🟢緑の章:深緑の楽園 ― 揺るぎない信念を貫くものたち 9

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ムヒのお勧めクリエイター
こぴゅらさん
スケールのデカい世界観で、
読めば読むほどハマるファンタジー小説
第九章 試練の果てに
巨大な「緑の結晶」の前に立つ、樹木の精霊が映し出した「幻影の楽園」。
それはレオンとホズミの心の奥底に眠っていた、最も強くそして、最も切実な願望が具現化されたものだった。
彼らの目の前には、それぞれの幻影が光り輝き、甘い言葉で彼らを誘惑していた。
「この幻影に抗うことができなければ……。
お前たちは二度とこの島から出られない……。
この楽園の、永遠の囚人となるだろう……」
精霊の威厳に満ちた声が、洞窟の中に響き渡る。
レオンは自分の目の前に広がる、オーロラが輝く星空の下を旅する幻影の自分を見つめた。
その幻影は、彼の人生を最も輝かせてくれるであろう理想の自分だった。
「レオン……。
お前はこの旅で何を得た?
結局、お前は何も得ていない……。
この楽園で、お前が本当に欲しかったものを手に入れるといい……」
幻影の自分がそう言ってレオンに問いかけた。
その言葉はまるで、彼の心を、深く、深く、突き刺す刃のようだった。
レオンは、幻影の言葉に何も答えることができなかった。
彼の心は、この幻影の甘い誘惑に、強く、強く、揺さぶられていた。
この幻影の中に飛び込めば、彼はもう二度と、苦労や痛みを感じることはない。
彼は本当にこの楽園に留まるべきなのだろうか。
その時、レオンの心の奥底にムヒの言葉が蘇ってきた。
『お前さんは……自分だけの、特別な旅を見つけるんじゃ……』
レオンは、その言葉にハッと我に返った。
彼の旅は楽園にたどり着くことではなかった。
それは、自分自身の心の声を聞き自分だけの、特別な旅を見つけることだった。
レオンは、幻影の自分を見つめた。
そして彼は幻影の自分にこう語りかけた。
「俺は……何も得ていないかもしれない……。
だが……。
俺は、この旅でホズミと出会った……。
俺は……この旅で大切な仲間を得たんだ……!」
レオンの言葉に、幻影の自分が歪んだ表情を浮かべた。
「お前は……この楽園を捨てるというのか……?
お前は……また、一人で苦労を背負い込むというのか……?」
「ああ!
旅は……一人じゃない!
俺には……ホズミがいる!
俺たちは……二人でこの旅を乗り越えてきたんだ!」
レオンはそう叫び幻影の自分に向かって、一歩、また一歩と、歩みを進めた。
彼の瞳には再び旅への情熱の光が宿っていた。
その時、レオンの隣で、ホズミが、震える声で、呟いた。
「おばあさま……」
ホズミの目の前には、故郷の星図を学ぶ温かい家族の姿が映し出されていた。
そして、その中心には優しく微笑む、彼の祖母リツの姿があった。
(おばあさまは……。
もう……この世にはいない……)
ホズミはその事実を、深く、深く、理解していた。
故郷を出てから(時の裂け目で彷徨い)50年以上が経っていた。
祖母は、とっくに天国へと旅立っている。
しかし、彼の目の前にある幻影は、あまりにも、温かくそして現実味を帯びていた。
「ホズミ……。
お前は一人ではない……。
いつでも、ここに帰ってくるといい……」
幻影の祖母がそう言って、ホズミに優しく語りかけた。
ホズミの瞳からは、涙がとめどなく溢れ出てくる。
彼は、幻影の祖母に手を伸ばそうとした。
しかしその時、ホズミの胸元にある【星図の石】が、微かにしかし力強く光を放ち始めた。
その光は、彼の心の奥底に眠っていた、旅の目的を呼び起こそうとしているかのようだった。
(わたくし……。
わたくしは……!
この旅で大切なものを見つけなければなりません……!
おばあさま……。
わたくしは、あなたに会いたい……。
でも……わたくしにはやらなければならない使命がある……!)
ホズミはその光にハッと我に返った。
彼の旅は、ただ、故郷に帰るためだけではなかった。
それは、生命の樹を癒し、オーロラランドを…
この荒れ果てた世界を再生させ、かつての素晴らしいオーロラランドに再生することだった。
ホズミは、幻影の祖母を見つめた。
そして、彼は幻影の祖母にこう語りかけた。
「おばあさま……。
わたくし、あなたに会いたかったです……。
ですが……。
わたくしには、この旅を終えなければならない使命があります……。
わたくしは……今のこのオーロラランドをかつてのオーロラランドへと再生させます!
そして……!
必ず、あなたに再生したオーロラランドを見せに帰ってきます!」
ホズミの言葉に、幻影の祖母が優しい笑顔を浮かべた。
そして、彼女の姿はゆっくりと、しかし確実に、消えていった。
ホズミは、その幻影が消えた場所に向かって一礼した。
彼の瞳からは、一筋の涙が溢れ出てくる。
しかし、その涙は哀しみではなく、決意の涙だった。
レオンは、そんなホズミの姿を見て、力強く頷いた。
二人は、互いの幻影を打ち破った。
「お前たち……。
お前たちは、この試練を乗り越えた……」
樹木の精霊は、そう言って、レオンとホズミを穏やかな眼差しで見つめた。
精霊の体からは光が溢れ出し洞窟全体を温かい光で満たしていく。

「お前たちは、この楽園を越えるに値する真の旅人……」
精霊はそう言うと、レオンとホズミに最後の言葉をかけた。
「この島の真の姿はこの洞窟の外にある……。
お前たちがこの島を去る時……。
この洞窟の真の姿を見ることになるだろう……」
精霊の言葉はまるで謎かけのようだった。
しかし、レオンとホズミはその言葉を深く、深く心に刻み込んだ。
そして、彼らの目の前に光り輝く新たな道が現れた。
それは、この洞窟の外へと、出口へと続く道だった。
レオンとホズミは、互いに顔を見合わせ力強く頷いた。
彼らの瞳には、この試練を乗り越えた揺るぎない信念が宿っていた。
「行こうホズミ。
俺たちの本当の旅はここからだ!」
「はい! レオンさん!」
二人はそう言って光り輝く新たな道へと踏み出した。
レオンとホズミが幻影に惑わされそうになり、
そして彼らの心の葛藤とそれを乗り越える決意!
さて、次章では…
ワシ(ムヒ)の持つnoteだけが知っている😁
次回はこちら
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