M.R.LABO業務紹介:ライティング・ワーク[6]特別編
M.R.LABOのライティング業務について、当初は3回くらいでご紹介しようと考えていたのですが、実際に書き始めてみると意外に業務の幅が広く、5回プラスこの回ということになりました。
今回は、流行りの生成AIについてと、最近の文章の風潮について述べたいと思います。
生成AIの文章とライターの文章
文章を書くにあたって、生成AIによる情報を参考にすること自体、私は否定するものではありません。私もたまにChatGPTなどを使って調べ物をしたりしますが、文章表現力もそれなりに優れており、ある程度「質の高い情報」を得られる手段のひとつだと受け止めています。
ただ、AIで生成された文章(情報)を「材料」にして、情報記事を書くということは私はしません。なぜなら、そこには書き手の「マインド」が存在しないからです。
私は数年前から、食材に関する情報記事を月2本ずつ書かせていただいていますが、その記事作成にあたって、生成AIを使うことはありません。もちろん、検索エンジンなどを使って関連する記事や情報を探し、色々と参考にさせてもらってはいますが。
おそらく生成AIを使えば、目的とする記事はすぐに出来あがり、そのまま公開しても、一定のレベルの記事として読んでいただけるものにはなると思います。ただ、先ほども述べたように、書き手のマインドがそこにはなく、誰が発信しても「同じような記事」になるだけということだからです。
私は、記事を書くためにはなるべく多角的に情報を集めるようにしています。その際に触れることのできた食材に関するさまざまな記事は、ひとつひとつに書き手のマインドがあり、記事を作成する上で気づかされることもたくさんあります。栄養士の先生ならでは視点、料理を楽しむ人ならではの視点などなど、色々な角度から書かれたそれらの記事を参考にして、「読者ならこういったことに興味を惹かれるかもしれない」「これは絶対に押さえておくべき」といったポイントをチョイスし、記事にすることが、私ならではの仕事への向き合い方であり、マインドであるからです。
句読点は文章のリズムを作るのに必要
最近耳にしたニュースで、若い人たちの間ではメールを打つ時に句読点を打たない傾向にあることを知りました。なんでも、句読点を打つと「冷たい感じがする」という感覚を持つ人がいるそうなのですが…私から見れば、句読点を使っていない文章は、フラットで感情が伝わってこない、それこそ「温度の感じられない」文章だと感じてしまいます。
…などと、こういう文章を作っていても、「この位置の”点”は適正だろうか?」「もう少し引っ張った方が、気持ちが伝わるのではないか?」などといつも考えながら作業しています。
どこかの著名作家が言っていたと記憶していますが、「文章の短い人は呼吸も浅い人だ」と聞いたことがあります。確かに句点を多用すれば、水泳でしょっちゅう息継ぎをしているようで、場合によっては鬱陶しく感じるものです。ですが、例えば「あそうか」ではなく「あ、そうか」にすると、ハッと気づいた感じが表現されているように感じられると思います。
句読点を使うことで、文章にリズムが生まれ、それが書き手ならではの世界へといざなう”道しるべ”になっているように思うのは、少し言いすぎでしょうか?
ちなみに、ChatGPTの文章ですが、かなり適切に句読点が使われており、基本的にとても読みやすい文章になっています。誤字・脱字もありません。しかも、そういったレベルの高い文章が瞬時に生成されてくるわけですから、ライティングを生業のひとつにしている身としては、感心せざるを得ません。
生成AIでライターは必要なくなる?
「生成AIが普通に使われることで、ライターという職業は必要なくなるのではないか」と心配される向きもあるかと思いますが、私はさほど「危機感」を感じていません。なぜなら、「こう書いたらもっと面白くなるのでは?」「もっと読者のためになるのでは?」と思いながら書いている限り、文章にはその書き手ならではマインドがこもっているはずで、それは絶対、生成AIに出来ないことだからです。
少し話は変わりますが、最近、ネット広告で合成音声のナレーションをよく耳にします。ここにもAIが使われているようで、テキストデータを「AI音声」に変換するサービスも色々あるようです。そういえば、NHKも「AIアナウンサー」が時折ニュースを読んだりしていますが、最近はかなり人の話すイントネーションに近づいており、あまり抵抗も感じなくなっています。
ただ、それなりの企業が出している動画広告において、AI音声を使っている例をたまに見かけますが、これはどうかと思います。というのも、どう見ても「手抜き感」は否めず、見る人が見れば「その程度の商品なのね…」と感じることになるからです。
書き手がマインドを大切にするように、企業はブランドを大切にしなければなりません。「商品を理解してもらう」という広告目的のなかには、「商品の魅力を伝える」というミッションもあります。そのためには、AIの感情のない音声ではなく、プロのナレーターによる気持ちの入った音声が絶対的に必要だからです。
そういう意味では、ライターもナレーターも同じだと思います。両方ともマインドで勝負しているのですから。
