未来のために何一つ石を置いていない」という事実に対する、直感的な警告でした。
2. 「選ばなかった選択」が未来の余白を作る

第2領域へのフォーカスは、美しい精神論ではありません。
何かを「捨てる」という痛みを伴う意思決定です。
私の場合は、土日にやりたいことをやっていた時間や付き合いのある誘いなどを、理由をつけてお断りすることをしました。そこで、ようやく第2領域のスペースが確保されました。
これまで通りの単なる楽しいだけの時間や、頼まれごとにたいして、断れずに続けてしまっていたことなどを横に置くのは、勇気がいります。ぶっちゃけ、めちゃくちゃ迷いました。
でも、第2領域は、放っておいても向こうからやってきません。
勉強しなくても、誰かと信頼を深めなくても、今日明日で困ることはない。
でも、その甘えが数年後、スキル不足や孤立という形で、取り返しのつかないツケとして回ってくるんだろうなと思ったりしてます。
3.「第2領域」を生活に組み込む
ただ、この第二領域を優先するということを、理想論で終わらせないために、最近、私は「“第二領域”朝活」ということをやっています。
この仕組みというか習慣は、自分自身にいくつかの「ルール」を課してた結果で、今のところうまくワークしているので、続いています。
①カレンダーを先に「自分」で埋める
目標や計画の構想を練る時間、読書をする時間、などを仲間や友人、もしくは自分1人でも取る事は、何があっても動かさない「聖域」です。他者からのアポイントよりも先に、自分とのアポイントを確定させます。
②「それは第2領域か?」と自問する
新しい誘いやタスクが来たとき、それが自分の「能力開発」や「仲間づくり」に寄与するかを論理的に検証します。
③種まきを「義務」にする
本を1ページめくる、大切な仲間に短い連絡を入れる、娘を寝かしつけた後の15分、意識が朦朧としていても、ここだけは死守する。
これはボーイスカウト活動を指導者として携わらせてもらった際に培った「備えよ常に」の精神に近いかもしれません。
育成の現場では、子どもたちが劇的に変わる瞬間を待つために、何年も「緊急ではない対話」を積み重ねます。
ビジネスも、育児も、同じ。
目に見える成果が出ない時間に、どれだけ誠実であれるか。 そこにしか、本質的な成長はないと、口酸っぱくメンターにも教わります。
これをすべて網羅してくれたのが「”第二領域”朝活」です。まさに一石三鳥で辞めるコストの方が大きいので、今のところワークしてるんだと自己分析しています。

終わりのない試行錯誤
……と、ここまで偉そうに書いてきましたが。
現実には、予定通りにいかないことばかりです。
戦略を練ろうとPCを開いた瞬間に娘が泣き出したり、予期せぬトラブルで「第2領域」が「第1領域」に押し流される日も珍しくありません。
でも、それでいいと思っています。
「完璧な管理」を目指すのではなく、「ハンドルを握り直そうとし続けること」自体に価値がある。
皆さんのカレンダーには、明日、あなたの未来のための「空白」はありますか?
その空白をどう埋めようとしているのか、あるいは何に邪魔されているのか。
書き出してみては、いかがでしょう、というお話しでした。
「忙しい忙しいって言う人いるじゃない。きっと頑張っているわねって褒めてほしいのよ。だからこう言ってあげたほうがいいわ。時間の使い方が下手ねって。」(リトルミイ『ムーミン』)

