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夫婦で出来るパートナーケア

久しぶりの更新となりました。
これからは、頻度多めに投稿していきたいと考えています。

まずは自己紹介から。

森川直己
理学療法士。MBA。
自分自身が経験した不妊治療中の体験から、夫婦のコミュニケーションや体と心のケアについて課題を感じ、MBAの同期と活動を開始。
夫婦のコミュニケーションに関して、ペアマッサージやセルフケア、エクササイズなどの観点から情報発信をしている。
今後起業予定。

今回は、タイトルの通り、「夫婦でやるパートナーケア」ということで、夫婦でお互いにできるマッサージの方法をお伝えしていきたいと思います。

この内容を投稿しようと思ったキッカケとしてはとても単純で、

「夫婦で絆を深める一つの手段として、マッサージを活用してほしいから」

です。

今回投稿する内容では、あくまで何かの症状(例えば腰痛とか、五十肩とか)の治療を目的とした方法ではなく、
日々の疲れをお互いに癒すとともに、体に触れるというコミュニケーションを通じて夫婦の絆をより強くする、ということを目的としています。

ですので、痛みを取る、というよりも、リラックスしてお互いの体の状態を知り、労わるためのスキルをお伝えすることにフォーカスしています。
その点をご了承いただき、ご一読いただければ幸いです。

今回の内容は大きく分けて以下の3つとなっています。

・マッサージについての知識

・マッサージを行う上での心構え

・マッサージを効果的に行う方法

これらを知ることができれば、安全に、リラックス効果も高い、そして何より夫婦のコミュニケーションをより良いものにすることができます。


・マッサージについての知識

マッサージの効果

まず、そもそもマッサージってどんな良いことがあるのか?ということについてお話しします。
マッサージについては、巷で様々な効果が謳われています。
・痛みの緩和
・疲労改善
・血流改善
・筋肉の緊張緩和
・関節の可動域改善
・精神的なリラックス
などなど…

マッサージの効果についての研究はいくつも行われていますが、
マッサージ療法の効果に関しては、「治療効果がある」と強いエビデンスを示している論文は見受けられません。

腰痛患者の「短期的」な効果や、がん患者などへの不安感や抑うつなど精神面への効果はあることがわかっています。
全ての研究について調査したわけではありませんが、厚生労働省がまとめているこちらのサイトが参考になります。

その他の文献を見てみても、リラクセーションや心拍数の減少など、精神面に作用する結果が多く出ていました。

以上のことから、マッサージは、
体への刺激を用いて、精神的なリラックスをもたらす
ということが言えるようです。


また、マッサージは、「オキシトシン」の放出にも関連しているといわれています。しかも、その効果はマッサージを受けている方だけではなく、マッサージをしている側にももたらされるといった点が特徴的です。
こちらの論文に記述があります。

よって、マッサージをすることによって、する側にとっても不安感が低下したり、幸福感が増したりと、とても良い効果があります。


マッサージがもたらすその他のメリット

身体機能に生理学的に働きかける効果だけでなく、マッサージをすることによってもたらされるその他のメリットがあります。

・相手の疲れ具合を感じることができる。
実際に相手の体に触れることで、自分が思っているよりも相手の体は硬く、疲労感がたまっていることを感じられると思います。
普段から体のケアを行っている人でも、予期せぬ場所が凝っていたり、疲れていたりするものです。そういったことを見つけられる機会になると思います。

・2人で過ごす時間を作ることができる。
当たり前ではありますが、2人で同じ空間・時間を共有することができます。仕事や別々の趣味などで、2人で過ごす時間が取れない夫婦にとっては必要な時間だと思います。
先ほど述べたようにマッサージ中はオキシトシンホルモンが増えるとも言われていますので、リラックスした穏やかな2人の時間を過ごすことが出来ます。

・夫婦でコミュニケーションを取ることに対してポジティブになれる
マッサージをしながら会話をすることでリラックスした状態で話をすることが出来ます。
人は、何らかの心地よい刺激(ここではマッサージ)を受けながら行った行動(夫婦の会話など)について、その行動(会話そのもの)を心地よいものであったと解釈する特徴があります。
会話に苦労する、言い出しにくい話をしなければならない、といった時はマッサージをしながら話をすることも一つの良い手段と考えます。

以上のように、マッサージは2人で過ごす時間を作るとともに、信頼関係の構築にも役立ちますし、普段はなかなか話せないことを話すキッカケともなり得るかと思います。

マッサージの禁忌

続いては、マッサージしてはいけない時について書いていきます。

やってはいけない時を知っておくことは、マッサージ後に起こり得る危険な症状からお互いを守ることができます。
やってはいけない時は以下のような症状がある時です。()内は、代表的な疾患、症状です。

