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ウクライナ侵攻から3年

2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻から3年が経ちます。

こちらは、3年前、侵攻開始の前日に掲載した記事です。

この中で、
① NATOの軍事介入はない
② ロシアといえども、ウクライナ全土の併合はハードルが高い
③ ロシアは親露派地域の独立を追求
④ NATOとのボーダーは現状維持
などの見通しを示しました。

そしてこちらは、2年前に掲載した記事ですが、

この中で、
① 国連安保理は、核大国で拒否権を持つロシアに無力
② 引き続き、NATOは軍事介入しない
③ ロシアは負け方を知らない
④ この戦争の終結はプーチン次第
などの見通しを述べた上で、次の一覧表を示し、

2年前の状況分析
(Created by ISSA)

「欧米は、第3次世界大戦や核戦争への懸念から、ウクライナが大敗しない程度に支援しつつ、プーチンが交渉のテーブルに着くのを待つ。そして、現状のまま停戦し、問題を先送りすることを支持する」と結論づけました。

このことは、長年、国際情勢を見つめ、ウォーゲームを冷徹に分析してきた人の目には、開戦直後から何となく分かっていたことですが、

トランプ2.0が本格始動してから、そのモーメントが一気に加速しているように見受けられます。

ただ、当初の見通しにおいて予想外だったのは、フィンランドがNATOに加盟したことや、

ロシアが、グローバルサウスとの関係を強化して、西側諸国による経済制裁を巧みにかわしながら、

軍事面では、ワグネルや北朝鮮を利用して継戦能力を維持したことでしょうか。

トランプ発言の真意
先日のトランプ会見では、幾つもの問題発言が含まれていました。

多くの国や人々から反発の声が挙がり、私自身、自由と平和を愛する者として「何てことを言うんだ」と思う気持ちもよく分かります。

他方で、ウクライナの心情に気を遣ってなかなか言えなかったことを、ズバリ指摘した部分もありました。

それは、ゼレンスキー大統領が3年間、欧米に支援を求めるばかりで、停戦に向けた打開策を見いだせなかったという点です。

23日、辞任に言及したゼレンスキー大統領
sankei.com

ゼレンスキー大統領は、これまで国を守る為に必死で陣頭に立ち続け、本当に良く頑張ってきましたが、

他方で、トランプ大統領が指摘するように、「何のカード(見返り)も持たないまま(いわば、代理戦争を担っているという立場だけで)援助を求め続けた」ことは、確かに国のリーダーとしては、やや強かさに欠いていたと言えます。

つまり、(大変、厳しい言い方になりますが、)このトランプ発言の真意は、

「そろそろ敗北を認め、
 身を引いてはどうか」
 という引導を渡すことだった

のではないでしょうか。

会見に臨むトランプ大統領
(nikkei.com)

私たちが学ぶべきこと
① 未だ大国の論理がまかり通る世界
この戦争は、当事者であるロシアとウクライナ、そしてNATOの親玉である米国の3者でなければ、解決することはできません。

停戦交渉の論点と各国の思惑をまとめると、下表のとおりです。

停戦交渉の論点と、各国の思惑
(Created by ISSA)

(注) 米国は、対価として世界第2位の埋蔵量を持つといわれるウクライナでのレアアース権益の確保を求めている

ウクライナのNATO加盟を阻止することがロシアの戦争目的である以上、停戦交渉はこれを基軸にしないといけない。

トランプ政権は、NATOに代わる二国間同盟やパートナー協定など、別の枠組みで安全保障が担保されれば、ウクライナはNATO加盟を断念(=停戦に向けて前進)するだろうと考えています。

いずれにせよ、他の国々や国際機関は傍観者でしかなく、米露という力のある者が物事を決めていくという、この世界の過酷な現実を物語っています。

米露首脳会談で、停戦は実現するのか?
(BBC News)

② 民主主義は一歩後退
ウクライナの敗戦は、自由主義陣営の敗北を意味します。

その際、米国がウクライナに敗戦への引導を渡せば、自由主義陣営に対する米国のコミットメントが揺らぎ、日本の安全保障にも大きな影響を及ぼすでしょう。

最大の問題は、この状況を静観している「中国に誤ったメッセージを送ることになる」ということです。

中国にとり、

 トランプ政権期は、
 尖閣諸島や台湾に攻め込む
 絶好のチャンスなのではないか

と。

権力基盤を固める習近平氏
(Diamond Online)

③ ロシアが隣国であるという現実
数年前、まさかウクライナがロシアに侵攻されるとは、誰も思っていなかったことでしょう。

日本は、そのロシアと海を隔てて国境を接しています。そして、これまでに繰り返し掲載してきた中国の意図や戦略のことも考えると、明日は我が身かもしれません。

周辺国から侵攻され、或いは内部から弱体化され、周辺の既得権益が侵害される。

これは東アジアでも起こり得ることで、その脅威は急速に高まりつつあります。

日本を取り囲む脅威の主体
(Created by ISSA)

④ やはり、防衛力の強化は必要不可欠
したがって、国の存亡に関わることは、もっと切実な問題と捉えて、本当に真面目に考えないといけない。

そのために外交が重要なことは間違いないのですが、そもそも、このような連中には、軍事力の後ろ盾を持たない外交は通用しません。

自転車の両輪のように、外交と防衛が一体となって機能することで初めて平和な状態が安定するのであり、いずれか一方の片輪走行に依存するのは、危険極まりないのです。

そして、外部からの侵攻のみならず、内部からの弱体化、特に「日本古来の美しく逞しい真心」への攻撃には、早急に手を打つべきだと思います。

国の守りは物心両面から
(Created by ISSA)

⑤ もっと、ウクライナに手厚い支援を
日本へのウクライナ避難民は、2025年1月31日現在で2,747人に留まっており、各国に比して受入数は非常に少ない状況です。

日本政府は、人道的見地からもっと多くの避難民を受け入れる一方、日本国内の労働力不足解消にも寄与できるような実りある施策を打ち出さないといけません。

私達は今、歴史の転換点にある
以前、100年ほど前にウクライナが日本の対岸に建国しようとしていたことをご紹介しましたが、

もし、極東にウクライナの飛び地があったなら、こちらにもロシアが攻め込んで、日本は今のポーランドのようになっていたかもしれません。

おわりに
トランプ大統領の政策や発言には、いつも多くの問題が含まれていますが、型破りな発想や解決力には、かなり期待できると思います。

ただ、日本としては、アメリカ第一主義に協力する代わりに、普遍的価値に根ざしたリーダーシップをきちんと発揮すること、

そして、もしそれが独り善がりなものになるのであれば協力しないということを、明確に伝えていかなければならないと思います。

一日も早く、ウクライナの大地に平和が戻ることを願って🌻