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新オーブンレンジ〜購入編〜

17歳まで生きたオーブンレンジは、多くの思い出とともに、処分することにした。

代わって、オーブンレンジを新しく買うことになった。今年は出費が多いから、今のスペック以上で、且つ2〜3万で買えるやつがあればいいんじゃないか、と旦那と話していた。

前のオーブンレンジが22ℓだったので、今回も22ℓで探した。標準的なサイズなので、電気屋ではまあまあなやつが手頃な値段で売っていた。そうそう。私はチーズケーキが焼ければいいのだ。

家に帰り、Amazonを見た。悪名高きAmazonではあるが、年に一度のセールをやるし、予算がないから利用することにした。そして何より私が重宝するのは、購入者の口コミである。

口コミというのは見方が大事だとつくづく思う。星5つの5段階評価で、星5つ、というのはほとんど役に立たない。購入後まだ日が浅い利用者が、「なかなかよい」とか「問題ない」とか、文字数が少なく、中身の薄っぺらな評価をしている。ところが星が少なくなるに従い、リアルな苦情が寄せられている。最初の一年はよくあったまったのに二年目から微妙だとか、オート機能では温まりすぎてダメだとか、長期使用した上での問題点がより細分化され、指摘されている。星1つ、となると、ほぼ憤りの声でしかなくなってくる。カスタマーサービスセンターの対応が悪いとか、返品に応じてもらえないとか、修理が遅いくせに費用が高額とか、消費者センターに通報してやるとか、非難轟々である。

これについては、どのメーカーにもついてまわる問題なんだろうと感じた。ただ、口コミを読みながら傾向はあるなとも思った。そして、早く壊れやすいという評価が多いメーカーは除外することにした。

ただ、この時点でオーブンレンジ探しがとても退屈だった。月に一回くらいオーブン機能を使うならこれくらいで良いとか、本格的に使わないなら困らないとか、無味乾燥したコメントが目立つからだ。だいたい庫内が22ℓサイズというものは、オーブンの温度が250度までしか上がらない。一方で、30ℓ以上あれば、300度まで上げられる機種が存在する。さらに、大型機種らしく鉄板が1枚ではなく2枚つくタイプもある。クッキーのような、個数の多いものを一氣に焼けるのは理想的ではないか。

ベイクドチーズケーキを焼くには170度あればいいから、300度も必要ない。だけど、もう少し長い目で捉えてみる。自分が今後、ベイクドチーズケーキだけ焼ければ氣が済むようになるのだろうか。ほかのお菓子づくりに興味を持たないという保証があるのだろうか。否。できることならシュークリームもパイも焼きたい。300度という高温を生かし、ピザやパンを焼いてみたい。焼き始めが250度ではふわふわ感が微妙でも、300度ならふわふわになりやすい(らしい)シフォンケーキづくりにも挑戦してみたい。つくるのが楽しい、つくるのが幸せ、つくったのを誰かに食べてもらえるのが幸せ、喜ぶ顔が見たいーー。そんな感覚が大事だろう。

考えれば考えるほど、パワフルな大型機種が欲しくなってきた。ただ、予算は少なくとも4万強は必要になるし、物入りな時に旦那がいい顔をしない氣がした。私が唸るほど稼いでいればそんな声は無視できるというものだが、今はできない。

さらに、物理的な問題もあった。大型機種は奥行きがあるため、レンジ台に収まらない機種が多いのだ。我が家のレンジ台は奥行きが42cmしかない。大型機種は、43cm以上がほとんどである。

値段が高いし、デカ過ぎるし、どうせ駄目だろうと思いつつ、大型を諦められないまま、時間だけが過ぎた。そしていよいよタイムセールの当日となった。旦那からは、氣に入ったオーブンレンジがあったかと訊かれた。私はそこで思い切って、正直な氣持ちを打ち明けた。

「どれもこれもオーブンレンジとなるとみんな中途半端だ。オーブンに特化したやつか、レンジに特化したやつのほうが良い仕事をする。私はレンジ機能は要らない。どうでもいい。レンジ機能よりオーブン機能が充実している機種は高いしデカい。だけどそれを克服してでも私はオーブン機能が良いやつがほしい。色々つくって、みんなに美味しいと喜んでもらいたい。私の楽しいオモチャなんだ。色々遊べる幅が大きいオモチャがいいんだ。30ℓ以上で、300度以上温度が出る、2段のやつが欲しいの」

