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その5~ポジティブが周囲にもたらす悪影響について~

「あれだけ頑張って授かった子だから、育児も楽しんでやろうよ」
「大丈夫、自分たちなら乗り越えられるでしょ!」
「仕事も育児ももっともっと頑張れば両立させられる!弱音なんて吐いてられない!」

そんな言葉をパートナーから、もしくは自分の脳内で聞いたことはないですか?

「ポジティブさ」は自身や他者を勇気づける効果をもたらしますが、時として他者を傷つけることにつながるんです。

今回は、そういったポジティブさに関連することが書いてある論文を紹介したいと思います。

この記事の要約です。

1.過剰なポジティブさは、現実を無視し相手にプレッシャーを与えるリスクがあります。
2.相手の感情を受け入れ、必要に応じて聞くことが重要であり、無理にポジティブにさせないことが大切です。
3.家庭でも職場でも、状況に応じた柔軟な対応が必要で、理解し合う姿勢が関係性の向上につながります。


論文のタイトルは、
「あなたの上司は有害なポジティブさを発揮していないか
〜注意すべき3つの危険信号~」
です。

早速内容を確認してみましょう。

要約

職場でのポジティブな雰囲気は生産性向上に寄与するが、過度なポジティブさは逆効果となることがある。
リーダーが現実を無視してポジティブな言葉を使いすぎると、従業員はプレッシャーを感じ、本心を隠すようになる。
この有害なポジティブさは、過剰な称賛や「イエスマン」文化を作り出し、現実的な問題解決を妨げる。
優れたリーダーは、チームの感情を認め、現実的なフィードバックを提供し、従業員が自由に意見を言える環境を作ることが重要である。

https://dhbr.diamond.jp/articles/-/10663より抜粋して改変

この論文のラーニングポイントとしては、以下の3点です。

①過剰なポジティブさのリスク:現実を無視し、従業員に過度なプレッシャーをかけること。
②現実的な問題解決の重要性:楽観主義と現実主義のバランスを取る必要がある。
③従業員の感情を認める:本音を隠さずに話せる環境を作ることがバーンアウトの防止につながる。

これを見ると、目の前の事実を「受け入れず」ポジティブに変換してしまうことの弊害は個人よりも周囲に悪影響を及ぼす、ということが言えそうですね。
そうすると本音で話すことができにくくなると。

家庭に置き換えてみると…

家族は、上司と部下という縦の関係ではありませんが、どうしても大人の方が強くなりがちです。
また、夫婦間でも周囲に与える影響力に差はありそうですね。

家庭内でも、
「あまりネガティブなことを言えない」
とか、
「そんなに(あなたほど)前向きになれない」
などの状況が続くと苦しくなってしまうものです。

また、普段はポジティブに過ごせていても、

「仕事が立て込んでいてキツい」
「アクシデントが続いて弱音を吐きたくなる」

そんな時もありますよね、人間ですから。

ですが、そんな時に
「君ならできるよ、いつももっと前向きにやってるじゃん」
とか
「そういうつらい場面を乗り越えると成長できるよ!」
などと声をかけられたら、そのネガティブな気持ちを消化しきれないまま過ごすことになります。

無理やりポジティブ方向に引っ張り出すのは良くないです

本来ならネガティブな気持ちをしっかり出し切ることでポジティブな気持ちに少しずつ変えていけるものですが、現在感じている気持ちに上塗りするようなことになるので感情を表に出せず辛くなってしまいます。

家庭でどう振る舞うべきか

過剰なポジティブは、現実を理解しないところから始まります。
まず、「今、何が(相手の身に)起きているのか」を把握しましょう。それをしないで行われるポジティブな声かけは、相手を傷つけかねません。

そして、その事実を受けて相手がどのような気持ちなのかを「受け入れ」ます。同じ気持ちになるわけではないです。
「同じ」になろうとすると無理が来るので、一旦受け止める。
その上で、どうやって解決していくかを考える、もしくは相手にとっては「聞いて欲しいだけ」という場合もあるので聞くに留める、というのを使い分けるのが良いかと。

これは、ビジネスシーンでも同じだと思います。
部下や同僚、そして顧客とのやり取りでも必要な対応になるでしょう。

まとめ

ポジティブでいることは、人生をより良く感じるために必要なこととは思いますが、相手(の状況)が同じかどうかはわかりません。
他者を自分と同じと思うのではなく、色々な感情を受け止めつつ、その場その場に合わせた対処をしていくのが、リーダー、マネジメント職としてはもちろん、家庭でも必要なスキルであると言えるでしょう。

家庭でパートナーや子供に対して、こちらの感情を押し付けるのではなく、理解しようとすることは、職場において、多様な考えを持つ同僚と仕事をする上で役に立つと思います。

本日はこの辺で。
それではまた。

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