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MTP開発ノート19|両建て回復ロジックは攻める機能ではない。悪化時の補助ブレーキである。

こんにちは、つもです。
この記事は、MTP開発ノートの19本目です。
前回は、出口設計について整理しました。
EAは、入口だけでは不十分です。
エントリーした。
含み益が出た。
でも、決済できなかった。
戻ってきた。
利益が消えた。
この状態では、運用は安定しません。
だから、MTPでは有利クローズという考え方を入れています。
利益方向へ伸びた後、戻りを見て逃げる。
平均建値を基準にする。
手数料やスワップも含めて、実損益を見る。
入口はチャンスを作る。
出口は利益を現実に変える。
そういう話でした。
今回は、さらに踏み込みます。
両建て回復ロジックです。
名前だけ聞くと、かなり強そうに見えるかもしれません。
「回復」
「両建て」
「ロジック」
いかにも、負けを取り返してくれそうな響きです。
でも、最初に言い切ります。
両建て回復ロジックは、攻めるための機能ではありません。
両建て回復ロジックは、勝ちに行くためのアクセルではなく、悪化した口座を一気に壊さないための補助ブレーキです。

両建て回復ロジックを誤解しない
まず、ここを整理します。
両建て回復ロジックは、利益を増やすための必殺技ではありません。
含み損がある。
逆方向に建てる。
反発を取る。
利益で元のポジションを処理する。
このように聞くと、かなり魅力的に見えます。
でも、現実はそんなに甘くありません。
両建ては、方向を間違えた時の逃げ道にもなります。
一方で、管理を間違えると、ポジション数とロットが増えて、状況をさらに複雑にします。
つまり、両建て回復は強力です。
だからこそ、危険でもあります。
使えば何とかなる機能ではありません。
どの状態で発動するのか。
どれくらいの間隔で追加するのか。
最大何回までにするのか。
通常追従とはどう違うのか。
既存の両建てがある時にどう扱うのか。
ここを理解して使う必要があります。

通常追従と両建て回復は別物
MTPには、通常追従があります。
コピー元EAの動きを読み取り、条件を満たした時にSlave側で追従する。
これが通常の動きです。
追従開始段数。
有利エントリー。
RSIフィルタ。
指標停止フィルタ。
口座健全率フィルタ。
最小エントリー間隔。
これらを見ながら、通常追従をします。
一方で、両建て回復ロジックは通常追従ではありません。
口座状態が悪化した時に、補助的に使う安全系ロジックです。
通常追従は、コピー元EAの流れに沿って入る機能です。
両建て回復は、悪化した状態に対して補助的に立て直しを狙う機能です。
同じエントリーでも、目的が違います。
ここを混同すると危険です。

発動ラインを分けて考える
MTPでは、通常追従を止めるラインと、両建て回復の発動ラインを分けて考えます。
たとえば、標準的な考え方として、
最低残高率:95%
両建て回復の発動条件:80%
のように設定します。
この場合、口座健全率が95%を下回ると、新しい通常追従を止めます。
つまり、
「もうこの状態で新しく追従するのは危ない」
という判断です。
しかし、相場がさらに逆行すると、口座健全率がもっと下がります。
たとえば、80%を下回る。
このあたりから、両建て回復ロジックの発動条件に入ります。
整理すると、こうです。
100%:正常状態
95%:通常追従を停止
80%:両建て回復ロジックの発動条件
この2つは同じ意味ではありません。
95%は、通常追従を止めるラインです。
80%は、悪化時の補助回復を検討するラインです。
つまり、95%を下回ったら攻めない。
80%を下回ったら、悪化時の補助ブレーキを検討する。
この考え方です。

