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MS-DOS/V世代のPCオタクが考える、AI健康相談との「正しい距離感」【前編】

はじめに


最近、「医療や健康相談もAIで?」というニュースを目にすることが増えました。
長年のPCオタクとして、AIの進化にはただただ目を見張るばかりです。

MS-DOS/V、Windows3.1の頃からパソコンに触れ、今ではWindows、Mac、Android、iOSの四刀使いにして愛用するAIはGeminiというPCおたく、というよりはハイテクおたくの私からすると、SF小説で描かれた未来が着実に現実になっていることに、興奮を禁じえません。

しかし、同時に「がん情報では誤回答も」という懸念も耳にし、これは少し冷静に考える必要があるな、と感じています。

50代後半になり、自分自身の健康について考える機会も増えました。
そんな中で、AIと健康情報にどう向き合っていくべきか。

長年のデジタルツールとの格闘経験、そして様々な職種でのトラブルシューティング経験を踏まえながら、AIと健康情報の賢い付き合い方について、私なりの考察をお届けしたいと思います。




進化するAI医療相談の光と影|私のAI活用経験から


私が日頃から愛用するGeminiは、日々の情報収集やアイデア出しに欠かせない存在です。
そして健康相談というデリケートな分野に、AIがどう役立つのか、その可能性を探るのは非常に興味深いテーマだと思います。

例えば、深夜に突然、体調に異変を感じた時。
すぐに病院に行くべきか、様子を見るべきか、判断に迷うことがありますよね。

そんな時、Geminiに「右の腹部に鈍い痛みがある。どんな病気が考えられるか」「家でできる応急処置はあるか」といった質問を投げかけてみました。

すると、Geminiは一般的な情報として、考えられる病気の可能性をいくつか提示し、緊急性が高い場合の受診の目安や、家庭でできる一時的な対処法などをまとめてくれました。

これは、専門医の診断とは全く違いますが、私たちが必要とする「一般的な情報」を素早く提供してくれる点で、確かに「光」の部分だと感じます。

また、以下の記事でも書きましたが、健康診断で便潜血検査が陽性となったときも、おおいに活躍してくれました。


インターネット検索で膨大な情報の中から取捨選択する手間を考えれば、AIが要点をまとめてくれるのは非常に効率的です。

SFマンガ&小説を長年読んできた私としては、かつて夢見た「パーソナル医療アシスタントロボット」の萌芽を見た思いです。
物語に出てくる相棒のように、いつでも語りかけられる存在が手元にあるのはとても心強い。

しかし、AIの提供する情報の「正しさ」や「限界」を見極めることが非常に重要だということは言うまでもありません。


現実というアナログの極地とデジタル知性の差異


ここからは、AIが抱える「影」の部分、つまりハルシネーション(もっともらしい嘘)やデータの限界について触れておかなければなりません。

私はかつてメーカーで生産管理の仕事をしていました。
そこでは、日々発生するトラブルに対し、データに基づいて原因を特定し、解決策を導き出す必要がありました。

コンピュータが示す最適解や、過去のデータに基づく予測が、必ずしも現場の複雑な状況に合致しないことが多々ありました。

データには現れない部品のわずかな品質のばらつき、作業員のちょっとした手癖、あるいは季節ごとの湿度変化など、数値化しにくい要因が、最終的な結果を大きく左右するのです。

AIも同様で、学習したデータに基づいて最もらしい答えを導き出しますが、それは個別の人間の複雑な健康状態を完璧に捉えているわけではありません。
最新の未発表の研究結果や、個々の体質、日々の生活習慣といった要素を全て網羅しているわけではないのです。

AIが提示する情報はあくまで「一般的な参考情報」であり、私たち一人ひとりの状況に合わせた「診断」ではない、ということを常に意識する必要があります。

私の生産管理での経験が教えてくれたのは、どんなに高性能なシステムでも、最終的には人間の目で確認し、人間の判断を加えることの重要性でした。

現場の空気感を知る人間が最後にチェックして初めて、システムは真価を発揮します。

AI健康相談も全く同じで、画面の向こうの回答をそのまま鵜呑みにするのではなく、利用する側の「人間の目」が試されているのです。


「がん情報誤回答」の衝撃と、私たちが直面しているリスク


AI医療相談の可能性を感じる一方で、ニュースで報じられた「がん情報誤回答」の事例は、AIが生成する健康情報に対する深刻な懸念を私たちに突きつけました。

AIが提供した情報が、患者さんにとって誤った知識を与え、場合によっては命に関わる判断ミスにつながりかねないという事実は、AIとの付き合い方を真剣に考えるきっかけになります。

なぜAIは、これほど重大な局面で間違った答えを出してしまうのでしょうか。
それは、AIの仕組みそのものに原因があります。

AIは「確率的に最もらしい文章」を作るのが得意なだけで、その内容が医学的に正しいかどうかを自分で理解しているわけではないからです。

インターネット上の不正確なブログ記事や、古い医療データを学習してしまっていれば、それをさも真実であるかのように出力してしまいます。

特に、がん治療のように患者さんの不安が大きい分野では、藁にもすがりたい心理につけ込むような不確かな情報がネット上に溢れています。
AIがそれらを取り込んで「これが最新の治療法です」と誤回答した時のリスクは、パソコンのフリーズとは比較にならないほど重大です。

私たちは、デジタルツールの便利さを享受する反面、命に関わる情報を扱っているという緊張感を忘れてはなりません。

では、このリスクを回避するために、私たちは具体的にどう動けばいいのでしょうか。

古参PCオタクの視点から、私たちが今すぐ実践できる具体的な「情報の裏取り術」を、後編でじっくりと紐解いていきたいと思います。

(後編に続く)

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