from 図書館返却本棚 その36 「AI時代の読書革命」 井上真花 前編
毎度おなじみ、図書館の返却本コーナーから目についた本、それもなるべく普段読まない系の本を手にとって、図書館の勉強コーナーで読みながら同時に感想を書くという無茶なシリーズその第36段でございます。
……といいつつも最近は割と「普段も読んでる」系の本を手に取ることが増えてきたなと反省。
今回もそうです(^_^;)
はじめに
ChatGPTをはじめとする生成AIの進化は、私たちの生活のあらゆる側面を変えつつあります。
では、この技術革新の波は「読書」という行為にどのような変化をもたらすのでしょうか。
そしてAIが本の要約や解説を一瞬で提示してくれる時代、「私たちはわざわざ時間をかけて本を読むべきなのか?」という問いは、読書家ならずとも一度は頭をよぎるテーマではないでしょうか。
今回、私が図書館の返却本コーナーから井上真花氏の著書『AI時代の読書革命』を選んだのは、こうした疑問に答えが出るかもしれないと期待したからです。
本記事では、この本で提唱されているAIを活用した「新しい読書体験」の具体的な手法を紹介していこうと思います。
そして同時に、私自身の読書法を実践してきた経験に基づいた率直な考察や、AIがどれだけ進化しても変わらない「本を読むことの普遍的な価値」について考えていきたいのです。
AIと読書をどう融合させていくかに興味がある方の参考になれば幸いです。
第1章:AIがもたらす「新しい読書体験」の可能性
1-1. AIを「読書の相棒」にする具体的な方法
井上氏の著書が最も強く主張しているのは、AIを単なるツールとしてではなく、「読書の相棒」として迎え入れる新しいスタイルです。
これは、AIに「用語説明をさせる」「要約させる」「新たな視点を提示させる」といった具体的な行動を指しています。
最も身近で強力な活用法の一つが、「辞書を超えた理解」です。
これまで、専門書や難解な本を読んでいる最中に分からない言葉に出会うと、辞書やネット検索で調べるしかありませんでした。
しかしそこから少し深く情報を探ろうとすると、時間と手間がかかってなかなか読書に戻れなくなるなどということもよくありました。
しかし、AIを利用すれば、その言葉の定義だけでなく、関連する歴史的背景や、その用語が本の文脈で持つ意味合いまで、即座に、かつ文脈に沿った形で説明させることができます。
これは従来の辞書的な使い方を超え、理解を深めるための強力なブースターとなりえます。
さらに進んだ活用法が、「対話による深掘り」です。
本を読み進める中で作成した読書メモやハイライトをAIに読み込ませることで、単なる情報の整理に留まらない使い方ができます。
例えば、「このハイライトから、私が理解できていない部分はどこか?」と問いかけたり、学んだ知識が定着しているかを確認するためにクイズを作成させたりすることが可能です。
これにより、一方的な読書ではなく、AIを相手にした対話を通じて理解を多角的に深めることができます。
そして、読書体験のゴールである「アウトプットの効率化」にも、AIは大きく貢献します。
読了後に感想文や書評を作成する際、AIに構成案を作らせるのです。
ハイライトを参考に「はじめに」「本の概要」「内容の考察、感想」「得られた教訓など」「まとめ」といった、論理的な流れを短時間で構築させることができます。
これにより、私たちは構成を考える労力から解放され、思考のコアである「考察」や「感想」に集中できるようになるでしょう。
ただし、ここで重要なのは、AIはあくまで「効率化」を助ける相棒であるという点です。
AIが作成した構成案や、本の概要を利用しても、最終的にオリジナリティのある文章を生み出すためには、やはり「自分なりの感想を自分の言葉で」加える作業が不可欠です。
レビュアーとしての個性は、この「自分の言葉」にこそ現れると私は考えています。
AIを賢く使いながら、読書を通して得た自分自身の思考をアウトプットしていくのが、新しい時代の読書法となるでしょう。

第2章:筆者が実践する読書術と「集中」の価値
2-1. 筆者が実践する「血肉にする」ための読書法
前章でAIによる新しい読書体験の可能性について述べましたが、本を読んで得た知識を「血肉」にするという普遍的な目的においては、結局のところ、いかに能動的に思考し、アウトプットするかが鍵となります。
これは、私が長年実践してきた読書法でも重視している点であり、本書で提唱されている習慣化のテクニックと共通する部分も多くあります。
私の最近の読書法は、以下のシンプルなプロセスで構成されています。
読みながら重要な箇所をハイライトする。
ハイライトした内容をまとめて読書ログとして記録する(読書ログ化)。
本から得られた教訓や気づきをもとに、自分なりのアクションプランを作成する。
アクションプランを含めた感想文をnoteの記事にして終了する。
このプロセスのどの段階でも、必要に応じてAIを活用しています。
たとえば、読書ログの整理や、感想文の構成案作成などです。
しかし、最も重要なのは、3番目のアウトプットの肝である「アクションプランの作成」です。
本に書かれている内容をただ知識として頭に入れるだけでは、それは情報に過ぎません。
その知識を自分の具体的な行動、つまり「自分なりのアクションプラン」に落とし込む過程があってこそ、本の内容は自分自身の経験や知恵へと昇華し、「血肉」となります。
ここが、本を読んで満足する人と、本から人生を変える教訓を得られる人の決定的な違いとなるでしょう。
……などと書いたものの、私自身は最近まではほぼ読み捨てに近い状況でした(;´Д`)
確かに読んだ直後は様々なアクションプランが思い浮かぶのですが、それを実行するとなるとまた読書法とは別の話になります。
このあたりはまた別途考察&実験していきたいと思います。
2-2. 読書中の「集中力」に関する異論
井上氏の著書には、PCでKindleアプリとAIを同時利用するという、非常に効率的な読書スタイルが紹介されています。
もちろん、知らない言葉を辞書的にAIで調べることは大いに「あり」だと思います。
しかし、この二画面を使用したでの深い対話的な読書法については、私自身は少し懸念を持っています。
実は私も以前試してみたのですが、気が散って集中力が著しくそがれてしまったのです。
読んでいる途中でAIと深く対話しすぎると、読書体験そのものを中断させてしまいます。
小説であれ実用書であれ、著者が設計した思考の流れに乗り、その世界に没入する集中体験こそが、読書の醍醐味の1つではないでしょうか。
「集中」は私にとって最重要キーワードなので、このような感想を持ちました。
もしかすると、本だけに集中して読むという方法は「古い読み方」だと見なされる時代が来るかもしれません。
しかし、スマートフォンやPCからの通知がひっきりなしに届く現代だからこそ、あえてデバイスを脇に置き、紙の本や電子書籍の画面に全神経を集中させる時間は、思考を鍛えるための貴重なトレーニングだと感じています。
この集中体験が生み出す深い思考の価値は、AIによる効率化と引き換えにするには惜しいものだと、私は主張したいのです。
後編に続きます。
《自己紹介&サイトマップ》
