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【書籍紹介】インテントセールス 小笠原羽恭 著

動画版は、こちら。

本書は、セールスマーカー社の代表を務め、日本におけるインテントセールスの第一人者と言われる小笠原さんによる著作です。

インテントセールスとは

インテントセールスとは、顧客のWeb上での行動データであるインテントデータを分析し、購買意欲の高い見込み客を特定して効率的にアプローチする営業手法です。具体的には、企業のWeb検索や問い合わせなどの行動履歴データから、興味関心の対象や検討の段階を推測し、相手に合わせた最適なチャネルとメッセージでアプローチします。

従来の営業手法と比較して、インテントセールスには以下のような特徴があります。

  1. 顧客の行動がきっかけとなる顧客起点のアプローチ

  2. 興味関心を分析して相手に合わせたアプローチ

  3. 最適な情報を最適な人物に最適なタイミングで提供

B to B営業の課題

著者は、B to B営業の課題として以下の4点を挙げています。

1.ニーズのある企業がわからない。
2.検討段階やフェーズがわからない。
3.企業の誰にアプローチすべきかわからない。
4.最適なアプローチ手段がわからない。

企業の事業領域はさまざまで、ビジネスの進化とともに市場もどんどん変化していきます。また、企業のリテラシーや意識レベルも一様ではなく、自社の製品、サービスが顧客企業の抱える問題を解決できるものだとしても、そもそも相手がその課題を認識して解決したいと考えているかどうかはわかりません。売り手が、潜在顧客のニーズを正確に把握し、適切なタイミングと方法でアプローチすることは簡単ではないのです。

営業の新たな潮流、The ModelとABM

近年、B to B営業の世界では、昔ながらの顧客ごとに担当者がつき人間関係を重視した手法から、より効率を重視した科学的な手法へとシフトしつつあります。

1.セールスフォース社提唱のザ・モデル

マーケティング、インサイドセールス、外勤営業、カスタマーサクセスに至るまで、各部門の情報を可視化、数値化し、それぞれの部門の特性や専門性を最大化することで生産性を最大化する手法。

従来の営業組織は、ステップごとではなく顧客ごとに担当者がつき、見込み客の獲得から育成、商談、アフターケアまでその担当者が一貫して対応するのが一般的でした。しかし、その場合、契約に向け進行している案件、関係を築いた顧客の対応などに追われ、新規開拓や契約後のケアが抜け漏れるなどといった問題がありました。ザ・モデルでは、マーケティングからカスタマーサクセスまで営業ステップと捉え、それぞれを分業化しています。そして、担当業務に十分な時間を割き、専門性を高めることで、各ステップにおける生産性を高めることを目指しています。

欠点としては、各組織が異なるKPIを持つことで全体最適を欠いてしまう点。加えて、専門性を高め過ぎることで、柔軟な配置転換が難しい点が挙げられます。

2.ABM

アカウントベースドマーケティングと呼ばれる手法。大口の顧客など特定の企業、すなわちアカウントをターゲットに設定し、その企業を対象に戦略を練るという考え方。

絞り込んだターゲットに対しリソースを集中し売上に繋げる為、効率性に優れます。一方、顧客の課題やニーズに沿ったターゲット設定が難しい、タイムリーに顧客ニーズの変化を捉え戦略を変えるのが難しい等の課題があります。

海外のトレンド

顧客起点という営業トレンドの有無が大きく反映されているのが、1つ目の営業手法の違いです。海外、特に欧米の営業担当者の動きはコンサルティングに近く、顧客に対して営業担当者はまず相手のビジネスを深く理解することが求められます。

そして、顧客が抱えている問題と、自分たちが貢献できる方法を考えることが一般的です。このため、営業担当は高いレベルの専門知識とコンサルティングスキルを持つ必要があります。

