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【習慣化の技術3−2】最強の「自分専用ルート」を設計する(実践編)

まえがき


前編では、脳の神経細胞の結びつきや場所細胞の働きを利用して、行動を自動化する理論をお話ししました。

後編では、私が実際にどのような「行動の連鎖」と「空間のルール」を設計し、そして時にどのように悩み、妥協しているかというリアルな現状をお伝えします。



朝のモーニングルーティン解剖


私の朝は、いくつかの行動が数珠つなぎになったハビット・スタッキングで構成されています。

まず起床して布団をたたむ行為が、すべての始まりのスイッチです。
そのまま洗顔等の必要な行為をすませます。
次にコーヒーのためのお湯を沸かしながら簡単な掃除を済ませ、その後、PCの前に座って日誌を書き、その勢いでnoteの執筆に入る、というのが一連の流れです。
そしてアラームが鳴ったら(朝なので時間制限があるため)、部屋の片隅にあるインクラインベンチに座ってダンベルを使った筋トレをこなします。

ここで重要なのは、それぞれの行動が独立したタスクではなく、前の行動が終わったことをトリガーにして始まる自動プログラムになっていることです。
筋トレをしようと気合を入れるのではなく、コーヒーのお湯を沸かしたらほうきとちりとりを持つように、脳の回路を繋げているのです。


「ここではこれしかしない」のルールと私の葛藤


空間と行動を紐づけるアンカリングの法則に従えば、自室のデスクは知的生産の場、リビングは休息の場と、明確に役割を分担するのが理想的です。
しかし、正直に告白すると、私の現状はこの理想から少し外れてしまっています。

私の現在の最大の悩みは、メインデスクの存在です。
私は部屋にいる時間の大半をこのデスクで過ごし、常にPCを起動し続けています。

noteの執筆も、事務仕事も、ゲームやマンガといった遊びも、さらにはギターを使った音楽活動でさえも、すべてこの一つのデスクで行っているのです。

結果として、メインデスクは私のあらゆる行動の絶対的な中心地として確立されたものの、空間としての「仕事と遊びの区別」が完全についていません。

また、私の部屋の片隅には先ほど触れたインクラインベンチとダンベルが常設してあります。
毎日の習慣として欠かさず使ってはいるのですが、作業中にふとそれらが視界に入ると、脳が筋トレの負荷を思い出してしまい、少々疲労感を覚えなくもないというのが本音です。
空間の紐づけが強力すぎるがゆえの、ちょっとした副作用と言えるかもしれません。


スマホ・デジタル環境の配置と誘惑の扱い方


デジタル環境の構築も、習慣化において避けては通れない課題です。最新デバイスやアプリの強力な誘惑をいかに断ち切るか。

私の場合、いわゆるSNSというものがはっきり言って好きではないため、タイムラインを無限にスクロールしてしまうような問題は抱えていません。
しかし、スマホに入っているマンガアプリや電子書籍での読書は、私にとって非常に強い誘惑です。

とはいえ、私にとってマンガは単なる娯楽ではなく生きる糧の一つであり、読書はnoteの記事を書くための重要なインプット源に直結しています。
そのため、私はあえてこの「読みたい」という欲求には真正面から逆らわず、時と場合によりますが、ある程度は許容するようにしています。

ただし、これはあくまで私のケースです。
もしあなたがSNS大好き人間で、一度開くと数十分と時間を溶かしてしまう自覚があるのなら、話は別です。

集中すべき作業中は、絶対にスマホを別の部屋に隔離するなど、物理的に視界から消し去る環境設計を強くおすすめします。


スタッキングが途切れた時の復旧法


どれだけルーティンを組んでも、私たちは機械ではありません。
必ずイレギュラーが発生し、スタッキングの連鎖が途切れる時が来ます。

実を言うと、まさに今、この原稿を執筆している最中に、これからの予定を大きく狂わせる強烈なイレギュラーが到来しました。
人間ですから、当然腹も立ちますし、今やっている執筆作業も含めて、すべてを投げ出してしまいたくなる衝動に駆られます。

しかし、私はこういう時、「よくあることだ、仕方ない」と、すぐに諦めるようにしています。
それは、がっかりしながら絶望して諦めるのとは違います。
やれやれと肩をすくめながら、怒りと絶望感をやり過ごすような感覚です。
(毎回うまくいくとは限りませんが……)

怒りやフラストレーションにエネルギーを消費するのではなく、事実を受け入れ、すぐに「じゃあ、どうするか」と再プランニングに思考を切り替えます。

そして、この「やれやれ」という態度をとるために絶対に欠かせない条件があります。
それは、日々のスケジュールに十分な余裕を持たせておくことです。

予定を100パーセント詰め込んだパズルのような計画は、たった一つのイレギュラーで崩れ去ります。
リカバリーのための空白時間があるからこそ、私たちは想定外の出来事に対して肩をすくめることができるのです。

完璧な自分専用ルートなど、最初から存在しません。
迷い、誘惑に負け、イレギュラーに振り回されながらも、なんとか元の軌道に戻ってくる。
そのしたたかさこそが、習慣を長続きさせる最大の秘訣なのです。


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