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「4」が怖いのではない。怖いのは、そこに理由を預けること

「4」という数字に、なぜ人はこれほど敏感なのか。タイタニック、セウォル号——悲劇の日付に「4」を見出したとき、私たちは何かを見落としていないか。


「4」が消される場所

「4」のつく部屋を避ける人は、いまも少なくない。

中国では建物のエレベーターから「14階」そのものを消すこともある。「4」は「死」に近く、「14」は「要死(死にたい)」と読めてしまうからだ。

読売ジャイアンツが「4」と「14」を欠番とするのは別の事情だろう。だが、日本でも「4」や「14」が忌まれる習慣は日本でも日常生活に広がっている。

数字はただの記号のはずなのに、いつの間にか運命の気配をまとい、人の判断に影を落とす。

「4」が重なる日

だから「4」が2つ並ぶ日は、どこか胸がざわつく。

タイタニック号は1912年4月14日深夜に氷山に衝突し、翌15日に沈んだ。セウォル号は2014年4月16日、多くの高校生を乗せたまま転覆した。

「4」という数字に不吉な連なりを見たくなる気持ちも、わからなくはない。

名前に数字を背負う人たち

ここで読売ジャイアンツの選手のことが頭をよぎる。昭和の時代、投手として活躍した関本四十四氏だ。父が44歳のときに生まれたことから、その名が付けられたという。

そういえば山本五十六もまた、父の年齢にちなんでいたというから、こうした命名方法は珍しくなかったのかも知れない。

「関本四十四」の名で記載されたWikipediaの説明では、その関本氏が大洋(現横浜Dena)に移籍した際は、登録名を変えていたという。本人の真意は定かでない。されど、ここに何かの力学が働いていたかも知れないという憶測ももたげてくる。

数字の意味は、文化によって変わる

さて、「4」と対照的に、東洋で縁起の良い顔を持つのが「8」である。中国では「8」が財を呼ぶ「発財」を連想させる。2008年の北京夏季オリンピック開会式は、「8」が並ぶ8月8日の20時8分に幕を開けた。「6」もまた、順調・円満を意味する吉数とされる。

一方、ミャンマーでは「88」や「8888」がまったく異なる文脈で刻まれている。1988年8月8日に始まった民主化運動——「8888蜂起」——は、軍事政権に抵抗した学生・市民の象徴として、いまも人々の記憶に生きる。

同じ「88」が、西欧ではアルファベットの8番目の文字に重ねて極端な思想の記号と受け取られることもある。「66」も宗教的な文脈では忌避される数字だ。

数字は絶対的な意味を持つのではなく、文化の中で揺れ動く。

船を沈めたのは、数字ではない

タイタニック号には衝突前に複数の氷山警告が届いていた。セウォル号では違法改造と過積載が重なり、乗客に船内待機を促すなど避難を妨げる行為も確認された。

悲劇を大きくしたのは、縁起の悪い日付ではない。警告の軽視、無理な運航、遅れた避難——そして「まだ大丈夫だろう」と思わせた構造的な問題である。

数字に原因を預けると、その連鎖は見えにくくなる。

アポフェニアという罠

「14」という数字が悪いかといえば、そうとは限らない。「よい年」と読み替えれば、意味はいくらでも書き換えられる。

人は悲しみを整理するために数字へ意味を与える。それ自体は自然な心の働きだ。だが、その意味づけが「説明」にすり替わると、論理から逸脱するリスクが生まれる。

無関係な点と点の間に線を引いてしまうことを、心理学ではアポフェニアと呼ぶ。

数字への意味付けは、ときに責任の所在をぼかす罠になる。悲劇の構造を正面から見据えるために、私たちはその罠を自覚しておく必要がある。

参考情報

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