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harry1029
空洞60
どうにも、心がモヤモヤして胸に空洞ができて、助けを求めるように今まで出会った人間の中で、助けてもらえそうな人間に連絡を取る。
時尾という同い年の友人だ。
友人と呼べる人間なんて一人か二人くらいの感覚で、本当に理解しあえて、本当に共感できて、本当にその人と一緒に生きていきたいと思える人物だ。
彼とは、絵を描き始めた頃に出会って、僕が何者にでもなれると思えて万能感に浸っている最中、そんな僕に感化されてくれて、共感してくれて理解してくれて、切磋琢磨した仲で彼になら僕の経験したことに対して何かしらのアドバイスをくれるだろうと思い立ったのだ。
1年ぶりだろうか、一緒に絵の展示を行なってから連絡もろくに取らなくなった。
なぜ連絡を取らなくなったかというと、僕がその展示に対して真剣に向き合えなかったから、僕が勝手に彼に失礼を働いたとずっと心に申し訳なさを抱えていたからだ。
久しぶりに彼と会うと、彼は以前の僕に似ていた気がした。
僕が以前働いていた職場を紹介して働いていて、その仕事の面白みを発見し、充実した生活を送っていたからだ。
彼は口々に「希望」という単語を口にして、僕はモヤモヤした気持ちを打ち明けてみても、「希望」という単語を僕にぶつけては、前進する姿勢を見せつけてくれた。
ああ、僕は過去、こんな姿だったかもしれない。
そうだ、僕は、前進していたじゃないか。
僕だって「希望」を胸に歩けるじゃないか。
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