消防署望楼のある小学校。震災復興期の建築をたずねる。東京建築祭を歩く#1
東京建築祭、開催期間の最後の土日で駆け込み見学してきた。普段見られない建物内に入れることが魅力的で、建築に詳しくないなりに楽しんできたので素人目線でも書き残したい。
1日目は、渋谷スタートで「渋谷区立広尾小学校」まで歩いた。

私は沿線沿いをひたすら歩くタイプの人間でもあり、今回は本腰を入れすぎない程度に歩くことも一つの目的としている。

もうすぐ小学校に着くタイミングで、ホームページに「室内履き持参」の記載を発見。たしかにそうか。普通は校内は上履きで歩くに決まってる。…持ってなくても見学できるだろうか。

(来賓用の扉あるやつ)
結果的に、他にも室内履きを持ってきていない人もいて、靴下のまま校内を歩いていたので同様にした。靴下で廊下を掃除してる感も否めないが、忘れたのが悪い。ビニール袋に靴を入れて持ったまま見学するスタイル。

英語を覚えるタイプの階段。建築鑑賞よりもエモい気持ちになりがちである。私もひょんなことからずっと忘れない単語があったり、変わった覚え方をした記憶がある。

階段の踊り場にあるステンドグラスが素敵だった。とことんお洒落な校舎。レトロ建築の片鱗がみえてきた。


そもそも広尾小学校が建築祭の展示対象となってるワケだが、関東大震災後の小学校復興期の建物で、機能性やデザイン性がその頃の特徴が色濃く反映されているらしい。有形文化財に登録されている。なかでも特徴は、屋上にある望楼だそうだ。

少し息が上がる程度の螺旋の階段が続く。渋谷から歩いてきたのもあり、嘘でしょと言いたくなる。

階段を上まで上がった先には小さなスペースがあり、ハシゴがかかっていた。

ハシゴの上を見上げると、またステンドグラスが見えた。案内係の人はあまり説明をしてくれるタイプではなかった(まわりもそうぼやいていた)ので、うっすら聞こえた程度だが普段あの上は使われないとのこと。

私が小学生なら絶対に上がってみたくなると思う。きっと普段、立ち入り禁止にされているだろうから尚更。

ここでビニール袋に入れていた靴を履き、屋上に出る。この望楼は、簡単に言えば火の見やぐらのことのようだ。先ほどハシゴの上を見上げたのは望楼の内部である。


隣のマンションが近くて同じ目線だったので面白かった。パルクールをやる人たちなら飛び移れそう。それも含めて、屋上から見る風景に"都心の小学校"を感じた。

再び靴下で階段を降りる。来た道を戻るのか。(当たり前)

階段の滑り止めを踏むとかなり痛くて悶絶。途中階もエモかったので撮らせてもらった。


本題ではないのは前提として。机を逆さまにしたり、足にテニスボール刺さってるのも、いつかの記憶が蘇る気分で楽しい見学であった。

校庭に出てみると、グラウンドは転んでも痛くない?仕様になっていた。擦りむいて血の滲んだ膝の傷に砂が食い込むあの痛みも懐かしい。


ベンチで休憩していると、昔の担任が小学校の校門前でタバコを吸っていた光景を鮮明に思い出す。まわりに喫煙者のいない幼少期だったため、思えばあれが一番初めにタバコの臭いを認識した瞬間だったかもしれない。亡き恩師の記憶である。

建築カードとよばれるカードをもらえた。コレクションしたくなる。


当時流行していたデザインだそう
その足で次の目的地へと歩く。有栖川宮記念公園の前を通り、大使館エリアに入っていく。公園前の急坂の前にあるドイツ大使館の敷地壁に可愛らしい展示があった。美味しそうなものだけ撮ってみた。


だが今思えば有栖川宮記念公園に立ち寄るべきだった。前に、この公園では大麻のにおいがするとバズっていた記憶があるからだ。嘘か本当か分からないが、夜な夜な外国人が大麻パーティーをしているとの噂。大使館の車のナンバープレートもよく見かけた。外ナンバーの車の中で、外国人の家族が楽しそうに笑っていた。綺麗な金髪である。

それから今回歩いていて「ドムス」と名のつく、かなり特徴的なマンションがいくつかあった。私が見た構造は、バルコニーはあるが洗濯物を干すスペースはなさそう…窓も開かなそう…に見えて、代わりに植木が置いてあった。とにかく異質な雰囲気で宗教施設かと思った。しかし調べると、ドムスは超高級マンションだということが分かった。しかも長澤まさみと伊勢谷友介が同棲していたマンションかもしれないという噂。確かに周りも大きなお宅は多かったが、芸能人御用達のマンションがこんなに普通にあるのか。ただ、確かに異質であった。小学校を後にして南麻布を歩くとき、全くもって知らない世界に足を踏み入れたようであった。