・急性症(急性熱性病、急性伝染病)
・悪性腫瘍(癌、肉腫)
・急性炎症(腹膜炎、虫垂炎)
・急性中毒(蛇毒、昆虫毒)
・出血性疾患(吐血、喀血、脳出血直後)
・外傷(創傷部、骨折、脱臼直後)
・重度の内臓疾患(心臓弁膜症、腎炎)
・血管病(動脈瘤、高度動脈硬化症)
・潰瘍性疾患(胃潰瘍、十二指腸潰瘍)
・結核(肺結核、脊椎カリエス)
・その他(梅毒、淋病、化膿性疾患)

教科書執筆小委員会「あん摩マッサージ指圧理論」株式会社医道の日本社(2002年3月15日改定新版第14刷)より引用


疾患名がずらっと並んで難しくなってしまいました…(申し訳ありません)

上のような診断がつく病気やケガをお持ちであったり、
 異常な痛み(常に痛みがあるなど)
 体の不調(体重が減るなど)
のような症状が出ている場合は、基本的にマッサージは禁忌であるということをご理解いただければと思います。

また、マッサージの後の揉み返しがつらい、押されてアザになってしまった、という経験をされた人もいるかもしれません。
この後に説明していく、「マッサージを効果的に行う方法」の部分で、危険でないマッサージの方法もお伝えしていきますのでご安心ください。

・マッサージを効果的に行う方法

それでは、ある程度マッサージについて知っていただいたところで、そのやり方についてお話ししていきます。
ここでは3つお伝えします。

手を置き、呼吸に合わせる方法

この方法は、一番安全で、シンプルで、お互いがリラックスしやすい方法と言えます。

ほぐしたい場所に手のひらを載せて、相手の呼吸を手で感じるだけ

です。基本的には、呼吸を感じやすいお腹、鎖骨・肋骨周り、背中や腰、肩のリラクゼーションに適しています。
なぜこれで筋肉がほぐれていくのかと言うと、
・手の温かさを感じられる
・手が当たっている場所が、呼吸によって緩むのを感じられる
の2点によるものです。

少し時間はかかりますが、ゆっくり穏やかにリラックスするにはいい方法ですし、マッサージする側としても楽に行うことのできる方法です。

一つ気を付けるべきこととしては、する側にしっかりと呼吸を感じ取ってもらう必要がありますので、受ける側もゆっくり、深く、穏やかに呼吸をする必要があります。
マッサージする側は、自分の手が、呼吸の妨げにならないように注意深く相手の呼吸を感じることが大事です。

どうにもうまくいかない、と感じた時には、手を置いて、相手の呼吸と自分の呼吸のタイミングを合わせてみましょう。
自分と相手の呼吸を意識することで、手も相手の呼吸を感じ取りやすくなるでしょう。

指や手のひらで圧迫する方法

これが多くの人がイメージするマッサージだと思います。
凝り固まっている筋肉を押して、リラックスさせていく方法です。肩こりに対する肩もみのようなやり方でほぐしていきます。
この方法では色んな場所をほぐすことができますが、腕や脚などは、先ほど述べた方法では難しいので、こちらを使うことが多いです。

これをやる時に注意していただきたいことがあります。

①指先で押さない
マッサージの時に指先を使って、いわゆる「ツボ」のような場所にピンポイントで当てるようなやり方をするイメージがある人もいると思いますが、このやり方でマッサージを受けると、ものすごく痛いです。
痛みを感じれば体は緊張します。そうするとリラックスすることが難しくなります。
また、マッサージする側にとっても指に負担がかかり、痛めてしまう可能性があります。また、一度にほぐすことができる範囲も狭くなるので効率もあまりよくありません。
ほぐしたい場所に対して、手で触れる表面積を大きくすることでほぐす時の痛みを少なく抑えることができます。

ですので、腰や背中などの広い部分は母指球など手のひらの硬い部分を使ったり、肩などは指の腹の部分を使ったりします。
指先よりはマイルドに筋肉に当たるので、マッサージする側としてはほぐしている感が少ないかもしれないですが、心地よく感じるはずです。

②圧を加えて、ずらす
これもとても大事です。
マッサージするときに、筋肉を圧迫しただけではあまり気持ちよくありません。
圧を加えた後に、その圧を保ったまま、手のひらや指を少しずらします。ずらす幅はほんの少しでもかまいません。あまり大きくずらすとうまく圧をかけることができないので、動かしすぎにも注意です。
↓の動画(自分で自分の腕の筋肉をほぐしてます)くらいの感覚を参考にしていただければと思います。ちなみに腕などは手のひらだとほぐしにくいので、今回は親指全体を使ってほぐしています。