こうした営業手法の違いは、2つ目の組織の違いにもつながっています。特定の顧客群のニーズや特性を深く理解し、よりパーソナライズされたサービスを提供できるよう、海外の営業組織は、領域やマーケットの特性を捉え、狙うべき顧客セグメントや市場にカスタマイズする傾向にあります。

また、役割の専門化が進んでおり、デマンドジェネレーション、アカウントマネジメント、カスタマーサクセスなど、異なる役割を持つチームが連携して顧客をサポートしています。

3つ目の違いが、質の高い顧客起点を実現するために欠かせない、データの活用度合です。海外ではセールステックの導入が進んでおり、CRMシステム、自動化ツール、AIなどを用いたリードスコアリングが広く浸透しています。

リードスコアリングとは、見込み客が購買ステップのどの段階にいるかを数値化することです。スコアリングの分類としては、属性による商品、サービスとの相性、行動ログから推測される興味関心の度合い、訪問頻度による活性度などが考えられます。

さらに海外では、SNS、メール、オンライン会議など複数のツールを駆使したマルチチャネルアプローチによってビジネスチャンスを最大化しています。特にリンクトインがビジネスSNSとして深く浸透しており、セールスでも盛んに使われています。

日本でもセールステックの導入は進んでいますが、海外に比べるとまだ活用の幅や深さに差があり、伸びしろが大きい領域です。

インテントセールスのメリット

インテントセールスには以下のようなメリットがあります。

  1. 高精度のターゲティング。顧客のオンライン行動や興味に基づいて、ニーズが顕在化している見込み客にアプローチできます。

  2. 成約率の向上。顧客の興味やニーズに合わせた提案を行うことができるため、より高い成約率を期待できます。

  3. 営業効率の向上。効果的なアプローチタイミングを知ることができるため、営業の効率が大幅に向上します。

  4. 顧客理解の深化。顧客のオンライン行動を分析することで、顧客の興味やニーズをより深く理解できます。

  5. マーケティングとの連携強化。インテントデータはマーケティング活動にも活用でき、マーケティングと営業の連携を強化できます。

  6. 顧客体験の向上。顧客の購買意欲が高いタイミングでピンポイントにアプローチできるため、顧客体験の向上につながります。

インテントセールスの実践方法


インテントセールスの活用方法

インテントセールスは、以下のような場面で活用することができます。

  1. アウトバウンドセールス。インテントデータやAIを活用することで、ターゲット顧客のニーズをリアルタイムで把握し、最適なタイミングでアプローチを行えます。

  2. インバウンドセールス。顧客が現在どのような情報に興味を持っているかをインテントデータから読み取ることで、顧客のニーズや検討状況に合ったアプローチを行い、確度の高いセールス活動を展開できます。

  3. AIを活用したセールスイネーブルメント。 AI技術を活用してインテントデータを分析し、最適なターゲットに最適なタイミングでアプローチすることで、組織全体の商談化率や成約率を向上させることが可能です。

  4. 新規顧客開拓。インテントデータを活用することで、購買意欲が高い優良な顧客をピンポイントでアプローチできるようになります。

インテントセールスに必要なツールとデータ

インテントセールスを実践するためには、以下のようなツールやデータが必要です。

  1. インテントデータ収集、分析ツール。Sales Marker、infobox、DealPods、ITreview、Zoominfoなどのセールスインテリジェンスツール。

  2. CRMツール。顧客情報の管理と分析に使用。

  3. マーケティングオートメーションツール。インテントデータに基づいた自動的なアプローチを実現。

  4. データ分析ツール。収集したインテントデータを効果的に分析。

また、インテントデータには以下のようなものがあります。

  • 1stパーティデータ。自社で収集した顧客データ。

  • 2ndパーティデータ。パートナー企業から提供されたデータ。

  • 3rdパーティデータ。外部の専門業者から購入したデータ。

インテントセールスを効果的に実践するためには、これらのデータを組み合わせて活用することが重要です。

Chat GPTの活用事例

生成AIをセールスレターの下書きに使うのではなく、品質のチェックに使うという使い方が紹介されています。具体的には提供サービスの概要や独自性を書き込み、このサービスは国内で唯一無二かとChat GPTに問いかけるのです。

