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《身の回りの知財》LINEのシンプルアイデア特許。リッチメニュー

 特許というと、「最先端の技術革新が必要」と思い込んでいませんか。しかし、日常のユーザー体験を改善するシンプルなアイデアでも、新規性と進歩性が認められれば特許として登録されます。この記事は、シンプルなアイデアに関する特許を紹介します。

今回ご紹介するシンプルアイデア特許の概要

 皆さんがご存知のLINEの「リッチメニュー」に関する特許です。リッチメニューとは、トーク画面の下部に表示される、商品リンクやクーポン、予約ページなどを選択できるメニュー機能のことです。
 特許番号は7149097号。権利者はLINE株式会社で、現在も権利継続中です。発明の名称は「情報処理方法、情報処理装置、およびプログラム」です。

解決しようとした課題

 従来のメッセージングサービスでは、ユーザーごとに異なるニーズに応じた最適な情報を提供することが困難でした。

課題を解決するための手段

 この特許のコアアイデアはシンプルです。ユーザーアカウントと事業者アカウントをグループ化し、トーク画面でやり取りされるメッセージとは異なる領域に、ユーザーと事業者両方のアカウント情報に基づいて選択されたメニューを表示します。

 さらに重要なのは、ユーザーがメニューをタップすると、その操作に応じた次のメニューに自動的に切り替わる点です。

ユースケース例

 性別や年代が未登録のユーザーには「性別・年代選択メニュー」を表示します。ユーザーが「男性」「20代」を選択すると、今度は20代男性向けのメニューに自動的に切り替わります。こうして、ユーザーの属性に応じた最適な情報を段階的に提供できるのです。

特許7149097号「情報処理方法、情報処理装置、およびプログラム」の図7Aを引用

コアのアイデアのシンプルさ

 このアイデアの強さは、複雑な技術がいらないことです。新しいハードウェアも必要なく、既存のスマホ機能を組み合わせただけです。トーク画面にメニューを配置し、ユーザーの操作に応じてメニューを切り替える―これだけです。

 にもかかわらず、新規性と進歩性が認められました。メッセージと異なる固定領域で、ユーザー操作に応じて動的に変化するメニューという発想が、従来技術から容易に想到できないと判断されたのです。

 さらに、上記のコアのアイデア以外にも複数のアイデアが保護されています。例えばコアのアイデアにおいて「メニューの表示サイズを変更する」という工夫も含まれています。最初は小さなメニューを表示し、ユーザーが興味を示したら大きなメニューに拡大するといった使い方ができます。

侵害検知の優位性

 この特許には、もう一つ優れた特徴があります。アプリの画面を見れば、トーク画面下部にメニューが表示されているか、操作に応じて変わるかを、人間が目視で確認できます。他社がこの機能を提供した場合、侵害の有無を比較的容易に判断できるのです。

原本確認の重要性

 この記事では、シンプルなアイデアでも特許になるという例を示すため、概要のみを説明しています。特許を詳細かつ正確に理解するには、実際の特許をご覧ください。

 J-PlatPat(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)で無料に特許検索・閲覧ができます。特許番号「7149097」で検索すれば、請求項の全文や詳細な実施例、図面などが確認できます。

まとめ

 LINEのリッチメニュー特許は、ユーザーの状態に応じて動的に変化するメニューというシンプルなアイデアです。技術革新ではなく、ユーザー体験の改善がテーマです。

 新規事業開発で何か工夫を行なったとき、この事例を思い出してください。画期的な技術がなくても、ユーザーの不便を解決する工夫があり、従来技術から容易に想到できなければ、特許として保護される可能性があります。

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