🔷藍の章:星が降る湖 ― 静寂を語るもの 2

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第2章 深き森の入り口
レオンとホズミを乗せた筏は、蒼穹の加護に導かれるようにして、静かな入り江へと流れ着いた。
大海原の穏やかな律動は、次第に弱まり、筏は、波に押されることもなく、やがて白い砂の浜へと、そっと吸い込まれるように着岸した。
レオンが最初に筏から足を下ろすと、白い砂は柔らかく、昼の熱をわずかに残していた。
ホズミも続いて上陸し、二人は筏を波打ち際から少し離れた、安全な場所に引き上げた。
彼らが踏みしめる砂の音が、この静かな入り江では、驚くほど大きく響いた。
二人の目の前には、濃い影を落とした森が広がっている。
それは、彼らが緑の島🏝️で足を踏み入れたジャングルのような、光と過剰な生命力に満ちた森とは、全く異質な空間だった。
木々は不自然なほど高くそびえ、その幹は、深海の岩石のように黒く見えた。枝葉は幾重にも重なり合い、まるで分厚い苔の絨毯のように、空を完全に覆い隠していた。
わずかに射し込む夕光は、無数の葉の隙間を通り抜け、細い、蒼い筋となって地面へ落ちている。その光のひとつひとつが、まるで星の雫のように、淡く、微かに輝いていた。
光の届かない場所は、既に宵闇に呑み込まれ、この森全体が、静かに夜へと移行しているのを感じさせる。
レオンは森の入口に立ち、息を呑んだ。
その圧倒的な静寂と圧迫感は、海の試練とはまた違った精神的な重さを伴っていた。
「……昼なのに、夜に呑み込まれたみたいだな」

彼の声は、自然と低くなり、囁きのようになった。
彼のベストに刻まれた緑の紋様(信念)と青の光(信頼)が、この未知の闇に挑む準備を整えるかのように、微かに熱を帯びる。
ホズミは、その言葉に小さく頷きながら、
「静けさが深すぎて……
まるで時間すら、止まっているようです。
さっきまでの海のように流れる時間ではなく、凝縮された時の中に、閉じ込められたみたいですね。」
ホズミの胸元にある砂の羅針盤は、彼らが向かうべき方向、つまり、この深い森の奥を指し示している。
その羅針盤の動きさえも、この空間では、非常にゆっくりと感じられた。
森の奥からは、彼らの旅を常に伴っていた風の音すら届かない。
ただ、遠くで水が滴る音と、名も知らぬ鳥の声が、まるで森の呼吸のように、かすかに、規則正しく響いていた。
それは、人を怯えさせるような恐ろしさではなく、どこか不思議な安らぎを伴った静寂だった。
この静寂は、彼らの心の中にあった騒めきを鎮め、真実の声を聞くように、彼らを誘っているようだった。
「……まるで、何か巨大なものが眠っているみたいだ」
レオンが再び呟いた。
彼が感じているのは、森の生命力というよりも、この森全体の意識のようなものだった。
ホズミは、星図の石をそっと撫でた。
「ええ。
わたくしたちの心を映し出すように、すべてが静かです……。」
二人は視線を交わし、その信頼の光を確かめ合う。
そして、ゆっくりと、静寂に包まれた森の中へと足を踏み入れる。
背後では、藍色の海がすでに遠く霞み、彼らが乗ってきた筏と、静かな波音だけを残していた。
昼間なのに光さえ届かない深い森…
さてこの森の先に待つものとは…
わし(ムヒ)のnoteだけが知っている😁
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