“レイオフ・解雇”のリアルと、日本企業に迫る現実
あるレイオフに関する記事の概要
2025年4月9日付のFTに…
「The dangers of performance-based lay-offs」は、MetaやMicrosoftなどが「成果が低い」という理由で社員を公然と切る現実を報じました。
グローバル企業において何度もレイオフに関わってきましたが、こうした動きは決して稀ではありません。
むしろ、今の時代においては“日常化”しているといっても過言ではないでしょう。
最後に私なりの解決策を載せています。
(他に読まれているnote)
Metaの事例:全社員の約5%、約3,600人を「低パフォーマー」と名指しして解雇。従来のリストラと異なり、個人の業績を公に批判するスタイルへとシフト。
社員側の反発:解雇された社員がLinkedInで「不当だ」「評価が誤っている」と反論。過去の高評価を証拠として提示するケースも見られた。
Microsoftの手法:直近の報酬が「期待以下」とされた社員を対象に削減を実施。マネージャーが「切りやすくなる」制度変更も進められていた。
広がる影響:専門家は、こうした施策が「適者生存」の空気を強め、イノベーションを損なうと指摘。残った社員もリスクを避け、安全策に走る傾向が出てきている。
法的な問題:米国では「随意雇用」が原則のため、育休や産休後に復職した社員が突然解雇されるケースも。労働者の保護は極めて限定的。
マッキンゼー、過去最大規模の人員削減
2025年春、世界有数のコンサルティングファームであるマッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Co)は、10%以上のヘッドカウントを削減します。
"McKinsey’s headcount is down more than 10% in the past 18 months. That’s the biggest loss in the consulting firm’s history."
経営者として:なぜ「解雇」する?
経営陣にとってパフォーマンスを理由にした解雇は、組織の競争力を保つための手段の一つです。私が過去に各国の経営幹部と議論してきた限り、こうした決断には、裏に論理と戦略があります。
解雇の理屈 (マネジメント側)
生産性の最大化:成果の出ない社員を減らせば、チーム全体の効率は上がる。AI導入後、ホワイトカラーの職種では、俊敏な動きが求められ、「スピードがすべて」という風潮に。スピードの定義が加速度的に上がっている。
高パフォーマー重視の戦略:全体の底上げよりも、少数精鋭を維持する方が中長期的に強い組織になる。成果報酬の公正性を担保するためにも、一定基準に満たない人材は切るという割り切りがある。
人件費の最適化:成果に見合わない報酬は、Upper Managementにも説明がつかない。単なるリストラより、「評価に基づく調整」とした方が納得を得やすい。
組織文化の引き締め:Metaのように「基準を引き上げる」と明言することで、内部に危機感と緊張感を浸透させられる。「ハードコア文化」を志向する経営スタイルとも。
マネージャーの裁量強化:Microsoftでは、現場の管理職が成果を理由に部下を切りやすい仕組みが導入された。製薬では、「数字の出ないMRを整理したい」と考えるマネジメントから、営業部長や所長へ裁量権を譲渡していることがある。
選別のメッセージ:単なる人数調整ではなく、「誰を残すか」を明示することで、残された社員に「選ばれた」という自負を与える意図もある。
実際、私があるアジア圏で関与した企業の中には、「静かに切る」よりも「見せて引き締める」方を選んだ例も多々ありました。改革の“本気度”を内外に示す手段として”演出”が行われています。これは、レイオフだけではなく、パワハラやセクハラも同様です。

