あれは、17の夏休み。
俺は、進学組ではなく、中学の仲間と毎日遊んでいた。
神奈川県伊勢原市。
毎年、夏のテーマを決めて遊んでいたのだが、その年のテーマは「限界」だった。
俺は、友人のタミとポンと40日間の夏休み中、恐らく35日間は一緒にいただろう。
何時間寝ないでいられるか、から始まり、
ホラー映画を何本連続で観れるか。
何時間外にいれるか。
アイスを何本食べ続けられるか。
何日、連続で遊べるか。
まさに、体力が余りに余っていた俺達は、あらゆる限界に挑戦していた。
あまりにやることがなく、
公園で水風船当てっこの限界に挑戦していた時だった。
ふと、ポンがタミに話しかけた。
「明日晴れるかな?大山、雲かぶってるけど」
大山。標高1,252mのその山は、伊勢原市を見渡すようにある。
別名、雨降り山とも呼ばれ、古くは雨乞いなどに参拝も行われていたらしい。
伊勢原市民は、大山に雲がかぶっているか、かぶっていないかで天気を判断する。
タミが言った。
「わかんねぇよ」
俺が言った。
「行かなきゃわかんねぇよ」
そう、登山の限界にチャレンジスタートである。
朝、5時の始発のバスに乗り込み、終点より前で降りる。なぜなら限界まで疲労させるためだ。
参道を上ると途中ケーブルカーに乗れて、中腹まで行ける。
が、もちろん、使わない。
そうすると途中、男坂と女坂に別れる。
もちろん、男坂。
中腹に着く頃には、3時間くらいかかっていた。
頂上までは、あと3時間。
誰もが限界にチャレンジしているのでやめるとは、言わない。こっからが、本番というくらいに、傾斜がきつくなっていく。
息が上がり、さすがにきつい。
しかし、テーマは限界。
そう。休憩が無いのだ。
たぶん、会話は、どっかに置き忘れてきた。
お昼過ぎまでノンストップ。
頂上についた。さすがに景色がいい。
うん。うん。
そして滞在0分。そのまま違うルートで下山するのである。
実は、登山は下りがツラい。膝が、意思とは反してガクガク嗤うのだ。
しかし、下山は速い。あっという間に登りの倍以上の速さで降りる。
16時くらいに、バスターミナルに戻ってきた。
「さすがに疲れたな」と俺がポンに言った。
「まだ大丈夫」ポンが応えた。
タミが言う。
「じゃ、明日もだな」
NOとは、言えない日本人。
テーマは、限界。
次の日、朝5時に始発のバスに乗った。
こうなると、会話はこうなる。
「なんか見たことあるな」
「気のせいだろ」
とかで笑えるのである。
2日目は、雲の中での登山になった。
雲の中だと、俺の天然パーマは、湿気でクルクルがひどくなるので嫌だった。
そもそも俺は、小学校卒業までサラサラサラリンのツヤツヤストレートだった。
ところが、変声期を迎え、急に目が悪くなり、身長が伸びていくのと同時に髪がクルクルしてきたのだ。
上も下もクルクルに、なったのだ。
そんなことを考えていると、ポンが叫んだ。
「シカ!」
そう。辺り一面霧の中、上から私達を見下ろすようにシカがこっちを見ていた。
あまりの光景に、みんな言葉が出ず、しばらくずっと見ていた。湿気で服がびちょびちょ。
夏なのにひんやりだった。
シカは、しばらくしたらスッといなくなった。
そして、俺達はお互いの顔を見た。
ポンとタミが同時に私の顔を見て叫んだ。
「木ノ子‼️髪がストレート‼️」
なんのはなしですか
急なストレートに慌てて下も確かめたが、そこはクルクルだったはなし。
僕達は、大山で神秘な体験をした。
きっとシカからのプレゼントだろう。
伊勢原市にある。大山。
一度は登ってみてね。
この関係は、このお菓子みたい。
スノーボールクッキー。
固まるけど脆いでしょ?
だから、これは
スノーボールクッキーイセハラ
いいなと思ったら応援しよう!
いただいたお気持ちは「なんのはなしですか」に関連する活動に使わせていただき、人に会いに行ったり、呑んだり、遊んだりとそれをまた記事にして有効に活用させていただきます。