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【習慣化の技術6−2】ポモドーロと20秒ルール【毎日がエブリディ】

はじめに:「毎日やる」が実は一番ラク(実践編)


前編では、パーキンソンの法則に対抗する時間管理の重要性と、取りかかる手間を20秒削ることで行動の初速を上げる環境設計の理論について解説しました。

後編では、私がこの仕組みを日々のルーティンにどう落とし込んでいるのか、そして一般的なノウハウを自分仕様に歪めてでも継続させる、泥臭い実践の工夫についてお話しします。




休憩時間をハックする歪んだゲームの技術


ポモドーロ・テクニックの基本は、一定時間の作業の後に完全な休息を挟むことです。
本来であれば、この5分や10分の休憩時間は、目を休めたり深呼吸をしたりして、脳をリフレッシュすることに専念すべきだとされています。

しかし、ここで私の個人的な欲望が顔を出します。
私はどうしても日々の生活の中で、お気に入りのゲームである「Slay the Spire2」をプレイする時間が欲しかったのです。

そこで、本来のセオリーを無視し、ポモドーロの休憩時間にこのゲームのプレイを無理やり組み込むという暴挙に出ました。
作業ブロックが終わった瞬間にゲームを起動し、休憩時間だけ進めて、タイマーが鳴ったらまた作業に戻るという運用です。

正直に申し上げて、この方法をみなさんにそのまま実行することは全くおすすめしません。
ゲームは脳を激しく刺激するため、本来の「脳を休める」という目的からは完全に逸脱しているからです。


ここで見習ってほしいのは、この歪んだ手法そのものではなく、「やりたいこと、大好きなことをどうにかして生活のシステムの中に組み込んで両立させてやる」という貪欲な姿勢です。

セオリー通りにやって息が詰まるくらいなら、自分へのご褒美を不恰好にでもスタッキングして、結果的に作業が進む方を選んだって構わないというが私の考えです。


執筆の初速を上げる準備の自動化


前編では物理的な配置による20秒ルールの例を挙げましたが、デジタル上の準備の自動化も極めて重要です。

例えば、私のnote執筆の拠点であるObsidianでは、記事を書くための自分なりのテンプレートを作成しています。
日付や見出しの構成、タグなどが一瞬で生成される仕組みは、執筆を始める際の面倒くささを劇的に減らしてくれます。
習慣化においてテンプレートの作成はほぼ必須と言えます。

ただし、ここで罠があります。ツールの設定やテンプレートのデザインにこだわりすぎて、肝心の本文を書く前にエネルギーを使い果たしてしまう人が非常に多いのです。凝りすぎるのは本末転倒ですので、まずは極めてシンプルなものから始め、必要に応じてほどほどに調整していくのがコツです。

また、ブラウザのChromeに関しては、よく使う執筆用のタブやリサーチ用のページは常に開きっぱなしにしています。ブラウザを立ち上げた瞬間に、昨日まで書いていた画面がそのまま目の前に現れる。この「前回の続きに1秒でアクセスできる状態」が、着手の心理的ハードルをゼロに近づけてくれます。


週3回より毎日のほうが疲れない理由


多くの人は、新しいことを始めるときに「まずは無理のないように週1〜2回から始めよう」と考えます。
しかし、行動科学的にも、そして私の実感としても、実は「毎日やる」と決めてしまったほうが圧倒的にラクで疲れません。

なぜなら、例えば週3回という設定は、毎朝起きたときに「今日はやる日だっけ?それとも休む日だっけ?」という余計な決断を生み出してしまうからです。
人間は、この「決断」をする瞬間に最も多くの意志力を消耗します。

毎日やると決めてしまえば、やるかやらないかを悩む余地が完全に消え去ります。
朝起きたら、歯を磨くのと同じレベルで、ただ淡々とその行動を始めるだけになります。

「今日はやめようかな」という言い訳を脳に思いつかせる隙を与えないこと。
決断のコストをゼロにすることこそが、長期的な継続において最もエネルギーを節約できる方法なのです。


オンとオフを切り替える小さな肉体的スイッチ


時間を区切って毎日作業をする中で、タスクの切り替えやオン・オフのコントロールを明確にするための小さな行動、つまりスイッチを用意しておくことも大切です。

ずっと同じ姿勢で座りっぱなしの状態でいることは、健康面において多大な悪影響があるだけでなく、脳のタスク切り替えの面でもよくありません。
ポモドーロタイマーがなったら、あるいは頭がどんよりとしてきたら、10秒だけでもいいから椅子から立ち上がり、部屋の中を少し歩く。

この物理的な上下運動と移動が、脳のコンテキストを切り替える強力なスイッチになります。一番手軽で効果的なリフレッシュ法です。

また、どうしても疲労が濃いときは、5分だけリクライニングを倒して目をつぶるというのも効果的です。

世間ではマインドフルネスや瞑想が良いとされ、雑念を払って呼吸に集中しなさいと言われますが、私にはそんな高尚なことは無理でした。
どうしてもあれこれと考えてしまいます。

だから私は、目をつぶっている間は「雑念が湧いても全部OK」というルールにしました。
ただ横になって、脳裏にどんな考えが浮かんでも知らんぷりをして放っておく。
瞑想という枠組みに縛られず、ただ脳の視覚情報を遮断してあげるだけで、5分後には驚くほど頭がすっきりとして、次のポモドーロへと向かうことができます。


まとめ


完璧な手法をなぞる必要はありません。
邪魔な機材を出しっぱなしにし、休憩にゲームを挟み、雑念だらけで目を閉じる。
そんな自分だけのいびつなシステムを愛せるかどうかが、時間の制御を味方につける鍵なのです。





次回は、習慣化の旅の最終回として、これまで築き上げてきた技術を統合し、「人生の自動操縦モード」を完成させるための総仕上げについてお話しします。


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