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2ヶ所しか行かない、つらつら博多旅

いつの間にか年が明けていた。

元旦は姉家族から遠出の初詣に誘われており、早朝出発だったので体調をそこに合わせてなんとか行けるようにと気合を入れて寝て、気合い入れて起きた。何かを忘れたらしく、化粧がなんか変だった。
父も連れて無事に行けたこと。姪っ子たちと『家族を鳥に例えたら何か』という謎のお題を話しながら歩いたこと。帰りに運転した姉の横に座り、2人で車内カラオケをしたこと。
帰ってきて頭痛で丸1日寝込んだが、「行けてよかったなぁ」という気持ちがしみじみ湧いてきた頃には1月3日になっていた。
ご自愛ご自愛、本年もご自愛。


シュールでめでたい博多のお土産。ひつじやのニ笑。
"吽の饅頭"がうまかった。
自分も人も笑う年になりますように。


そうでした、年末に博多に行ってきました。
前回のnoteには激重感情の旅の記録を書いたが、今回はただの気楽な旅の記録を、
忘れないうちにつらつらと書きます。

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まずは行きの新幹線で駅弁お昼ご飯。

新幹線のホームにある駅弁コーナーで"牡蠣のっけ飯"というネーミングに心の中でスタオベしながら手に取る。席に着いていそいそとあけてビビる、牡蠣のでかさ。
一口食べてグルメ漫画みたいに目をつむり天を仰ぐ。牡蠣のうまみ、出汁が染みたご飯。食べ進めるとわかる、付け合わせの妙。駅弁ってこんなおいしいんだね。企業努力に頭が下がる。こんな量の米が食えるかなと思ったが、休憩を挟みながら完食。

隣の席の男性もご飯を食べていた。1人で食べると「いやぁなんか隣で飯食うててすんませんね」みたいな謎の申し訳なさがあるので、同じタイミングでありがたい。
食べ終わってから降りるまで、まだ2時間以上あった。隣の男性はタブレットで授業の動画を流しながらスマホで問題を解いていた。ファイト!と念を送りながら、私はひたすら本を読んだ。



森山直太朗さんのライブツアー『あの世でね』の『弓弦葉』公演に行ってきた。ライブ会場のアクロス福岡シンフォニーホールは、シャンデリアがべらぼうに素敵だった。3階席だったのでほぼ目の前がシャンデリア。早めに会場に入りずっと見ていたが、見飽きることがなかった。
温かいオレンジの光は、なぜか写真を撮ると白くなってしまう。花火のような繊細な造りなのに迫力あるシャンデリア、ドキッとするくらい丁寧で壮大な音の響き方。
本当に素敵なものは写真では写せない。



ライブ後、晩ご飯を食べに地下鉄で移動。
サルゴリラさんのYouTubeで見てどうしても行きたかった、焼き鳥の『かわ屋 警固店』に行ってきた。
年末の名店の忙しさをなめていた。予約をしていて本当によかった。

衝撃のとり皮

ここの焼き鳥、ヤバい。私はとり皮が苦手なんだが、ここのとり皮を食べて「焼き方と味付けが違うとこんなにうまいのか」と衝撃を受けた。この世の苦手なもの全てを、ここで焼いて味付けしていただきたい。

一口食べて大好物、しぎ焼き

『しぎ焼き』はレアに焼いた柔らかいささみをツンとくるわさび醤油で食べるんだが、これも私が知るささみさんではなかった。ささみってこんな食感になることができるのか。私が鶏ならここで焼かれたい。

牛すじ煮込み
こんにゃくの食感が、もうなんか……何これ?