口座健全率で見る理由
ここでも大事なのは、口座健全率です。
口座健全率は、残高に対して有効証拠金がどれだけ残っているかを見る数字です。
口座健全率 = 有効証拠金 ÷ 残高 × 100
たとえば、
残高:100,000円
有効証拠金:95,000円
口座健全率:95%
この状態なら、まだ大きくは削られていません。
一方で、
残高:100,000円
有効証拠金:80,000円
口座健全率:80%
この状態では、残高に対して20%削られています。
かなり重い状態です。
この段階で、通常追従を続けるのは危険です。
だから、通常追従はもっと早い段階で止めます。
そして、さらに悪化した時に、両建て回復ロジックを補助的に使う。
MTPが見たいのは、
「まだロスカットされないか」
だけではありません。
「この状態で、さらに通常通り入ってよいのか」
「悪化時に補助的な対応が必要か」
ここです。

両建て回復はナンピンの代わりではない
両建て回復ロジックを、ナンピンの延長として考えるのは危険です。
ナンピンは、基本的に同じ方向へ追加します。
たとえば、BUYが含み損になったら、さらにBUYを追加する。
平均建値は改善します。
ただし、下落が続けば、含み損はさらに増えます。
一方で、両建て回復は、相場の反対側の動きも利用します。
BUYが苦しい時にSELL側で利益を取る。
SELLが苦しい時にBUY側で利益を取る。
このように、逆方向の動きから補助的に回復を狙います。
ただし、これも万能ではありません。
逆方向を持つことで、ポジション構造は複雑になります。
どちらを閉じるのか。
どこで利益を確保するのか。
元の含み損をどう処理するのか。
ロットバランスは崩れていないか。
ここまで考える必要があります。
両建ては、簡単に見えて管理が難しいです。
だから、攻める機能として使うべきではありません。

既存の両建てがある時は危険
両建て回復で特に注意したいのが、既存の両建てです。
すでに裁量でBUYとSELLを持っている。
過去のEA運用で両建てが残っている。
別ロジックで両建てになっている。
この状態で、さらにMTPが両建て回復を重ねると、状況がかなり複雑になります。
どのポジションが通常追従なのか。
どのポジションが回復用なのか。
どれを利益確保すべきなのか。
どれを処理対象にすべきなのか。
これが分かりにくくなります。
そのため、既存の両建て状態がある場合は、安全側で回復ロジックを止める設計が必要です。
裁量で作った両建ての上に、EAがさらに回復エントリーを重ねる。
これはかなり危険です。
両建て回復は、整理された状態で使うから意味があります。
すでに絡まった糸に、さらに糸を足してはいけません。
ほどけなくなります。

追加エントリー間隔の意味
両建て回復ロジックには、追加エントリー間隔があります。
たとえば、
追加エントリー間隔[pips] = 10.0
なら、一定の値幅ごとに追加エントリーを検討する考え方です。
この間隔が狭すぎると、短い値動きの中でポジションが増えやすくなります。
ポジションが増えると、ロットも増えます。
ロットが増えると、少しの値動きでも口座への影響が大きくなります。
逆に、間隔が広すぎると、回復エントリーがなかなか入りません。
安全ではありますが、補助回復としての動きは弱くなります。
つまり、追加エントリー間隔は、
回復力
リスク増加
ポジション密度
のバランスです。
小さければよい。
大きければよい。
そういう単純な話ではありません。

最大エントリー回数の意味
両建て回復ロジックには、最大エントリー回数があります。
たとえば、
最大エントリー回数 = 4
なら、回復用の追加エントリーを最大4回までに制限する考え方です。
この上限がないと、危険です。
相場が一方向に動き続けた時、回復エントリーがどんどん増えてしまいます。
ポジションが増える。
ロットが増える。
管理が難しくなる。
口座への負荷が高くなる。
これでは、安全装置ではなく、別のリスク源になります。
だから、最大回数を決めます。
無制限にしない。
これが重要です。

