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EoCの「Moonian」に撃ち抜かれた話

 音楽の話の回でたびたび紹介していた,Empty old City(以下EoC)の1st Fフルアルバム「Blood in the Void」が先日リリースされました。トレーラーはこちら。

 すでにMVがリリースされている4曲も含めた10曲。今まで紹介した曲はどれも入っていないのでぜひ通しで聴いていただきたい。各種サブスクでも視聴可能です。


 それで今回のテーマはこのアルバムのリード曲でもある「Moonian」です。アルバムのリリース後にMVが公開されています。

 今までのEoCでは珍しかった,四つ打ちのダンサブルなEDM的な曲。「Moonian」はおそらくmoon+alienということで,月に移住した地球人の子孫?ヒューマノイド?が頭上の地球を見上げて何を思う?的な世界観です。

 この曲,徹頭徹尾何から何まで私の好きな要素がてんこ盛りになっていて,「え?これ私のために作った?」とうっかり厄介オタクが顔を出してしまうほど。


 かなりエレクトロ色の強いイントロ(この時点でもう好き)が終わると四つ打ちのバスドラムとともに

千切れた鎖が私の影を追っている
行く宛失って永い自由持て余している 同じだね

の歌いだし。この時点ではまだ世界観をつかみきれないのはいつものEoC。「行く宛失って」で弾ませた後の「同じだね」の力の抜き方がちょっと色っぽい。

弾んで弾んで ムーンダストの礫
踊って踊って 敢えてのシンセウェーブで
廻って廻って 常しえの牢獄で空想に酔っぱらうの

 リズムをとりながら徐々にボルテージを上げるBメロ。「空想に酔っぱらう」あたりはなぜかEoCっぽさを強く感じる。たぶんまだつかみきてれない「EoCらしさ」があるんだと思う。それにやっぱり全編通していい声なんだよぁ。透明感・幼さ・色っぽさが入れ替わりながら奇妙なバランスで同居している感じ。魔性。

月面上のフォーミュラ
6倍の高さまで打ち上がる
信号は今日も意味がないから
一瞬で咲いて散るステラステラ
月面開発計画
われわれのあこがれと夢を抱いて
誰の夢?

 一行ごとにボルテージと音が上がっていくサビ。ここでこの曲がEDMというか,ダンスチューンだってことを確信できた。「信号は今日も~」からで入る裏声がいい。「ステラステラ」も発音がちょっと独特というか直前とちょっと変わっている感じがしてフックになっている気も。「我々の~」からは打ち上がったボルテージを着地させる感じ。

 月は重力が地球の6分の1だから6倍の高さに打ち上がる一方で,そのホームであろう地球のことは明瞭に覚えていないような感じ。あと咲くのは良いとして,いったい何が散っているんだろう?

月面上から見えてる
惑星の名を忘れてしまったの
幻想的でノスタルジックで
感傷に溺れるのはなぜ?なぜ?
私を名付けた誰かの
あの顔だけはなぜか忘れないの 忘れないの

 サビのおかわり。ここも「幻想的でノスタルジックで」のところが特に好き。MVと併せて観ると月面上に取り残されたヒューマノイド的なものからの視点なんだろうか。

There's an unknown sign
Or aimless someone's sign
何年経っても朽ちないこの身体と心

 さらに追いサビのとどめまである。すっと英語の歌詞が要所で入ってくるあたりはEoCという感じ。「何年経っても」の裏声から降りてくる感じがドツボ。これを聴くために頭から聴くことだってある。やっぱり魔性。

And there's an ancient plan
Or just a forgotten legacy
私が賭した膨大な 自由はなんにも遺していない

 ここまでが(便宜上の)1番といったところ。一気に駆け上がった感じがすごい。

二千年くらいは遡って
完成前の城に招いて
そろそろ恋しくなったねって
あの星に帰っていたなら

 間奏を挟んでラスサビ前のCメロ?のようなところ。JPOPの構成だとこういうラスサビに初めてのメロディーが突っ込まれることがありますが,これ大好物なんですよね。このパートは水切りみたいに軽ろやかに弾んでいくところが好み。

サテライトは振り向いてくれないの
手放したものには興味ないの
化石なれずに私は今日も
光を飛ばしてる

 「サテライトは~」の焦燥感がいい。徐々に速度が上がってラスサビへのスパートといったところ。

飾って 飾って 浮かぶ水滴のベールで
微睡んで 微睡んで ビートなしのバラードで
巡って 巡って 常しえの牢獄で再会を乞い願うの

 再びのBメロ。「常しえの牢獄」を1回目と重ねているあたりが意味深。あとはほかの曲でも「乞い願う」という表現も出てくるので,印象に残ったところ。

月面上のフォーミュラ
6倍の高さまで打ち上がる
信号は今日も意味がないから
一瞬で咲いて散るステラステラ
月面開発計画
本当の結末は誰も知らない
誰も知らない
月面上から見えてる
惑星の名を忘れてしまったの
幻想的でノスタルジックで
感傷に溺れるのはなぜ?なぜ?
私を名付けた誰かの
あの顔だけはなぜか忘れないの 忘れないの

 ラスサビは(多分)1回目と伴奏やメロディーも変わっておらず,歌詞が1行変わっているだけ。この辺でぐっと盛り上げに行かずに,淡々と同じメロディーを繰り返すところがEDMっぽさを感じる。しかし何回おかわりしてもこのサビはいい。

There's an unknown sign
Or aimless someone's sign
何年経っても朽ちないこの身体と心
And there's an ancient plan
Or just a forgotten legacy
奴隷をやっていたせいか 自由の行使がうまくできない

 追いサビもラスト1行が違うだけでスッ……と終わる。EoCはMoonianに限らず世界観がしっかりしているので考察がはかどりそうですが,私は考察に向いていないので雰囲気だけで楽しむようにしています。


 いきなり最初から最後までざっと語り通してしまいましたが,とにかくこの曲が刺さったということです。総じて声がいい。EoCのkahokaさんには最近”歌姫”を感じているのでもうちょっとしたら言語化したい。


 ということで,EoCの「Moonian」に撃ち抜かれた話でした。とにかく書いて伝えたいが先行して粗いですがなにとぞ。EoCはどの曲もいいのでハマったらアルバムもぜひ。

 それではまた。





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