すると旦那は、すんなり「じゃあ大型のにしよう」と言い出した。私は拍子抜けした。「でもそもそもレンジ台に入らないんだよ」と言うと、「こっちの奥行きのあるキッチン台に置こう」と旦那は言い出した。なるほど、確かにキッチン台にはデッドスペースが沢山ある。普段からほとんど使ってない炊飯器をどかせばいい。

さらに、金額についても「5万以下ならいい」と旦那は言った。普段から化粧もせず服も買わず、地味な暮らしをしている嫁を不憫に思ったのか。それとも、ここをOKしてやらないと饒舌な嫁に再び恨み節を聞かされると察知したからなのか。とにかく私には結果オーライである。

予算がアップしたので私は俄然、探すのが楽しくなった。そして、最終的にメーカーは日立と東芝に絞りこんだ。先代が東芝だったので、氣持ちとしては日立のほうが欲しかった。金額は日立が約4万3000円、東芝が4万7000円である。

※第一候補の日立。現在は値上がりしています

※第二候補の東芝。現在は値上がりしています


冷蔵庫を買ったときのことを思い出した。東芝は安いがつくりがチャチだと思った。一方で高価な日立や三菱は、堅牢なつくりだと感心した。そして買ったのは結局、東芝だった。ほぼ中国製と揶揄される東芝なので、品質では他社に勝てないのだろう。

今度の選択肢は日立のほうが安く、東芝の方が高い。ならば、日立を買おうではないか。日立のオーブンレンジ「ヘルシーシェフ」はお菓子作りのサイトにも紹介されており、なかなかの高スペックである。はやる氣持ちを抑え、再び口コミを漁る。

すると、思いのほか、日立のオーブンレンジには辛口の評価が溢れていた。特に修理対応の酷さには、東芝ばかりをディスれないような案件が目立つ。さらに、製品のドアがチャチなつくりだの、ボタンがベコベコしてすぐにバカになりそうだの、デカいわりにあたためが弱いだの、操作が面倒臭いだの、製品自体への不安要素も目立った。私の中で、「東芝よりはマシ」「天下の日立様」のイメージがガラガラと崩れ去っていった。

では、東芝の方はどうなのか。こちらも負けず劣らず、辛口評価は溢れていた。いきなり底面に亀裂が入っただの、保証期間の一年が過ぎると壊れるだの、レンジの温めにムラがあって安い単機能レンジの方がマシだの、オーブンの予熱温度が目的温度に到達しないだの、惨憺たるものだった。

どっちもなんだか嫌だなあ…。いっそのこともう少し頑張って、日立かパナソニックにしようか。しかしながら口コミを見ていると、どこのメーカーにも「壊れるときは壊れる」「短命」「温まらない」など、不満の声はついてまわる。不満の声が少ない製品はそもそも高額で、これなら!と思うものは12万とか15万とか、とても手が届きそうにない。私は静かに悟った。何を買っても百点満点の買い物になんか、出来やしないんだと。どこまでなら受け入れられるか、がキーになるのだ。

改めて日立と東芝を比較した。Wスキャンという機能を使い、「分量を測って解凍」「分量を測ってあたため」など、日立はどちらかというと分量計測に焦点をあて、さらにスチームを併用することで電子レンジとしての優秀さを推しているように見えた。

一方で東芝は、分量については特記事項はなく、解凍についても特におすすめ要素は見受けられなかった。それより名前にもある通り「石窯」をイメージしているらしく、「熱風で包み込みながら焼き込む」「高温で焼きムラを防ぐ」など、オーブン機能を推しているようだった。オーブン機能については日立もあれこれ売り文句を並べてはいるが、レンジ機能についてそこまで推し要素がない東芝の方が、自分の「心豊かになれるオモチャ」としてはふさわしい氣がした。さらに言えば、日立は割引にもならず、4万2000円である。東芝は元々5万5000円のものが、タイムセールで4万7000円となっていた。

口コミがどんぐりのせいくらべならば、東芝の方が良い。もともと5万超のスペックで、さらにオーブン推しなのである。そして、今後何か不具合が起きたときに「せっかく日立を買ったのに!」と怒ってしまうよりは、「まあ、東芝だから仕方ない」と諦められる方がいいなと思えた。

かくして東芝製のオーブンレンジは、無事に我が家へ到着したのであった。

東芝製オーブンレンジ:ER-SD3000。省スペース型なので、奥行き42cmしかないレンジ台にも置くことができた


今後の展開や、いかに。
↓↓次回へつづく↓↓