他人は変えられないと言うけれど・・・(因縁果の道理)
自己啓発本に多い表現なのですが、
「他人は変えられない。だが、自分を変えていくことならできる。」
というものがあります。
確かにそうだね、と思う反面、本当にそうなのかな? とも思います。
例えば、多くの自己啓発本では、
「自分が変わることで相手が変わる。」
としているからです。
名探偵コナンじゃないですが、アレレレレ~? となりますよね。
だって、自分が変わる ⇒ 相手が変わる
つまり、相手を変えるには自分が変わればいい
ってことは、他人を変えられる、ってことになるじゃないですか・・・
この辺り、自己発言に対する矛盾ですよね。
まあ、この矛盾を仁鶴さんばりに、まぁ~るくおさめまっせぇ、としたのが、「他人がどう変わるかは分からない」という曖昧模糊とした表現にしたことですね。
「変えることは出来ても自分が意図した方向に変わるわけではない}
≒「他人は(思うようには)変えられない」
という表現法です。
うんまあ・・・そう言われればそうなんだけれどもね・・・
話を少し変えて、身を置く環境を変えることで言動が変わってくることがあります。
例えば、営業部ではお荷物扱いだった社員が、総務部では抜群の働きを見せるようになるとか、そういった個人の適性と環境とのマッチングが挙げられます。
もちろん、その人をこちらが変えてやったというよりも、その人がそう変わっていく可能性がある方向へ誘導した、と考えた方が正確でしょう。
ただまあ、最終的には本人の意思決定によるとはいえ、そういう意思決定をしやすい環境を整えてあげることは出来るわけですよね。
これって(思っている方向に)他人を変えられるってことになるんじゃないの??? とも思えるわけです。
そう考えた時、もし他人に思う方向に変わって欲しいと願う場合、自分が変わるよりも他人の置かれている状況、すなわち環境を変えてあげるのが一番効果が高くなるのではないでしょうか?
なぜなら、いかに自分が変わったところで、その相手は自分と接する場面でしか変化が生じないからです。
それに自分が変わったところで、狙い通りの方向に変わってもらえるとは限らないわけです。
その点、望ましい方向に進みやすい環境の提供や、その環境下で過ごす時間を多くしてあげることは、かなり効果的だと思うんですよね。
もちろん、環境を変えてあげるというのは、それなりの権限がある立場にいなければ実行できません。
会社組織における経営層や管理職といった立場でないと難しいでしょう。
だから、そういった権限のない人が他人を変えようとすることに注力するのは時間がもったいない、無意味だ、とする自己啓発流の考え方は間違いとまでは言えないと思います。
ただまあ、他人は変えられないとするよりも、他人を変えるだけの環境変化を起こす力がない、とした方が、私的には得心がいきますね。
これを仏教では、因縁果の道理と呼んでいるようです。
恐らく浄土宗の因縁果満から来ている言葉じゃないかな? と思います。
中国の僧・智旭の『阿弥陀経要解』に「報身とは因円にして円果なるを成と名づく」(正蔵三七・三七〇上)とあるからです。
因縁果の道理は、下記のサイトに詳しいので詳細な説明は避けるとして要約すると・・・
人口に膾炙される「因果」。
これは基本的に「自分がした行ないが、巡り巡って自分に返ってくる」という考え方です。
ところが、これだけだと世の理として不十分だったんですね。
悪いことをしていないのに災難に巻き込まれるとか、
どれだけ努力を重ね、善行を積んでも一向に良くならないとか、
こうしたことに不平不満が募るわけです。
仏教では、こうした不平不満への回答として「前世」での悪行を「今世」で償っているのだという言い方をする時があります。
また、因縁果の道理で回答することもあります。
どんなに「因(たね=自分の行ないや力)」を撒いても
「縁(土壌や養分といった自分以外の力)」が無ければ、
「果(身をつける、成果が出る)」ことはない。
ということですね。
私が今回提示した「環境を変える」というのは、「縁」に変化を加えるということなので・・・
道理から考えると、その人に「因(努力や素養)」があれば、マッチングする「縁(環境)」さえあれば、「果(成功)」を成すことが出来る、となるんじゃないかな? と考えています。
他人を変えるためには、環境の変化を起こす。
それだけの力を手に入れないと無理なお話なのですが。
それでも、例えば経営者として社員の成長を促す際、環境を変えてあげるという考え方のほうが建設的なんじゃないかな? と思います。
そしてこのことは、自分で自分を変えようという時のヒントにもなると思います。
つまり、引っ越しをするとか、何かの習慣を始めたり止めたりする。
見知らぬ人々との出会いの場に出かけ、人間関係を変える。
自分自身を追い込んで無理矢理変わろうとすると、精神面でもしんどくなりますからね。
そこまで無理に自分を追い込まず、単純に違う環境に身を置いてみる。
受動的かもしれませんが、そうすることで良い方向へ自己変革が出来るのなら、やってみるだけの値打ちはあると思います。
三日坊主でなかなか変われないという方。
今の環境から少し距離を取って、新しい環境に身を置いてみてはいかが?
という呼びかけの記事でした。
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しがないオッサンにサポートが頂けるとは、思ってはおりませんが、万が一、サポートして頂くようなことがあれば、研究用書籍の購入費に充当させて頂きます。