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タイトル未定が全身全霊で届ける“純度100%”応援ソング-新曲「翼」レビュー

2025年12月26日に発売されたタイトル未定のニューシングル「プラネタリウム」。
収録曲は全4曲。その全てがタイアップ曲となった今作のうち、新千歳空港のtiktok公式ソングである「翼」のMVも発売日当日に公開。1月にはDance Practiceバージョンも発表され注目を集めている。
4曲の中で1番王道のタイトル未定らしい応援歌とも言える「翼」の楽曲レビューをMVの感想と共に記していきたい。

ロケ地は空港!壮大なMV

メンバーが映画館のような場所に入ってくるところからMVは始まる。完成した作品を5人で鑑賞、といったシチュエーションだろうか。

場面は変わり、衣装に身を包んだ5人が立っているのはなんと実際の空港。
今MVは新千歳空港・たんちょう釧路空港の協力のもと撮影されただけあり、本物の滑走路でのダンスシーンも実現するなど非常にスケールの大きい作品に仕上がっている。
また、歌詞に盛り込まれた「白く 深く 気づけば 積もってゆく」「大地のハーモニー」等のフレーズは北海道の雪景色や雄大な自然を彷彿とさせ、札幌を拠点に活動するグループだからこその楽曲への説得力が生まれてくる。

更に、途中には空港内外で楽しそうに過ごすメンバーのオフショット風の映像も挟まれる。
5人横並びでラーメン店のカウンターに座っている和気あいあいとした女子会のようなワンシーンには思わず親近感が湧いてしまうほど。
タイトル未定のオンオフ両面が楽しめるのも今回のMVのおいしいところだ。

まだまだ羽ばたける伸びしろの象徴「翼」

普段タイトル未定の楽曲を聴く際「歌割り」に注目しているのだが、今作も不規則且つ効果的な歌割りが印象に残った。

曲中、何度か“離陸”の瞬間がある。
転調することで視点がグッと上を向き、目の前に新しい景色が広がっていくような。1番のサビに筆者は最初の飛翔を感じた。
やはり、と言うべきか。このパートを担当しているのはグループの太陽・阿部葉菜さんだ。
阿部さんの弾けるような明るい歌声に快晴の青空が見えるのはきっと私だけではないだろう。彼女の持つ“引っ張り上げる力”は天下一品だ。

1番の歌割りは冨樫→谷→多田→阿部→多田→冨樫(敬称略)と進行していく。
再確認になるがタイトル未定のメンバーは5人。予定調和的に順番にパートを担当させるわけではないところがこのグループの面白いところである。

満を持して2番歌い出しを担当するのは山下彩耶さん。
1番で彼女の歌声を温存することでこのパートがグループのまだ見せていない側面として映り、2番も新鮮に聴くことが出来る。
山下さんの声はとても良い意味で引っかかりがあると思う。スルー出来ないというか、気になってもっと聴きたいと思ってしまうのだ。
2番のラストパートを任されているのも山下さん。
グループに加入して1年少々、そんな彼女が歌う「僕らはいつも旅の途中だ」という頼もしい一節に、タイトル未定の伸びしろを感じずにはいられない。

ストーリー性のあるダンスにも注目

曲そのものや歌割りも素晴らしいが、今作は歌詞の内容とリンクしたダンスも見どころだ。

今まさに飛び立とうとする美しい翼のような振り付けのイントロから、1番の歌い出しではメンバー4人が2人ずつ左右に分かれ、中央から冨樫さんが出てくるというフォーメーション。彼女の目の前が開けていく様子に「扉の先に 空が広がっている」という歌詞がストンと入ってくる。
冨樫さんは歌とダンスで“音楽を生きることが出来る人”だと思う。目線の使い方や首の動かし方、Dance Practiceバージョンで躍動感あるパフォーマンスを観て改めてそう感じた。

「見ないふりをしていた」で片目を覆う多田さんの仕草からサビの「未来を探しに行こう」で目の上に手をかざす阿部さんの振り付けも対比のようで面白いし、2番歌い出し「背中をそっと風が押してくれた」では、歌唱メンバーの山下さんの背中を4人が順に押していくような振り付けも印象的。サビの「アスファルト蹴り上げて」に合わせて片脚を蹴り上げてからくるりとターンする谷さんの可愛らしさも見逃せない。
愛嬌溢れる表情や小首を傾げる姿ひとつにも谷さんの目指すアイドル像、そこに対するプロとしての向き合い方が透ける。
歌・ダンス・表情。彼女たちが全身全霊で届ける作品が観る者の心を打つのも頷けるのである。

新体制から1年、タイトル未定のいま

落ちサビの阿部さんのパートが大きな助走となり、ラスサビで初めて5人のユニゾンが響き渡る。ここまでソロパートのみで進行してきた歌割りが効き、曲は華やかなフィナーレを迎える。

普段ライブやMVで見せる姿は5人それぞれに魅力的だが、今作において多田萌加さんの幸せそうな柔らかな笑顔に惹きつけられるシーンがいくつもあった。
昨年の新体制お披露目ライブから約1年が経とうとしている今、「大好きなタイトル未定を壊してはいけない」と慎重にパフォーマンスをしていた“新メンバーの多田萌加”はもうどこにも居ないことが嬉しかった。

冠番組もスタートし、個々での活躍も目立ったこの1年。終盤に厚みを増す豊かなラスサビとそれを盛り上げるMVの眩しい朝焼けは、可能性を広げ高みを目指し輝き続けるタイトル未定の現在にも通ずるようだ。
未来を見据え、旅の途中で1度静かに翼を休めるような振り付けで楽曲は締めくくられる。
曲の最後、その真ん中に居るのは紛れもない“タイトル未定の多田萌加”だ。

おわりに

シンプルながら、先へと進んでいく者をパワフルに鼓舞する応援歌「翼」。
タイトル未定からの混じり気のないエールは、見方を変えればグループに対するファンからの願いのようにも取れる。

いつか聞かせてよ 空に描いた夢の続きを

5人が行く旅の先にはどんな風景が待っているのだろうか。
空港から飛び立っていく飛行機のように数えきれない夢と希望を乗せて、タイトル未定は今日も翼を広げる。


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