最大回数を小さくすれば安全、とは限らない
ここで注意があります。
最大エントリー回数は、小さければ必ず安全というわけではありません。
たとえば、回復に必要なロットを少ない回数で処理しようとすると、1回あたりのロットが重くなる場合があります。
4回に分ける。
2回に分ける。
1回で入る。
この3つでは、ポジションの増え方が違います。
1回で大きく入ると、タイミングが外れた時のダメージが大きくなります。
一方で、回数を増やしすぎると、ポジション数が増えすぎます。
つまり、最大エントリー回数はバランスです。
少なければ正義。
多ければ回復力。
そういう単純な話ではありません。
資金量。
ロット設計。
対象通貨ペア。
コピー元EAの含み損の作り方。
口座健全率の下がり方。
これらを見て考える必要があります。

両建て回復で見たい数字
両建て回復ロジックを使うなら、必ず見たい数字があります。
口座健全率。
有効証拠金。
保有ポジション数。
BUY合計ロット。
SELL合計ロット。
方向ごとの平均建値。
回復用ポジションの損益。
通常追従ポジションの損益。
最大エントリー回数。
次の追加エントリーまでの距離。
このあたりです。
特に大事なのは、BUYとSELLのロットバランスです。
両建てになっているから安心、ではありません。
BUYが多いのか。
SELLが多いのか。
どちらに傾いているのか。
相場がどちらへ動くと危ないのか。
これを見る必要があります。
両建ては、両方向を持つから安全に見えます。
でも、ロットバランスが崩れていれば、実質的には片側にリスクが残っています。

両建て回復でやってはいけないこと
両建て回復ロジックでやってはいけないことがあります。
利益を増やすために発動条件を浅くする。
通常追従の代わりに使う。
既存の裁量両建てがある状態で重ねる。
最大エントリー回数を安易に増やす。
追加エントリー間隔を狭くしすぎる。
ロットを上げて一気に回復しようとする。
回復用ポジションだけを見て、全体損益を見ない。
Dashboardやログを見ずに動かす。
これは危険です。
両建て回復は、雑に使うとかなり危ないです。
便利な機能ほど、雑に使った時の反動が大きい。
これはEA運用でも同じです。
機能が強いからこそ、ルールが必要です。

両建て回復は、勝ちを作る機能ではなく、崩れ方を制御する機能
両建て回復ロジックをどう位置づけるか。
ここが一番大事です。
これは、勝ちを作るためのメイン機能ではありません。
通常追従で利益を取りに行く。
有利エントリーで入り方を選ぶ。
有利クローズで出口を作る。
フィルタで危ない場面を避ける。
ここが基本です。
両建て回復は、口座状態が悪化した時の補助です。
崩れた時に、どう一気に壊れないようにするか。
そこに使う機能です。
つまり、両建て回復は「攻め」ではなく「崩れ方の制御」です。
ここを間違えると、危険な機能になります。

両建て回復を使う前に決めておくこと
両建て回復を使うなら、先に決めておくべきことがあります。
どの口座健全率で発動させるのか。
通常追従停止ラインはいくつか。
追加エントリー間隔はいくつか。
最大エントリー回数はいくつか。
1回あたりのロットは重すぎないか。
既存両建てがある場合はどうするか。
回復用ポジションの利益をどう使うか。
元の含み損ポジションをいつ処理するか。
手動介入する条件はあるか。
Dashboardで何を見るか。
これを決めずに使うと、場当たり的になります。
場当たり的な両建ては危険です。
その場では安心したように見えます。
でも、後でポジション構造が複雑になり、判断できなくなります。
両建ては、入るよりも後処理が難しい。
ここを忘れない方がいいです。

