強き家は足元から。基礎と地盤の深い関係と、僕が基礎を50mm高くしたポンコツな理由【家づくり基礎の基礎知識】(シーズン1)
こんにちは、はぐれゴリラです。
前回の「雨仕舞い」の記事、たくさんの方に読んでいただき本当にありがとうございました!
今回からは家の「足元」へと視点を移していきたいと思います。
屋根や外壁でいくら雨風を防いでも、それを支える足元がグラグラでは意味がありません。
そう、今回からのテーマは「住宅基礎」です。
僕はただのしがない歯科医師であって、建築実務者ではありません。
でも、「ここまで考えて家を作るやつはそういないだろ」と自分でも呆れるくらい、基礎について調べ尽くしました。
今回から全4回(予定)に分けて、基礎の奥深い世界へと皆さんをご案内します。
■ そもそも基礎って何?「ベタ」か「布」かは地盤が決める!
住宅の基礎と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
木造住宅でよく耳にするのは「ベタ基礎」と「布基礎」の2つだと思います。
最近の木造住宅はベタ基礎が主流なので、「とりあえずベタ基礎最強!」と思っている方も多いかもしれません。
でも、実はこれ、どちらが優れているという単純な話ではないんです。
基礎の選び方は「地盤の強さ(地耐力)」と「上物の設計」とのセットで決まります。
布基礎
建物の壁の下など、荷重がかかる部分(線)に逆T字型のコンクリートを打ち込んで支える方式。地盤が硬くて強い場合に向いています。(点とか線の荷重で沈まない)
ベタ基礎
建物の底面全体に鉄筋コンクリートの板を作り、面で建物を支える方式。荷重が分散されるため、地盤が少し弱めな場合でも対応しやすいのが特徴です。
つまり、「どんなに立派な基礎を作っても、地盤がダメなら家は傾く」ということです。
基礎と地盤は、切っても切れない運命なんです。

【補足】鉄骨造の「布基礎」は似て非なる物である
ちなみに、大手ハウスメーカーの鉄骨造なんかだと「布基礎」が標準だったりします。
「え、鉄骨の重い家なのに布基礎で大丈夫なの?」と思うかもしれませんが、ご安心を。
木造の布基礎と鉄骨造の布基礎は、分類上は同じ「布基礎」になるだけで、中身は『全くの別物』です。
鉄骨造は木造と比べて柱の数が少なく、その上自重がヘビーなので柱の根元にすさまじい重さが一点集中します(点荷重)。
そのため、柱の真下に巨大なコンクリートの塊を作り、それを極太の「地中梁」でガッチリ繋ぎ合わせているんです。
いわば、木造の布基礎が「一般人の筋肉」だとしたら、鉄骨造の布基礎は「ゴリラの筋肉」くらいゴツい。
逆にベタ基礎で作る場合、底の部分(耐圧版)を相当な厚さにしないと板チョコのように折れてしまうので効率が悪いのです。
鉄骨の規格外のパワーを受け止めるには、これくらい強靭な布基礎にするしかなかった、という裏があります。
■ 我が家の基礎仕様
さて、話を木造のベタ基礎に戻します。
僕の家もベタ基礎を採用しているのですが、少し工夫したオーダーをしています。
それはシロアリ対策のためです。
地面から上がってくる湿気や、見えない大敵・シロアリを徹底的にブロックするため、「防蟻材入りの防湿シート」を敷き詰める。
そして継ぎ目をなくすために「一体打ち」という工法を採用するという徹底っぷりです。
(このマニアックなシロアリ・湿気対策については、またの回で!)
■ 【体験談】水災保険のために基礎を50mm上げた男の末路
基礎と地盤の真面目な話をしたところで、ここからは僕のちょっと笑える(?)エピソードです。
我が家は、基礎の底盤と立ち上がり部分を一度にコンクリートで打つ「一体打ち」という、非常に手間で強度の高い、そして止水性に優れた施工方法を採用しています。
さらに、僕はここで「あること」を思いつきました。
「基礎の高さを、標準より50ミリ(5センチ)高くしよう!」
なぜでしょうか?
それは「水災保険」の認定を有利にするためです。
実は一般的な水災保険って、「地盤面から45センチ以上の浸水」または「床上浸水」のどちらかの条件を満たさないと、保険金が1円も降りないことが多いんです。
現代の住宅の多くの基礎の高さは「400ミリ(40センチ)」が標準です。
つまり、大雨で42センチまで水が来て床下浸水で大惨事になっても、保険の基準である45センチに届いていないため補償されないという「魔のデッドゾーン」が存在します。
そこで僕は考えました。
「基礎高を50ミリ上げて450ミリにすれば、ギリギリまで床下浸水を防げるし、万が一浸水しても確実に45センチの保険基準をクリアできる!」
我ながら「理にかなったリスクヘッジやん」と思っていました…
しかし、家づくりが終盤に差し掛かり、火災保険の契約手続きをしていた時のこと。
いろいろとシミュレーションを重ねた結果、見積もりを見て僕が下した決断は……
「……うん、やっぱり水災保険、つけるのやめよう」
あんなにこだわって、わざわざ50ミリも基礎を高くしたのに、結局水災保険には加入しませんでした(笑)。
だって10万くらい違うんだもん…
30年以上この周辺のこと知ってますが、危なかったことすらないんだもの…ゴリラだもの…
実は基礎高を上げること自体は、床下点検がしやすくなったりシロアリが物理的に上がりにくくなったりするメリットがあるため、もともと採用する予定でした。
なので保険の話は副次的な目的だったのでまぁ良しと思っています!
■ 次回予告:コンクリートの深淵へ
いかがでしたか?基礎と地盤の関係、そして僕の無駄な努力(?)を楽しんでいただけたなら幸いです。
次回、シーズン2では「コンクリートのマニアックな世界」へ足を踏み入れます。
基礎の寿命を左右する「かぶり厚」や、季節によって変わる「呼び強度」など、施主として知っておくべきコンクリート基礎のお話です。
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