完璧なソフトウェアはない!&役所で工事積算は不要(持論)
都庁の報道発表
都庁は、ヤフーからいらっしゃった宮坂副知事のもと、 #デジタルサービス局 が #都政 のデジタル化を進めています。 #プロジェクト監理 や #PSブック というものを使った手法で、システム開発や改修、運用の質を上げていくことが目標です。
その中で次のような #報道発表 がありました。
2025年7月22日
#建設局 の #土木積算システム に計算方法に誤りがあり、影響範囲を調査中というものです。
そもそもソフトウェアというものは、完璧ということはありません。設計どおりできてないかもしれませんし、設計の考え方が正しくないことも多いのです。
このように業務影響も発表できない段階で、これで報道発表の意味はないのではないかというのが、筆者の意見です。
以下リンク
2025年8月20日
約1か月後に、業務影響が出てきました。
2件の工事積算が過大だったと言います。たぶん忙しい中で、土木職の職員が全部手で積算しなおしたのでしょう。
1.正しい金額15,238,300円が、6,600円過大になった
2.正しい金額9,345,600円が、4,400円過大になった
どちらも、総額の0.04%くらい多くなっています。
工事積算するときに、図面から長さを拾って、工種の単価をかけます。図面の縮尺にもよりますが、積算する人によって、1mmとかに縮尺をかけて、単価をかけると、もっと大きな金額で誤差がでてきます。
さらに、入札しているのでしょうから、この金額で契約するわけではなく、下がった契約額になり、この影響はなくなると考えます。
以下リンク
問題点
ソフトウェアに完璧を求めている
#完璧なソフトウェアは存在しない というのが私の考えで、日々発表される #脆弱性 もそれです。もっと脆弱性があるのが分かっているのに、積極的に調べているようには思えません。
#「完璧」は「十分よい」の敵 という言葉も見かけますが、筆者は「十分よい」レベルの不具合だったのではないかと思います。
余程根本的なロジックが違っていたのか?とも思いますが
業務影響を考えていない
発表できる業務影響がないまま公表しています。
この場合は入札なので、これで契約することはないため、何を言っているのだろうというレベルです。
ITベンダーのせいにしていないか?
先日書いた教育庁発注のシステムは、全部受注したITベンダーのせいにして、指名停止にまで追い込みました。外資系なら裁判になっている内容です。
プロジェクト監理とか、形式を整えること自体は否定しませんが、都庁のシステム開発の質は、以前より落ちているように感じます。
ITベンダーが悪いから、大きさを考えず、すぐ報道発表していないでしょうか。
責任を取れる幹部がいなくなった
これに限りませんが、小さなトラブルでも、自分の責任で留めることができず、どんどん上に上がっていきます。ましてや委託先が悪いのだからと、すぐ報道発表になるような傾向を感じます。
不足する技術職員への負担が増大している
これらの案件を積算しなおしたり、報道発表の対応をしたり、職員の負担が増大していることは間違いありません。
先ほど、工事積算時の図面から距離を拾う誤差について書きましたが、工種に何を選ぶかなど、幅がありますし、人が積算したものはシステム入力前のないようから、誤りが多いです。
このレベルの精度を求めていくと、役所から技術職員はいなくなります。
そもそも役所で工事積算は不要ではないか
昔からの筆者の持論ですが、「何をどうする」は役所で決めなければならないが、 #役所で工事積算は不要 と考えます。
都庁はどこの局でも技術職員が残業している
役所は年度内に終わることを良しとしています。よほど大きな工事でない限り、4月に人事異動があり、一生懸命、工事の設計・積算をやり、秋くらいに入札で受注者を決めて、年度末に工事が集中します。これは、受注者も迷惑ですし、設計する職員も急がなければならず、また、工事が減ると、執行率が下がったと注意されることもあります。
役所で工事積算した額が適正価格ではない
工事積算は、様々な単価や計算規則で労力をかけて、算出します。趣旨は、過大な金額で発注してしまわないようにというものです。
ただ、職員が手間をかけ、精緻に積算しても、結果として、企業が受注できる金額でないこともあります。イマドキは、物価高騰や人手不足ということも多いですが、そうでなくても実態を反映しない金額であることもあります。
金額が足りないと、入札で不調になり、契約できません。
そうなると、再度、なにがしかの理屈をつけて、設計金額を上げたり、一部を見積もりにしたりします。
役所で設計した内容も受注者には役に立たない
金額だけでなく、役所で設計した工事内容は、たいてい受注の工事会社はそのまま使えません。
何をやりたいかだけを読み取り、専門家が施工できるレベルまで、一から設計しなおします。
技術職員の負担
このように技術職員の負担は大きいこともあり、給与も民間に追い付かず、役所では技術職員が不足しています。
解決策は、やりたいことを工事会社に伝え、見積もりを取る
公共インフラは、老朽化して事故も起きています。沖縄では老朽化した水道管が破裂して、広範囲の断水が発生しました。
今までのやり方では、追いついていません。
デジタル化で完璧な積算システムを用意するよりも、餅は餅屋という考え方ではいかがでしょうか。
システム開発の積算方法(参考)
システム開発の積算方法も昔からいろいろ理屈はありました。ファンクションポイント法などがありました。
ただ、どんな理屈で金額を積み上げても、ITベンダーが受注してくれないとどうしようもありません。
都庁には、内部的にSE単価みたいなものを持っていて、それに人数をかけることで金額を出している体裁になっているところが多かったです。
ただ、何人が適正なのか、と言われると根拠がなく、ITベンダーが受けてくれる金額を確保するしかありません。
おわりに
工事に限らず、 #都庁は誰も楽になっていない ように、外から見えます。
精緻な規則どおり動く情報システムを増やしていくよりも、思い切って制度を簡略化しないと、破綻すると考えます。
そのために、これからも外から意見を発し続けます。
