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アオハル放課後ラボ#24『知らず知らずのうちに』

ChatGPTにアオハルシリーズ第24話を依頼しました。
イラストもChatGPTへ依頼したものです。


『知らず知らずのうちに』



「…明日、2年は全員、5・6時間目が特別授業に変更だって」

教室の掲示を見て、慎也がぼやく。
「また進路調査? あれ、この前やったばっかだよな」

「違う違う、なんか大学の先生が来るらしいよ」
窓際の席から声をかけてきたのは、情報通の陽菜だった。

「国立大の心理学の研究室が、高校生の意識調査に協力を求めてるって。うちの学校、今年から連携校になったでしょ?」

「へぇ。進学にも有利になるかも、ってやつか?」

慎也の隣で、結衣は手帳にメモを取りながら黙っていた。



翌日、体育館に並ぶ2年生たち。
教壇に立つのは、白衣姿の男性教授と、学生らしき若い女性スタッフ。

「皆さんこんにちは。今日は未来の“自分”を知るプログラムに協力していただきます」
教授の声は穏やかで、笑顔も柔らかい。

「安心してください。難しいことは何もありません。楽しく“自分”を探ってもらう体験です」

スクリーンには「未来適性メニュー」と題した華やかなプログラムが並ぶ。
「進路適性VR」「反応診断ゲーム」「直感選択カード」…どれも、ゲームのような体験だ。

慎也は興味津々でVRブースに向かう。
「職業体験ってやつ? おれ、刑事とかやってみたいな」
「私はパティシエって出た〜」
生徒たちは楽しげだ。

結衣は、やや遅れてVRゴーグルを手にした。
しかし装着した瞬間、ふと奇妙な感覚に襲われる。

——なに? このざわつき…

画面に現れる映像は確かに「職業体験」だった。
だが、何かが妙にリアルすぎる。
視界の端に、0.1秒もないほどの「違う映像」が走った気がした。
(まさか、サブリミナル!?)

ゴーグルを外すと、世界がほんの少し“薄暗く”見えた。



「なんかさぁ、ちょっと変な気分だったんだけど…気のせいかな」
体験を終えた陽菜がつぶやく。

「俺は逆にめっちゃ元気出たぞ! 褒められる演出あったし!」
慎也は上機嫌だ。

「……」
結衣は黙ったまま、控えめに笑って見せた。



放課後。科学準備室。

「結衣、どうだった? VRのやつ」
慎也がいつもの席にどかっと座る。

「不自然だった」
結衣はタブレットを開きながらつぶやく。

「不自然?」

「うん。あのVR、感情を誘導していた。たぶん意図的に」

慎也が眉をひそめる。

「まさか、お前…また疑ってるのか? 今回は教育連携の一環で、先生たちもみんな協力的だったじゃん」

「だから逆におかしいの」

結衣は教授の名前を検索し、いくつかの論文タイトルを示す。

『瞳孔反応と微細表情からの感情変化パターン抽出』
『非対面環境における情動変容の誘導と可視化技術』
『選好形成プロセスへのサブリミナル刺激の影響』

慎也が戸惑いながら問う。

「つまり…?」

「進路適性という名目で、“感情誘導と判断反応の実験”を行っていた可能性がある。
でも、もしそうなら、ちゃんと説明や同意が必要だったはず」



結衣はまっすぐ進路指導室へ向かう。
進路担当で大学との窓口になっていた顧問の先生に声をかけた。

「先生、少しだけよろしいですか。今回の大学との協力について、どんな書類を交わしたのか確認させていただけますか?」

「ん? ああ、協力依頼書ね。…これだけど」

先生はファイルから数枚の文書を取り出す。

『本研究は高校生の進路意識形成に資するデータの収集を目的とし、大学教育との接続モデル構築に寄与することを目指します』

とだけある。
“内容詳細は別紙”とあるが、添付は見当たらない。

先生の表情に、わずかな戸惑いが浮かぶ。

それを見て、結衣が口を開いた。

「先生、私…少し気になることがあって、この書類を確認したいと思ったんです。
実は今日の体験後、明らかに気分が悪くなった生徒が数人いて…。私自身も、あのVRに強い不快感を覚えました」

「不快感…?」

「はい。そしてこの文書には、“心理的な実験が行われる”とはどこにも書かれていません。
私は科学部で研究をしているので、研究倫理の基礎は学んでいます。
たとえ本人が『楽しかった』と思っても、無自覚のまま生体情報を収集されていたとしたら、それは“実験”です」

顧問の顔がこわばった。

その場に、保健室の先生が現れる。

「すみません、ちょうどお二人を探していました。今日、体調不良を訴えた生徒が何人か保健室に来ています。
“なんだか自分じゃないみたい”と語る子もいて…。明らかに通常の指導とは異なっています」

顧問の先生は深く息をついた。

「これは……まずいな」




翌日の午前中、2学年全員が体育館に集められた。

壇上に立つ顧問の先生が、深く一礼し口を開いた。

「昨日、皆さんに参加してもらった“未来適性プログラム”について、いくつかの問題が明らかになりました。
一部で、生徒の感情や判断への影響を伴う技術的実験が行われていた可能性があります」

生徒たちがざわつく。

「私たち教員も、詳細を知らされないまま“協力”をしてしまっていました。申し訳ありません」

保健室の先生がマイクを引き継ぐ。

「体験後に、体調や気分に変化があったという生徒が複数確認されています。
こうした変化は、あなた自身のせいではありません。
必要であれば、専門のカウンセラーによるサポートが受けられます」

「来週から、臨床心理士が日替わりで来校します。希望者は保健室まで申し出てください。
全て守秘義務のもとで行われます。安心してください」

誰もが、息をのんで聞き入っていた。
その「体験」が、ただの“適性テスト”ではなかったと、ようやく実感し始めていた。


【新聞記事(数日後)】

【教育連携の“適性プログラム”で心理実験 国立大学が高校生を無断対象に】
県立高校で行われた大学主催の教育プログラムにおいて、心理的誘導実験が含まれていたことが判明。
生徒への十分な説明がなかったことから、大学教授および関係者への警察による事情聴取が行われた。
同校ではすでに全生徒へのケアを実施済みとのこと。



「結衣は…、最初から全部知ってたのか?」
慎也がぽつりと聞く。

「いいえ。最初は想像もつかなかった。でも最初の違和感と、体験した不快感、その理由を確かめたい。それだけだった」
結衣は答えた。

「ま、俺は何も考えずに楽しんでたけどな。…それでも、あの“褒め言葉”、誰かに植え付けられたって思うと…なんか悔しいな」

「だからこそ、私たちは “知る” を疎かにしちゃいけないのよ」

夕暮れの光が差し込む中、二人の影が静かに並んでいた。



アオハル放課後ラボ#24『知らず知らずのうちに』 ーーー 終




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