「6-7(シックス・セブン)」って何なの!?北米の全親&先生、児童心理学者までもが頭を抱える最新若者スラングと「Brainrot」問題
マレーシア→カナダに教育移住7年目のYurikoです。
今日は久々、Yurikoの大好きな最新ティーンスラングネタですよ。
ティーンのスラングはもっともっと書きたいのですが忙しくバタバタしているうちに流行が廃れるという怒涛のスピード感。
(しかし、中には、流行→普通の言い回しとして定着したものも多々)
今日は、「これ、確実に衰退するでしょ」とYurikoが予測する、絶対短命・最新スラングをご紹介しますYO!
しかしこれが今、学校で先生方を巻き込んでの一大ムーブメントになっていて、北米スクールライフをかき乱ししまくっているのですよ。
その言葉こそ、「6-7(シックス・セブン)」。
どう使うの!? 北米の小中学校で叫ばれている謎の数字「6-7(シックス・セブン)」
さて。
北米の教室を騒がせている「6-7(シックス・セブン)」なる謎のスラング。
まずは使い方をご説明します。
使い方:
授業中などに「67」もしくは「6」か「7」の数字が出てくると、誰か(というかみんな)がうれしそうに「シックス・セーブン」と言う。
手の動きがつくことも。
手の動きは、
1.お手玉をするようなジャグリングのような動き
もしくは、
2.指で6と7のかたちを作る
の2種類あり。(画像解説は後述)
もしくは、誰かが「6(シックス)」と言うと、周りの子たちが「7(セーブン)」と叫び返す。
というものです。
その意味は?
その意味なんですが……ないんです。
完全に「無意味」なのです。
にもかかわらず、あまりに流行しすぎてしばしば授業が中断されるほど。
その影響は?
これが学校で大流行りしていて授業に差し障るので、先生方は
「言ったら67語のエッセイを書かせる!5回言ったら670語!」という罰則を持ち出す、なるべく「6」と「7」の数字を言わないようにする、など苦心されています。
「20年間教えてきたけれど、こんなにイライラさせられたスラングは初めてです!」とネットニュースに語るのは、アメリカ・ミシガン州の6年生担当の言語教師のアドリア・ラプランダーさん。
曰く、「スラング自体は生徒との距離を縮めることもあるが、授業を妨げるレベルになっては許されない」とのお考えとのこと。そして、あまりにうんざりして、TikTokに自分流の「罰」を紹介する動画を投稿した、とのこと。
(結局、生徒ウケを狙っているんではw)
「授業中に数を数えちゃダメです。出席を取っていて、『1、2、3、4、5、6、7』って言った瞬間に全員が『シックス・セーブン!』って叫ぶんです」とネットニュースに語ったのは、教師のリーヴァイ・ホークさん。
数学教師のミス・ジェミニさんは、「『67』と言ったら、良い行いでもらえるデジタルポイントを67点減点する」と生徒に警告した、とのことです。
このように本気でイラついている先生がいる一方、中にはこの流行語を逆手にとって「生徒との距離を縮める」ために嬉々として活用している先生も。Yurikoの娘の数学担当教師などはまさにそのタイプです。
生徒の注意を引くために「6!」と叫ぶと生徒たちが「7!」と返す、という「コール&レスポンス」方式を取り入れたり、敢えて配布するプリントの数を数えて、6枚目のところで子どもたちが「シックス・セーブン」と叫ぶのをワクワクしながら待っている様子を楽しむなど。
あるときは、娘が数学の宿題(ある数式を使った問題文を考える)でわざと答えが67になるようにして提出したところ、授業中に使ってクラスで大ウケしたり。
この先生、保護者説明会でも「シックス・セーブン」を使って、ほとんどの親をポカンとさせてましたw(知らない親の方が多い)
その起源は?
この言葉が生まれたきっかけは、2024年のラッパー Skrilla(スクリラ) の楽曲「Doot Doot (6-7)」。
NBA選手ラメロ・ボール(身長6フィート7インチ:約2m)をモチーフにしたこの曲が、TikTokのミーム化をきっかけに爆発的に広まったものです。
その直接的きっかけとなったのが、突如現れた「The 6-7 Kid(6-7少年)」。
彼が動画の中で「6-7!」と叫び、隣の友人が手をクルクル回す。ただそれだけの映像が、なぜか北米中の子どもたちの笑いのツボを直撃したのです。
そのきっかけとなった元動画がコレ(たしかに楽しそうw めっちゃ北米ティーンのノリ)↓
指でする動作はコレ(サムネに出ているやつね)↓
オンライン辞書も困惑!
あまりにも流行しているため、ネイティブも愛用する有名オンライン辞書らもこの言葉をさっそく掲載。
Dictionary.com は「正確な意味は誰にもわからない」と認め、Merriam-Webster は「A nonsensical expression used especially by teens and tweens.」(主にティーンやプレティーンが使う、意味のない表現)と定義しています。
意味がない。
だが、そこに求められているのは「つながり」。
大人をからかうための言葉でもあり、仲間内で「共通のジョーク」「流行に乗っているよ!という表現」として成立している、という役割を持つんですね。
こういうの、多すぎ! 北米の「Brainrot」文化
こうした現象は、北米では「Brainrot(ブレインロット)=脳腐れ現象」と呼ばれています。
思考の停止、無意味な情報の連鎖、そして「くだらなさの共有」を楽しむ文化ですね。
ここ数年でも、「Sigma」「Ohio」「Skibidi」「バレリーナカプチーノ」などが流行しました。
(バレリーナカプチーノは、私が取り上げる前に速攻で消えました)
「Sigma」「Ohio」、まだギリギリ「Skibidi」までは多少の意味の形跡ぐらくは残っていたのですが、「バレリーナカプチーノ」以降は完全に意味が消え、「ただ言うだけ」「しかし言うと100%ウケる」という謎の使用法となっています。
(だから、渦中にいる子どもたちしか使い方がわからないんです)
「流行っていること」そのものに価値がある。
「意味がない」ということ自体が、逆に意味を持つ。
それが、Z世代やα世代の「共通語」になっているのですね。
哲学的考察:ミーム文化とは
哲学者ニーチェは「神は死んだ」と言いました。
神よりも科学技術を信じる人が上回り、宗教の持つ意味が薄れた時代になり、後の時代を生きたカミュはこうも語りました。
「この世界は不条理だ。人生に意味などない」と。
しかしカミュは同時に、「意味のない世界に意味を創り出すこと」こそ人間の尊厳だと説きました。
いまの若者たちは、まさにそれをやっているのではないでしょうか。
「6-7(シックス・セーブン)」という無意味な言葉を通じて、自分たちをとりまくこの不公平で不条理な世界に、笑いと意味を見つけているのです。
Yuriko的まとめ
なんちて。
大学で学んでいる哲学風味でまとめてみましたが、
要するに、北米のスクールでは意味のないことがバズり、それが子どもたちの日常に大きな意味を持っている、ということ。
こうした流行の発信源はほとんどがTikTokで、チェックしていないとちょっとバカにされてしまったりノリが悪いとして仲間に入れなかったりするので、SNSは本当に管理が大変ですね。
でもね。
もしかしたら本当に、この「6-7(シックス・セーブン)」は、混沌とした時代を生きる子どもたちの、無意識の「哲学的叫び」なのかもしれませんよ。
流行語や英語表現についてはこちらにまとめています。
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