両建て回復が発動したら見る場所
両建て回復が発動したら、まず見る場所を決めておきます。
Dashboard。
HUD。
取引タブ。
エキスパートタブ。
操作履歴。
見る順番は、次のようなイメージです。
1. Dashboardで口座健全率を見る
2. HUDで回復ロジックの状態を見る
3. 取引タブでBUY/SELLロットを確認する
4. エキスパートタブで発動理由を見る
5. 操作履歴で追加エントリー履歴を見る
特に重要なのは、口座健全率とロットバランスです。
両建て回復が動いたから安心、ではありません。
動いた後にどうなったかを見る必要があります。
回復用ポジションが利益になっているか。
元の含み損はどうなっているか。
全体の有効証拠金は改善しているか。
口座健全率は戻っているか。
ここを見ます。

両建て回復と手動操作
両建て回復中に手動操作をする場合は、かなり注意が必要です。
手動で片側だけ閉じる。
別のポジションを追加する。
裁量で逆方向を入れる。
一部だけ利確する。
損切りする。
これらを行うと、EA側の想定とズレる場合があります。
特に、両建て状態はロットバランスが重要です。
手動で一部を閉じると、BUYとSELLのバランスが変わります。
結果として、下に動いた時に危ないのか、上に動いた時に危ないのかが変わります。
手動操作が悪いという話ではありません。
ただし、やるなら全体を見てやるべきです。
両建て回復中の手動操作は、単独ポジションではなく、口座全体で判断します。

今回の確認ポイント
今回の話を整理します。
両建て回復ロジックは、攻める機能ではない。
通常追従とは別の安全系ロジックである。
通常追従停止ラインと回復発動ラインは分けて考える。
口座健全率95%で通常追従を止める考え方がある。
口座健全率80%で回復ロジック条件に入る考え方がある。
両建て回復は、ナンピンの代わりではない。
既存の両建てがある状態で重ねるのは危険。
追加エントリー間隔は、回復力とリスクのバランス。
最大エントリー回数は、無制限に増やさないための上限。
最大回数を小さくすれば必ず安全、というわけではない。
BUY/SELLのロットバランスを見る。
発動後はDashboard、HUD、取引タブ、エキスパートタブを確認する。
手動操作する場合は、口座全体で判断する。
ここまで理解して、ようやく両建て回復ロジックを安全装置として扱えます。

最後に
MTP開発ノート19では、両建て回復ロジックについて整理しました。
両建て回復という名前だけを見ると、勝ちに行く機能のように見えるかもしれません。
でも、本質は違います。
両建て回復は、攻めるための機能ではありません。
口座状態が悪化した時に、一気に壊れないよう補助的に使う安全系ロジックです。
通常追従を止めるライン。
回復ロジックを検討するライン。
追加エントリー間隔。
最大エントリー回数。
BUY/SELLのロットバランス。
既存両建ての有無。
これらを見ながら、慎重に扱う必要があります。
今日の結論は、シンプルです。
両建て回復は、勝ちに行くためのアクセルではなく、崩れた口座を一気に壊さないための補助ブレーキです。
次回は、ロットを上げる前に見るべき数字を整理します。
利益が出たからロットを上げる。
これは危険です。
ロットは、利益額ではなく、耐えられる含み損から逆算します。

リスク注意書き
※この記事はMTPの両建て回復ロジックに関する一般的な考え方を整理したものです。
※両建て回復ロジックは利益を保証するものではありません。相場状況や約定状況により損失が拡大する可能性があります。
※両建てはポジション構造を複雑にします。BUY/SELLのロットバランス、平均建値、全体損益を必ず確認してください。
※既存の裁量両建てや他EAのポジションがある状態で回復ロジックを使う場合は、特に注意が必要です。
※ロット設定、追加エントリー間隔、最大エントリー回数は、資金量や口座状況に応じて慎重に設定してください。
※Dashboardや通知は運用状況を確認するための補助機能であり、利益を保証するものではありません。
※MTPは損失を防ぐものではありません。コピー元EAの挙動や相場状況によって損失が発生する可能性があります。
※FX・自動売買・海外FXには大きなリスクがあります。
※EA利用、口座開設、入金、運用は自己責任で行ってください。

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