困ったときの奥の手

「どうやってもうまくほぐせない」「手を当ててもらうだけでも気持ちよいのだけど、もう少ししっかりほぐしたい」「2人とも疲れ切っていてマッサージどころではない、ストレッチも無理」
という場合に、一つ奥の手があります。

このテニスボールを使います。
これはかなり万能で、圧をかけてほぐすというよりは、ほぐしたい場所にボールを置いてコロコロ転がしているとほぐれてきます。
強いマッサージにならないので、リスクも少ないです。

以上、3つの方法を紹介してきました。
この3つの方法では、もみ返しが出ることは少ないと考えられます。
一番安全にできる方法は、「手を置き、呼吸に合わせる方法」です。マッサージするのが少し怖い、何かあったら嫌だな、と思う方は、この方法で試してみてください。

・マッサージをする上での心構え

以上、マッサージの方法を書いていきましたが、最後にとても大事な、「マッサージをする上での心構え」を書いていきます。
夫婦でマッサージをする上で気を付けてほしいことが、3つあります。

心地良さは「相手が」決める

「自分に」目を向ける

相手のためにではなく、「2人の」ために

これらの3つを心掛けることで、お互いにリラックスできるようなマッサージを行うことができると思います。

心地良さは「相手が」決める


先の章で、
マッサージはコミュニケーションの良い手段になる
ということをお話しました。
言葉を使わず、信頼する相手に触れる・触れられるということも大事なコミュニケーションとなるのですが、
コミュニケーションがうまくいくかどうかは、受ける方がどう感じるかにかかっています。

どれだけ内容のある話であっても、興味関心が無いことを一方的に話されるとストレスに感じるように、
マッサージについても、ほぐして欲しい場所やその強さが、受ける側の好みでなければ、心地良い刺激にはならないわけです。

逆にやり方はどうであれ、相手が求めているものであれば、心地よく感じます。
必ず相手がどう感じているか、を聞きながらマッサージをするようにしましょう。

「自分に」目を向ける


直前に、心地よさは相手が決める、と書いたのに矛盾するような内容に感じると思いますが、相手にとって心地良いマッサージを行うためには、自分の状態を整えておくことが大事になります。

・自分自身が疲弊している

・仕事で嫌なことがあった

・痛みを抱えている

などなど、自分自身の状態が悪いと感じている時は、どうしてもマッサージしている最中に余分な力が入ってしまったり、相手に対して寄り添う気持ちでマッサージできなかったりします。

結果としてそういったマッサージは、お互いに落ち着くことが出来ず、本来マッサージが持つリラックス効果を出すことが出来なくなります。
また、そういった体や心の不調がなくても、マッサージ中にうまく自分がリラックスできていないと感じることがあるかもしれません。

その時は、マッサージよりもまず、2人でストレッチなどをしてからの方がいいかもしれません。ストレッチについては、また別の機会にnoteに書いていくつもりですので、それまでしばしお待ちください。

相手のためではなく、「2人の」ために


これまで述べてきたように、マッサージはする方、受ける方ともにリラックス効果があり、また、「疲れている」「体が凝っている」など相手の体の状態も感じ取ることが出来ます。
また、それを知ることによって、自分自身の体にも気を配れるようになります。
こういった点から、マッサージをすることは、お互いのためにもなります。マッサージする側はどうしても、相手に心地良さを提供するという奉仕の気持ちが前提にあると考えられがちですが、自分の心や体のケアにつながることも理解していただけると良いと思います。
お互いがリラックスし、同じ時間を共有し、相手の状態を理解しあうことで、夫婦の関係性もより良くなると考えられます。

よって夫婦で行うマッサージは「2人の」ためになるのです。
相手を気遣い、自分を労り、2人の癒しとなる時間を作ることが、夫婦のコミュニケーションをより良いものにするために必要だと思います。


以上になります。
マッサージの方法だけをお伝えするのでは、危険なこともあると思い、長々と書いてしまいました。
なるべく安全に、事故がないように、内容を選んで書いてきましたが、
万が一、マッサージをしたときに「何か体の調子がおかしい」「少し痛い」などの症状を感じたらすぐに中止して医療機関で受診することをお勧めします。

あくまで、今回お伝えしたマッサージは、何かの症状を治療する目的で使用するのではなく、夫婦がお互いに疲れを癒し、相手を理解し、より良いコミュニケーションを行えるようになることを目的としています。
それを念頭に日々ご自身と、パートナーの体をケアしていただければ幸いです。
ご質問などございましたら、遠慮なくツイッターのアカウントhttps://twitter.com/morioRestARTにメッセージください。

次回以降は、体のトラブルに対するセルフケアなどを書いていこうと考えています。
それでは、また。

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