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キャリコンの更新率が低い最大の理由

キャリコンの皆さんへ。

キャリコン資格の更新、考えていますか?

皆さんは、ご自身のキャリコン資格の更新について、普段どれくらい計画的に考えているでしょうか?

森田は来年が2回目の更新なので、そろそろ更新講習を受け始めなければ、と思っているところです。
その前に中小企業診断士の2回目の更新が9月末なので、慌てて理論政策研修を受け始めるところです。実質3ヶ月で5回受けるぞ(泣)

で。

本題であるキャリコン資格の更新についてですが、実際の更新率がどれくらいか知っていますか?

最新のデータによると、1回目の更新を行った人の割合は、
「68.5%」
ほどとなっています。

1回目の更新率が発表されています

出典はこちら。「キャリアコンサルタントの登録・活動の現状」
https://www.mhlw.go.jp/content/11801000/001710097.pdf

※以下、データはすべて同資料より。

そうそう、過去のYouTubeでもこのネタ、話していました。
(2年以上前の動画なので、二人のビジュアルが違う!)

せっかく半年以上の時間と、数十万円のお金をかけて資格を取ったにもかかわらず、最初の5年が来たタイミングで約3割の人が「更新しない(失効する)」選択をしているという現実。

この現実を踏まえて、68.5%を高いとみるか、低いとみるか。
そして更新率を公式に発表する意図は何なのか。いろんな解釈ができますね。

今回は、更新率が高くなるための継続意欲について、どうすればいいのかを解説していきます。

  • 「厚労省の政策ミスだ」

  • 「有資格者の行動が足りないから市場を開拓できないんだ」

  • 「稼げない資格だからだ」

なんていう、お決まりの犯人探し(責任論)は一切排除します。まぁそれぞれ解説はしますけどね。

※あくまで個人の見解と解釈だと断っておきます。


国の制度・政策側の要因と思われているもの

まず、よく批判の対象になりがちな「国の制度・政策側」の要因について、一般的に言われていることを並べてみます。

  1. 国家資格化時に「10万人規模」の量の拡大を優先した結果、活動機会の創出が追いつかず、供給過多気味の市場環境になった。

  2. 更新要件として知識・技能講習とその費用負担を義務づけているが、活動機会の少ない人にとって継続ハードルが高い設計になっている。

  3. 企業への本格的な需要喚起策が弱く、公的機関中心の偏重が続いている。

  4. セルフ・キャリアドック助成金のような国の普及制度もなくなっている

以上が、国の制度・厚労省の政策ミスだ、と言われているところ。

でも、ここが最大の原因ではないと森田は思っている。
決して国のせいにはしない。

キャリコン有資格者側の要因と思われているもの

次に、SNSなどで叩かれがちな「有資格者側」の要因についてです。

  1. 登録者の約3割が直近1年間にほとんど業務を行っていないなど、活動率が低い層が一定数存在する。

  2. 社内活用を目的で取得した人が多く、専任・専業として市場開拓や継続的なスキル磨きに積極的になりにくい。

  3. 資格取得までに時間・費用を大きく投じたものの、実際の活動で十分なリターンが得られることが少なく、「これ以上更新にコストをかけるのは無駄」と判断して更新を諦めやすい。サンクコスト(埋没費用)の問題

  4. 更新講習以外の自主的な実践機会がロープレ以外少なく、資格を維持する実感を得にくい。

以上が、有資格者の行動が足りないからだ、と言われているところ。

でも、ここが最大の原因ではないと森田は思っている。
決してキャリコン有資格者のせいにはしない。

他資格との違いが要因と思われているもの

では、他の資格と比較してみるとどうでしょうか。
ここでは、「中小企業診断士」と「情報処理安全確保支援士」を比較対象とします。

※森田が持っている資格(正確には、情報処理安全確保支援士は登録しませんでしたけど)なので。

どちらもキャリコンと同じ更新制であり、独占業務のない名称独占資格。
にもかかわらず、登録者数は緩やかに増加傾向を維持している。

  1. 中小企業診断士は、中小企業からのコンサルティング需要(中小企業の経営課題、補助金申請、経営改善など)が比較的明確で、実務要件が活動継続を促す構造になっている。

