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手帳を探しながらたどり着いた場所 from afar|お散歩カフェ



年のはじまりに合わせて新しい手帳にペンを執った人が近くにいる。
楽しそうに毎日何かを書きこんでいるのを横目に、そろそろいい頃合いかと4月始まりの手帳を買いに出かけた。

DELFONICSデルフォニクスという日本製の文具メーカーに出会ったのは大学生の頃で、ちょっと外国風のおしゃれなデザインに惹かれて、表紙がシンプルなロゴだけのマンスリー手帳を何年か使っていた。

日記のようにその日の出来事を書いたり、観た映画やお芝居や美術展のこと、今思えば幼い恋に一喜一憂したことも小さな文字で書き連ねていた。
大人になってから冷静な判断のもとそれらの数冊は廃棄されたので、思い出の中だけに残る懐かしい手帳たちだ。

ここ数年はDELFONICSの代名詞のようになった、ロルバーンのマンスリー手帳を選んでいる。
クリーム色をしたミシン目付きの方眼メモがたっぷりついているところや、クリアポケットが便利なこと、そして表紙のデザインに迷うのも楽しい。
ロルバーンの飾り過ぎないロゴも好きだし、滑走路という意味であることにもときめいた。


初代はスタンダードなネイビー
2代目は左のブルーグレー
3代目はペパーミントに桃



昨年は直営店のSmithに4月始まりの手帳を買いに行くのが早過ぎて入荷の前だったという失敗をしたので、今年は2月になってからお店に向かった。
ところが発売日が早まっていたようで店頭に商品は見当たらず、全て売り切れたあとだった。
実物の色を見て選びたかったけれど、仕方なく今回はネットで注文をすることにした。

その日は東京スカイツリーの隣にある、Smithソラマチ店を訪れていた。
手帳は買えなかったけれど、今いる場所からほど近くに移転した、行きたかったカフェがあるのではなかったか。
いいことを思い出したと電車に揺られることふた駅、そのカフェへ行くのが今日のお目当てであったかのようにわくわくして顔がほころんだ。




浅草に近い場所から建物の老朽化のためのお引越し
はじめて降りる駅から少し歩いて
静かな佇まいを見つけて安堵する



装飾がほどこされた木製の扉に
cafe from afar

ガラスに金の文字で書かれた店名は
遠くからという詩的表現らしい



蔵前を散歩したとき
移転前のお店を見に行ったら
あまりに長い行列だったので
入るのをあきらめたことがある

今日は運よく2番目に案内されたが
ずっと満席で待つ人が途切れなかった




窓を背にした4人掛けの席からの眺め
並んだふたつの丸テーブルを離すことなく
そのまま席につくよう案内してもらう

1段ずつに鍵を掛けられる引き出しに
何をしまうのだろう

ティーカップが並ぶ棚を近くで眺められる
カウンターの席にも座ってみたい
(カップの棚は写真の横にあと5列ある)



横にはステージ衣装のマラボーを思わせる
飾りをまとった暖色のランプが立つ



目の前の赤い絨毯を追いかけた先には



惑星たちのモビールがゆらゆらと
ゆっくり回転していた




本日のオーダー

ブレンドコーヒー
柑橘のショートケーキ

しっとりスポンジの間から覗くオレンジ色は
そのときにおいしい柑橘を選んでいるそうで
甘みから予想するとデコポンと思われる
どこまでもフルーツを引き立てる
クリームのお砂糖味はほんの少し



誰も足跡をつけていない雪野原のような
白く美しいクリームに
フォークを入れるのを
ためらってしまうほど




1時間半ほどのんびり過ごして
カフェを出るとお隣にもまた
木の扉とガラスに金の文字が

麦円
焼きたてベーグルとパンのお店



全てのパンがほとんど売り切れ
わずかに残っていたのは




本日のおみやげ
胡桃のベーグル

真ん中にある立派な胡桃が
水鳥のように見える
まずはその大きな胡桃をいただく



ハロー

おや
誰か除いている



お気に入りのプレートには
three little ghostesses
マザーグースの詩が書かれていて
覗いていたのは
バタ付きパンでお茶会中のおばけたち
もちもちベーグルも
ぺろりとたいらげる





まっしろできれいな箱は誰のもの?



食いしんぼうには
もうひとつ
本日のおみやげ

cafe from afarより
キャロットケーキ

少し大きめのレーズンと
細かく砕かれたナッツと
秘密のスパイスたちが
クリームのドレスを着ている




照明がやわらかく、席の間隔もゆったりしているカフェにはベビーカーも何台か着席していた。
カップルや友達グループのおしゃべりも、ときおり聞こえる子どもの声も、全部が静かな空気に包まれて吸い込まれていくようだった。

実はオーダーと違うカフェラテが最初に運ばれてきた。
お店の方が気がついて、すぐお作りしますと持ち去ろうとするのを、あのう、それでも大丈夫です勿体ないですしと2度ほどやり取りしたのは、ハート型のラテアートがあまりにきれいで写真を撮りたかったから。






届いた4代目のロルバーンは
メタリックのポラライズ

写真ではおとなしそうに見えたのに
光の加減でキラキラと
ピンクにもパープルにも変わる
眩しいしゃぼん玉みたいな子である







 後日またSmithのお店に行ったところ、たくさんの4月始まりのロルバーン手帳がにぎやかに並んでいました。どうやら今年も間違えて発売前にお店へ行ってしまったようです。次から発売日をちゃんと調べようと思います。大変失礼いたしました。
              くまのマフィン

お詫びと訂正 2月10日追記
  







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くまのマフィン ここまでお読みいただきありがとうございました。 思いのカケラが届きますように。

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