従業員として:恐怖と不信
一方で、従業員や現場に深い不安と不信をもたらすことは、避けて通れません。私が接してきたMRや営業管理者たちも同様の不安を口にしていました。(日本語で書いていますが、海外の例を含む)
不安の数々 (従業員側)
評価の恣意性:「ずっと高評価だったのに突然“低パフォーマー”扱いされた」という声は珍しくない。産休明けの社員が「休んだから切られた」と感じるようなケースもある。
キャリアへの傷:「低パフォーマーとして解雇された」というレッテルは、転職市場でマイナスに働く。ラインマネージャーとの面接ではなく、人事部門が面接官として入っている面接では聞かれることがある。
リスク回避の空気:「次は自分かもしれない」という意識が広がると、社員はリスクを取らず“安全第一”の仕事に走る。コマーシャル部門でも「無難な企画しか通らなくなった」と感じる声がある。
多様性への逆風:休職や病気からの復職者が不利になる構造が生まれる。「休職=成果なし」という単純なロジックでは、多様な働き方が維持できない。
戦う手段のなさ:米国のような随意雇用制度下では、争う術が限られる。日本でもPIP(成績改善プラン)を経て退職に追い込まれるケースは多い。
意見を封じる“見せしめ”の空気:「上司の改革に異を唱えたら外された」という話が出れば、誰も本音を言えなくなる。
ただし、強調しておきたいのは、改革はうまく進めば成果は上がるということです。組織の痛みを伴う変更がその後の企業の競争力に転化したか、不信や離職を招き、狙った成果を得たかどうかは、その後のマネジメント次第であることは間違いなく、失敗例も少なくはないでしょう。

日本企業に広がる兆しと、その先にあるもの
早期退職で整理する
断言できます。日本企業も、もはやこの流れと無縁ではありません。
終身雇用から成果主義へと軸足を移す中で「いらない人を早期退職で整理する」動きが拡大しています。
たとえば、ある企業が「優秀な人材だけを残す」として希望退職を募ったところ、むしろ上位の営業マンが応募し、業績が急落する。意図しなかった“逆選別”の結果に、現場が混乱する。担当交代が永久に起こり続けている
パナソニックの最近の実例 2025年4月
最新のニュースでいえば、パナソニックHDの楠見社長は、事業会社の分割と人員構造改革に踏み切りました。彼は「余剰人員がいると夢中で働かなくても仕事が回ってしまう」と語り、黒字の今こそ構造改革をすべきだと明言しました。「5%の利益が出ていれば安泰」という社内の空気にメスを入れ、「8~10%の収益力」を新たな基準に据える狙いであるとのこと。
日本でも「法律で守られている」という感覚は幻想に近く、業績改善計画(Performance Improvement Plan)や希望退職などを通じて静かに人員整理が進んでいます。
私が関与した各国でも、レイオフの“実行しやすさ”は国によって全く違うという印象です。米国やシンガポール、インド、オーストラリアなどでは、労働法の柔軟性を背景に経営陣が比較的迷いなく調整に入ります。

製薬業界のリアル:現実とプレッシャー
製薬業界ではどうでしょうか。次のようなことが実際に起こっていました。
MR(医薬情報担当者):四半期の数字が目標未達だと「低パフォーマー」扱い。PIPに入れられ、数カ月で退職に追い込まれる例も。
MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン):医師との対話がKPI化し、評価される。量で評価されることにより、専門性が軽視されていると感じるなどは、各社よく聞きます。
コマーシャル部門全般:予算未達が続き、部長クラスの更迭はよくある。裏に人間関係があることも。
営業部長・営業所長:部下、責任範囲の数字が振るわなければ、責任が問われる。希望退職で優秀人材が抜けた後、立て直せずに業績が悪化する例も多い。プレイヤーとして自分で営業現場を回る、という悩みも。
AIやデジタル化が進むなか、製薬企業の「成果を可視化する圧力」は日に日に強まっています。安定を求めて入ったはずの製薬業界が、今や「成果主義の競争場」へと姿を変えつつあると語る方が増えてきています。
異動をほのめかすということがきっかけになるケースが日本ではとても多いです。次の面談が、あなたにとっての分岐点になるかもしれません。

個人としてどうするべきか?
もし異動をほのめかされたら?しかも突然、背景もわからないままだったら。このような話を立場上、よく耳にしてきました。
私自身の経験談を含め、もし私の仲間たちから相談を受けたときには、
実際どのようなアドバイスをしているのか、シェアすることにしました。
一言でいうと、”「従うしかない」と考えるな。「どう有利に進めるか」”
個人的に公にしたくない情報を多く含みますので有料としています。
表現もダイレクト、センシティブですので、気分を害すると思われる方は絶対に読まないでください。
Meta
NASDAQ: META
マイクロソフト
NASDAQ: MSFT
パナソニックホールディングス
TYO: 6752
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