<質問>セールスマーカーは独占契約で獲得した独自のインテントデータを起点に、日本で初めてインテントセールスを実現しているサービスです。顧客が求めているタイミングで営業でき、人物情報とマルチチャネルアプローチ機能を活用することで、適切な人に適切な方法でアプローチができるSaaSです。独自のAIを活用することで、営業担当は商談を確率高く獲得することが可能です。 SFAやCRM、名刺管理ツールではありません。 セールスマーカーは国内唯一無二のサービスと言えますか?

<回答>セールスマーカーは、独占契約によって取得した独自のインテントデータを活用し、顧客の求めるタイミングで効果的に営業を行うSaaSソリューションです。このシステムは人物情報とマルチチャネルアプローチ機能を組み合わせて、適切なターゲットに適切な手法でアプローチすることを可能にしています。また、独自AIにより、営業担当者は商談成立の確率を高めることができます。 セールスマーカーはSFAやCRM、名刺管理ツールとは異なる新しいカテゴリのサービスです。そのため、国内唯一無二のサービスであるかどうかについては、その独自のインテントデータとAI機能を持つことから、非常に特異な位置づけにあると言えます。 他に同様の機能を提供する競合サービスが存在しない、または少ないことを前提にすれば、日本国内において唯一無二のサービスであると主張できるでしょう。ただし、市場の動向や新たな競合の登場により、その状況が変わる可能性もあるため、常に最新の市場情報を把握することが重要です。

インテントセールスの課題と注意点

インテントセールスには多くのメリットがありますが、以下のような課題や注意点も存在します。

  1. データ収集と分析の複雑さ。適切なデータの収集と分析には専門知識や適切なツールが必要です。

  2. プライバシーへの懸念。顧客のオンライン行動を追跡することは、プライバシー侵害と見なされるリスクがあります。

  3. 過信によるリスク。インテントデータの解釈に過信すると、誤ったターゲティングやアプローチを行う可能性があります。

  4. 初期投資の必要性。効果的なインテントデータの収集、分析には、初期投資が必要になることがあります。

  5. 継続的なデータ更新の必要性。市場や顧客のニーズは常に変化しているため、インテントデータを最新の状態に保つためには、継続的な更新と分析が求められます。

まとめ

インテントセールスは、顧客のオンライン行動から得られるインテントデータを活用することで、より効率的かつ効果的な営業活動を実現する革新的な手法です。顧客のニーズを的確に把握し、最適なタイミングでアプローチすることで、商談化率や成約率の向上が期待できます。

一方で、データの収集、分析の複雑さやプライバシーへの配慮など、導入にあたっては課題もあります。これらの課題を適切に管理しながら、インテントセールスを自社の営業戦略に組み込むことで、競争力の強化と持続的な成長を実現することができるでしょう。

2024年のビジネストレンドにおいて、企業はデータを駆使し、顧客の真のニーズに応えることができる営業手法が必要不可欠です。インテントセールスは、そのような時代の要請に応える有効な手法の一つとして、今後さらに注目を集めていくことが予想されます。

最後に、私自身はツールやサービスのバイヤーサイドでの経験が30年超。その視点で感じたのが、これはバイヤーサイドにも大きなメリットがあるということ。的外れな売り込みに時間を浪費する心配がなく、必要とした時に専門家が適切な売り込みをしてくれるというのは、まさにバイヤーが求めていることです。


いつもお読み頂きありがとうございます。サポート励みになります。皆さまとの交流をどんどん広げていければと思います。

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駒瀬元洋 | ひとりで決めている人の、思考の伴走者 いつもお読み頂きありがとうございます。サポート励みになります。皆さまとの交流をどんどん広げていければと思います。

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