  2. 情報処理安全確保支援士は、サイバーセキュリティという強い社会・企業ニーズに直結しやすく、生成AIの登場でむしろ需要が高まる構造になっている。

  3. キャリアコンサルタントは、活動機会の明確さが相対的に弱く、市場環境とのミスマッチがより顕在化しやすい点が大きな違い。

あと、サンクコストの考え方の違いもありますね。

資格の難易度的に、「ここまで時間と労力とお金を投資したのだからもったいない、維持して活かしたい」という前向きな心理が働きやすいのが違い。

キャリコン資格も難易度は高いと森田は思っていますが、活動機会の少なさから「これ以上投資しても回収しにくい」と感じて更新を止めてしまう人が相対的に多い。

以上が、稼げない資格だからだ、と言われているところ。

でも、ここが最大の原因ではないと森田は思っている。
決して市場のせいにはしない。

最大の要因は「合格後の世界」の情報不足

では、森田が考える更新率低下の最大の理由とは何か。

それは、「合格後の世界」の情報不足です。

もちろん、「合格後の世界」の情報不足が、更新率低下の原因であるという直接的な統計データはありません。
あくまで森田個人の仮説です。

しかし、これまでキャリコン界隈で活動する中で、
「資格を取ったけれど、この先何をしたらいいかわからない」
という声を数え切れないほど聞いてきました。

また、養成講座や試験対策に関する情報はあふれている一方で、資格取得後の活動やキャリアパスに関する情報はいまだ少ないのが現実だと思っています。

この「情報不足」が更新率低下の大きな要因になっているのではないかと、森田は考えています。

「資格取得後の世界が見えない」

「資格を取ることがゴールになる」

「資格をどう活かせばいいかわからない」

「更新講習の費用や時間に意味を感じられない」

「更新までに活用できず失効する」

ここで面白いのは、需要がないわけではない、ということです。
企業領域で活動するキャリコンは増え続けていて、2006年の24.2%から2022年には41.7%まで増加しています。

つまり、

  • キャリア面談

  • セルフ・キャリアドック

  • 人的資本経営

  • リスキリング支援

などの需要はむしろ増えている。

一方で、養成講座の世界では「合格まで」の情報は大量にある。
ところが、「登録後どう仕事にするの?」の情報はまだまだ少ない。

キャリコン資格は運転免許みたいなもの。
教習所では運転を教える。しかし、

  • タクシー運転手になる方法

  • 配送業をやる方法

  • 営業車で成果を出す方法

までは教えない。

キャリコンの養成講座も同じで、試験合格、登録までは教える。しかし、

  • 企業内キャリコンの動きかた

  • 人事へのキャリア自律の提案方法

  • キャリア面談を受託する方法

  • 研修と組み合わせる方法(セルフ・キャリアドック)

  • 副業・独立する方法

に関する情報はまだまだ少ない。

これが「資格取得後のキャリアパスの不在」です。

実際、キャリコンの活動領域は企業のみならず、人材業界、学校、地域、介護、福祉など多様化しているのですが、その情報が資格取得希望者に十分届いている感じはしません。

「更新費用が高いこと」や「仕事が少ないこと」を否定したいわけではありません。

  1. 更新費用が高くても、活躍イメージがあれば払う。

  2. 仕事が少なくても、将来像が見えれば続ける。

  3. 講習が面倒でも、必要性を感じれば受ける。

そう考えると、「合格後にどう活かすか」が見えていないことこそが、様々な問題を増幅させる要因なのではないでしょうか。

他資格では「もったいないから維持して活かす」という前向きなエネルギーになるサンクコストが、キャリコンにおいては「活動機会の少なさ」と「情報の少なさ」ゆえに「これ以上の回収は無理」という諦めに裏返ってしまう。

この【インセンティブ構造と情報環境の差】が、更新率の差を生み出していると考えています。

たとえば中小企業診断士だと、先輩診断士たちが「どうやって独立したか」「どうやって案件を獲得したか」というリアルなビジネス情報の流通量が多いです。ひよこ喰いも多いですが。

情報処理安全確保支援士だと、「サイバーセキュリティの脅威」という、企業にとって今すぐ対策しなければならない明確なニーズに直結しています。

社内のセキュリティ担当として「何をすべきか」の役割が業務に直結しているため、更新の迷いが生まれにくい。
基本的に企業内で活かす資格ですしね。

私たちの打つべき一手

課題が「制度のせい」でも「誰かのマインドのせい」でもなく、単なる「合格後の情報不足」だとわかれば、私たちの打つべき一手は至極単純明快。

  • 「仕事がない」「何をしたらいいのかわからない」と嘆くのをやめる。

  • 資格取得後の世界の情報を「自分で」取りにいく。

  • 信頼できる情報発信しているキャリコンとつながっておく。

キャリコンは、森田をはじめとしてやっとここ数年で情報が広まってきた段階。まだまだ情報が流通しているとは思えないし、「キャリコン1年目の教科書」も1万部はいかないといけないと思っています。

いまだに「キャリコン資格を取ったけど、この先何をしたらいいのかわからない」って発信をみかけますからね。

こうした「合格後の世界」を少しでも広めたいと思って書いたのが「キャリコン1年目の教科書」です。

なので結論は、
「キャリコン1年目の教科書」を読め。
※養成講座や更新講習でも配布しませんか?お声がけ、お待ちしています。

更新率68.5%という数字は、資格制度の失敗を意味しているのではありません。むしろ、「資格取得後の世界をどれだけ見せられているか」という、キャリコン業界全体への問いかけなのだと思っています。

次回は、微増・微減を繰り返しながら、ここ数年は8.5万人前後でほぼ横ばいになっているキャリコン登録者数について考察します。
2週連続でアップしますよ!

一般社団法人リベラルコンサルティング協議会は、こんな調査ものから様々な解釈ができる力を磨く団体だと思っています。そんなリベコに興味を持たれた方は一般社団法人リベラルコンサルティング協議会まで

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