「ghost」こぼれ話


演劇×朗読×生演奏「ghost」
「ピアノの生演奏で演劇とかやってみたいっすね〜」なんてことを、蜻蛉の住む家が終わった頃に、作曲家の佐藤さんと話していた。
「え、やりたい。一人芝居で生演奏とか素敵じゃないですか?」と、当初は一人芝居を想定していた。
今後、自分自身が表に立つ機会が減るだろうなと思い、女優として一旦ケジメをつけるために企画を練っていたのだ。
そして「こんなことをやるんですよ〜」と、某俳優のマネージャーさんに世間話として話していたところ、「生演奏の企画、いいですねーやってみたいですね」と。
基本言われたことは断りたくないタチなので、まあ別に私が一人で全公演やる必要もないしな…と思い、「いいですね! 是非出て欲しいです!」なんて言ったのが、ghostの発端です。
タイトルだけは最初から決めていて、一番最初は「ピアニストと、そのピアニストに話しかける人」という設定でした。一方的な会話と演奏で構成し、どちらかが死んでいる…さて、どっち? みたいな物語を想定していました。
が、とある劇場の下見に佐藤さんと足を運んだ時
「ゴッホとゴーギャンだ!!」 と、ビビッと直感で感じたのです。
結果その劇場で上演はされずでしたが、その劇場に行ったからこそ、あの物語が生まれました。
それが夏の終わり頃でしたかね。
朗読劇も終わり、かなひつの執筆も視野に入れつつ、さてどうしようと。
ゴッホとゴーギャンって言っちゃったけど、そんなに二人に詳しい訳ではありませんでした。美術は好きだけど、急に冷静になって「え、むずない??」ってなりましたね。これはやばい。てかゴーストって何!? みたいな。
発表しちゃったし、タイトルを変えるわけにもいかず、まいったな〜。が正直な感想でした。
そんなこんなで、ゴッホの生涯について調べる日々が始まりました。
実際にひまわりの絵を見に行ってみたり、映画を見たり、論文を読んだり。
作家にとって一番大切な、深掘りする時間を濃く過ごしたつもりでしたが、全然物語になってくれません。
彼の手紙も全て読みましたが、9割近くが「金がない、寂しい、絵を描いている」で、何をどう切り取ればいいのか、凄く悩みました。
実際にひまわりの絵を模写して描いたりしていたのですが、黄色で描いている時は、目の前が黄色(幸せな色)で染まる、温かい気持ちに私もなれました。
「カナリアイロニカル」という作品で、黄色の世界(幸せな世界)に生きようとする女性、ナオミを演じた日のことを思い出したりしました。
この黄色の景色を見て、もしかしてフィンセントがひまわり(黄色)を追い求めたのは、この中に幸せを感じていたからでは…?
あれ、そういえばお父さんに初めて褒められた絵はひまわりだった…? と、点と点が少しずつ線で繋がってきました。
こんな感じでフィンセントの物語は膨らんできましたが、ゴーギャンの言葉がまだ膨らんでくれません。
なんせフィンセントに比べて、情報が少ない少ない(笑)。
彼が元水兵だったこと、顔が青白かったこと。
この「青」をキーワードにしたいけど、人物像がなかなか立体的にならない。
どうしたらいいのか…。
さて、11月に入りいよいよ締切が近づいて参りました。
当初は、フィンセントとゴーギャンが天国で魔法バトルをする話でした。
(なんで?)
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