牛すじ煮込みの出汁を吸ったこんにゃくも革命だった。飲み干す用ではない塩辛さだったが、出汁を飲み干した。

お店が忙しすぎて、注文してから来るまでかなり時間がかかっていた。私は下戸なのでジンジャーエールをちびちび飲みながらご機嫌に過ごしていたんだが、「お待たせしてすみません、これ間違えて焼いちゃったのでよかったら」と店主さんがこそっと串を出してくださった。

おそらく間違えて焼いてはいない。別のお客さんの焼き鳥を焼く際、端っこにねじ込んで焼いていた気がする。店主さんの心遣いがこの味に繋がっているんだなぁ、としみじみ味わった。
ところでこれ↑、何だったんすか。なんかね、食感がよかったんですよね。砂ズリだったのではと推理していますが、どうですか。あんな忙しい中の一本なので店主さんももうわからないかもしれない。

どんだけ『かわ屋』のこと言うねんという感じですが、まだ言う。野菜の焼き加減も天才だった。椎茸うめぇ〜。あんなに忙しい中こんなにうまく全てを焼く店主さん、色んなものに表彰されてほしい。いいことたくさんあってほしい。

鶏白湯スープのにゅうめん
かわいい壺

鶏白湯スープのにゅうめんがメニューにあるのがうれしすぎた。鶏好きの心をわしづかみ。自家製ラー油が入っている壺がかわいい。

死ぬまでにもう一度来たいお店が増えた。



なんかいい看板

かわ屋さんを出て最寄駅まで歩く間、人がいない瞬間を狙って歌を歌った。
ライブの余韻と県外という精神的開放感で猫背もなおる。ふと、いい看板が目に入った。でかい窓一面に描かれた絵。行きはGoogleマップを必死に見ていたので気づかなかった。かわいい。
少し歩くと『さばたろう』というお店があり、この看板がまたかわいかった。ステンドグラスでできたサバと白飯の看板。撮りたかったが、すぐ近くで酔っぱらった大型男性の集まりが青春、友情、今だけの爆笑をしてらしたので、その世界観を壊さぬようにスッと通り過ぎた。



旅行に行くとお風呂上がりにアイスが食べたくなるんだよなぁ、なんて帰りにコンビニに寄ってハーゲンダッツなんかを買ってみる。グフフ。
ホテルの部屋に着いて気がついたが、冷凍庫がないので大浴場に行く前に今食べるしかない。しかも病気になってから冷たいものや洋菓子を食べれなくなっていたんだった。ダッツを見つめる。
調子に乗るとはこのことである。
おそるおそる食べてみる。ふわぁ、おいしい。アイスっておいしいねぇ。スンスンみたいな声が出る。体を温めながらゆっくり食べたら、久しぶりにアイスがひとつ完食できた。うれしかった。

次の日はゆっくり寝て、11時ギリギリにチェックアウトした。フロントに荷物を預かってもらい、気合を入れて博多駅にくりだす。
お土産を、買うぞ。
相手を思い浮かべながら、良いと思ったものをとにかく買う。年末の博多駅は情報量が多い。少し歩いただけで脳が熱くなってぐったりしてしまい、カフェに入った。

メニューにアイスが入ったものしかない。なぜ。発注担当者が桁を間違えてアイスを大量発注したのだろうか。お疲れ様です。でも座らせていただけるだけでありがたい。温かいお茶が体に沁み渡る。耳栓をして、本を取り出す。

あぁこの世に本があってよかった。心の避難所だ。寺井奈緒美さんは私の……私にとっての……なんだろう。大好きな人。人生の師匠。ゆるやかな希望。

ちなみにカフェといえば、博多駅の近くにはコメダ珈琲が2つもあった。愛知県民として誇らしかった。
休みながらなんとかお土産を買い、夕方に新幹線に乗った。

行きの牡蠣に味をしめ、帰りも牡蠣の駅弁を選んだ。完全に調子に乗っている。冬のボーナスがなければ卒倒していた。
味だけで言えば行きののっけ飯の方が好きだったが、紐を引き抜くと温かくなるというシステムにテンションが上がった。牡蠣の駅弁の経験値が上がった貴重な経験。
牡蠣に始まり牡蠣に終わる、味わい深い旅だった。

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