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【創作大賞感想】マイトンの世界線の正義を考える。

 コンビものだ。コンビものの話しは好きである。この登場人物達の軽妙な語り口の中から、事件を通して二人の信頼関係が生まれていく。コメディ要素が分断に盛り込まれているので、大きなテーマを見落としがちになるのだが、マイトンはきっちりと伝わるようにメッセージを入れ込んでいる。

 この世に正義なんてない。

 誰かが、誰かの思惑と真実に近づけようと動いている。全員、見方を変えれば正義だ。そこを裁くために法が存在するのだが、人間はどうしても感情が入ってくるので、正義がうやむやになってしまう。

 本来、重いテーマの筈なのに、マイトンの持っている文体や作風がすべてを軽く見せてくれて楽しませてくれる。

 何度か読んだのだが、サクッと読めてしまうのに、考えることになってしまう。

 週末探偵と左遷刑事。これだけで、この二人に何が出来るのかと疑いたくなってしまう。テーマが重いのに、出てくるエピソードの軽さで笑ってしまうのが、たまらない。現実世界のルールを飛び越した面白さに振りきっていて、読み手が、この二人ならどんな展開でもアリかと思わせてくれる。

 エンターテイメントとして、現実感を感じさせずに、この世界なら何でもアリだという物語は楽しい。ミステリーだが、ミステリーだけでは味わえないマイトンのユーモアの世界が確実に存在している。

 本人も荒い部分があると認めてはいるが、それも本当は狙いなのかなとも思えてくる。全編を通して軽く攻めてくるのは、重いテーマを楽にしてくれる。

 そして、私が読みながら一番感じたものは、もっと二人の関係性や、やりとりが欲しいこと。人間関係を飛び越えた面白い関係性まで突き抜けても良いと感じた。それだけ、会話のやりとりや、キャラが面白いので、この二人ならそのうちテレパシーとかし出すのではないかとすら思えてくる。

 心だけの会話とかを、他の登場人物を無視してまでも、勝手に進めていきそうな勢いの二人がしていて、それでも違和感を持たせない文体が存在している。

 この二人に、もっと人間としての背景の厚みを持たせたら、事件が軽妙でも真剣に考える二人が面白い気がする。絶対に誰も解決しないような事件。それこそ、小学生が刑事ごっこで扱うような事件と呼べるようなモノでもない事件に、真正面から、軽妙に正義とは何かを問い詰めていって欲しい気がする。

 そういう二人を深夜に画面で見てて笑いたくなる。

 この二人なら、些細なことを大事件とさせてくれそうか気がしていて、解決しても日常は何も変化しないが、心は少しだけ変化するような世界を望んでしまう。

 結局、何度か読み進めて思うのは、どんどんと、この世界の先のことを考えていってしまうということだ。それは、やはりマイトンが読み手に想像をさせるキッカケをいっぱい散りばめているからだろう。

 葉山響の語尾の「~」を誰かに演じて欲しくなる。本山剛士のアホみたいな返しを聞きたくなる。会話にならないのに、まとまっていく様子を見たくなる。

 次の展開を、こうして気にしてしまうのだから、この作品の設定や魅力がいっぱいあるのだと思う。完成していない。始まったばかりだというのがこの作品の気がしてきてしまう。

 マイトンが、どこに向かって表現を続けていくのか分からないが、この物語だけは、生涯の時間をかけてでも、完成形にして欲しい気がする。

 ミステリーにコメディを混ぜても成立する世界は、圧倒的に登場人物がおかしくないと成立しない。しかし、それは挑戦すればするほど難しい世界だということを知っている。

 でも、この二人なら小さなことから、大きな正義を見出だしてくれそうな期待が持てる。

 忙しそうですが、もっと小説と向き合ってみて、小説を書き続けてみて欲しいというのが本音です。楽しかったです。

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コニシ木の子🍄クラファンは8.31まで🐙次回回収は8.24から8.28まで🛸 いただいたお気持ちは「なんのはなしですか」に関連する活動に使わせていただき、人に会いに行ったり、呑んだり、遊んだりとそれをまた記事にして有効に活用させていただきます。