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【サルバドール・ダリ】君は「天才」を知っているか?【解説】


ミレー「晩鐘」

はじめに


みなさんはこの絵を見て、どんな感情を抱くだろうか。
恐怖?神秘性?
今回紹介するサルバドール・ダリは「言いようのない死や家族への恐怖」を幼いころに抱き、以来この絵をモチーフに多数の作品を残す。
ミレーの「晩鐘」である。

めくるめくめぐるの世界へようこそ、書店員VTuberの諸星めぐるです。
今回は諸星がその人間性も含めて大好きなサルバドール・ダリについて解説します。

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それでは、みなさん
天才サルバドール・ダリのその真実を見ていきましょう


ダリの名言だよ


そんな彼の内面には「家族」に対する怒りと愛が垣間見え、世間からは否定的なガラという最愛の双子をもってして自分を完成しようとした孤独な少年の姿も見られる。
シュルレアリスムで描かれた彼の内面は非常に「繊細で、真面目で、素直」である。
良い意味でも悪い意味でもありのままのダリを知ることができる作品たちは時に嫌煙されがちである。

諸星は近代アーティストの見方として「共感性」をすごく推す。
SFであればディストピア、ロマンチックな内情を垣間見ることができるからだ。
逆に西洋美術史に関しては、こめられた寓意やアトリビュートを読み解くことが楽しいトレジャーハンターの気持ちになる。


幼少期のダリと家族


1904年にカタルーニャに生れたサルバドール・ダリは、生まれながらにして「亡き兄」の姿を背負う運命を受けてしまう。
裕福な家庭の、無宗教者の父と厳格なカトリック教徒の母の間に生れ、先に亡くなった兄の名前を受け継ぎ(ファン・ゴッホと同じ!)、生涯この「身代わり」の意識にとらわれ続けることとなる。

17歳の時に最愛の母が亡くなり、「母であり、聖母であった母」への崇拝と劣等感はガラの登場までの大きな起爆剤であり続ける。


ダリと「シュルレアリスム」


ダリが活躍した20世紀初頭は芸術における既存の秩序を否定する「ダダ」が起きた時代。
その中で生まれた内面の世界や目に見えない世界を描き表そうとする「シュルレアリスム」が誕生する。
彼はその体現者として狂気じみたパフォーマンスを繰り返し、誇張と虚飾に満ちた自伝を語るなど、多弁な迷惑天才だった。

ただし、「天才を演じよ、さすれば天才になる」という彼の発言にあるように彼は狂気を演じることで「天才」であろうとしたアーティストであった。1925年ブルトン率いるシュルレアリスムのグループに参加し、運命の女性「ガラ」と出会う。


自らを誇張して演出するダリの作品は、ブルトンと仲たがいするまで、色んな意味でシュルレアリスム代表として注目を集めるようになる。
このころピカソにすごい援助されたり借金したりしている。
公然と踏み倒してもいる
さらに、ミレーに恐怖し、フェルメールを崇拝し、近代美術の先駆者たるマネを酷評している。
有名な作品「記憶の固執」が描かれたのもこのシュルレアリスム期である。




シュルレアリスム期以降のダリの作品にはダリの深層心理を表現する「アトリビュート」が多数存在する。
それらは時に【松葉杖】【引き出し】【パン(戦後)】であった。
当時のシュルレアリスムはフロイトの理論に基づいていたりする。
ダリの作品はフロイトをして「ただのバカ集団だと思ってたら、すげースペイン人の若者いたわ。考え方変わった」という評価を受けている。

若いころのフロイト



1939年以降「アメリカ大陸進出」


シュルレアリストたちとの関係が悪化したころ、新大陸アメリカに目を向け、戦火を避けるようにアメリカに進出していく。
ディズニーやニューヨークやら、自由の国での「ネオ現代美術」の先駆者となる。
このころは絵画以外にもたくさん作品を残している。
有名なチュッパチャプスのロゴのイメージ作成もこの時代。


1948年スペインの帰還


それまで「死への魅力」を精力的に描いていたダリだったが、47歳からのダリはターニングポイントを迎える
戦後は父の死後カトリックに帰依し、数理的理論と宗教画についての作品を数多く手掛けるようになる。「幾何学的宗教画」というやつである。
諸星はこの時期の作品が一番好き。

自己顕示欲の塊であった(そう演出した)ダリの深層にはつねに「身代わりの兄」がいた。「ペルピニャン駅」という作品はそんな自分自身の解放を願うような作品。


最後にガラが自分を受け止めてくれる演出があるのもにくい。
一番好きな作品。

最後の作品はガラの死の直後

自らの名前とガラの名前のイニシャルを重ねて描くことに、自由奔放な自分と同じ価値観を持つガラとの「同一化」ができたのではないかと、諸星は考えている。


こぼれ話


晩年はガラの「死の恐怖」にとらわれ、「不死の技術」を検討したり、墳墓でもあるダリ劇場美術館には「エジプト神話」的な願いが込められていたりもする。


ダリの「ダリ劇場美術館」



今回の参考書籍はこちら

いかがでしたでしょうか
「天才」の孤独と、和解と羨望について垣間見えたのではないでしょうか。
ダリの作品を見るとき、彼の心を覗き見ているとともに「見られているような」気持ちになれば、大成功です


今回はここまで!

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それでは、さよなら×3