from図書館返却本棚その6 「遅考術 じっくり考えるための10のレッスン」
毎度おなじみ、図書館の返却本コーナーにあった本からビビビと来た本をその場で読みながら感想を書くというシリーズ、その6です。
「遅考術 じっくり考えるための10のレッスン」植原亮
遅考術、すなわちあえて遅く考えるスキルということか。
何事にも拙速が尊ばれる昨今、確かに遅く考えるってけっこう難しい。
この遅くというのが「じっくり深く」という意味ならばなおのこと。
などと思ったので手に取った本。
著者はどんな人かなと思って一番最後の略歴を見てみると、東大大学院を単位取って中退したけど学術博士で、現在は関西大学教授で専門は科学哲学、とある。
なるほどなるほど?
よくわからんけど、なんか偉い人だということはわかった。
頭のいい人とは
頭のいい人というのは、問題に対してぱぱっと素早く考えて結論を出せる、というだけでなく、確実性や多様な可能性を求められる場面などではあえて遅く考えられるのだという。
そのために必要となる粘り強く考え続けるスキルを遅考術と名付けた。
いわば「自力で深い思考に到達する」ための技術であるようだ。
なるほど、哲学っぽい。
そのスキルを習得するために、本書にはタイトルにもあるように10個のレッスンが提示されている。
その中で気になったものだけを紹介する。
レッスン1の1 思いついたことをまずは一旦否定する
私もかなり早とちりな方である。
勘違いしたまま突き進んであとで「なんでやねん!」となることが多い。
一旦立ち止まって確認する意味でも、これは取り入れたい手法だ。
レッスン3の1 どんな人物かは慎重に考える
人間は会って数秒で受けた相手の第一印象でほとんど判断するといわれている。
だが著者は直感が頼りにならないことが多いという。
それは「代表性バイアス」がかかるからだ。
代表性バイアスとは、頭に思い浮かびやすいもの(ステレオタイプなもの)ほど、その数や起こりやすさを大きく見積もってしまうというバイアスのこと。
つまり、
「こんな感じの人って、こういうタイプだよね」的な決めつけが起こりやすいというのだ。
故に重大な判断が求められる時ほど、人物評価は慎重に、ということだ。
とはいうものの、私の経験的に「この人いい人かも」という予想は外れることが多いけど、「この人ヤバい」という第一印象はけっこう当たる気がしている。
……いや、このけっこう当たったという感覚的な経験そのものが間違っていたのかもしれない、と今思わされた。
レッスン4の2 曖昧な言葉は明確にする
これはもうそうすべきであることは明白なので、私も今後は意識していきたい。
レッスン7の1 ジレンマの対処法
ジレンマ、すなわち2者択一問題でどちらを選んでも具合が悪そうな場合どうするか、という問題だ。
これに対する答えは「第3の道」を考える、だ。
ずるいといえばずるい答えだが、極めて現実的な考え方だと思う。
まとめ
他にもまだまだ良さそうなレッスンがたくさんあったが、そろそろ図書館を出る時間なのでここまでにしておく。
また次の機会にじっくり読み込みたいと思える本だった。
追記
ここで最新版の書影を確認したら「読書猿氏推薦!」とあるじゃないですか!!
これは信頼できる!!!
