お母さん、大好きだったよ。
幼稚園に入ってからも、
私の毎日は誰かの期待で埋め尽くされてた。
週5で習い事。
ピアノ、英語、公文、書道、エレクトーン。
友達と遊ぶ時間なんてなかった。
そんな時間があるなんて知らなかった。
当時の私はそれが普通だと思ってたし、
そうするのが「いい子」だと思ってた。
でもね、何ひとつ楽しくなかった。
頑張れば頑張るほど、苦しくなるだけだった。
この頃から、家の中も
どんどんギスギスしていった。
親の夫婦喧嘩が増えて、嫁姑の問題も増えて、お母さんはいつもイライラしてた。
何かあると全部、私のせい。
「あんたがいるから私が責められる」
「あんたなんか産まなければよかった」
「あんたで私の人生狂った」
そんな言葉が、日常になっていった。
「お母さんとお父さん、どっちが好き?」
と聞かれるのも、当たり前。
正解は決まってた。
「お母さん」って言わなきゃいけなかった。
でも、どっちも好きだったんだよ。
まだ小さなわたしの世界には、
お母さんとお父さんしか、いないじゃない。
どんなお母さんでも、
わたしは大好きだったんだよ。
だからこそ、お母さんの言葉が重くて重くて。
何度、耳を塞いで寝ただろう。
お母さん、ごめんなさい。
明日も頑張らなくちゃ。
明日は大丈夫。
明日こそ頑張らなくちゃ。
と、何度唱えただろう。
